コーヒーを朝飲むことは他のカフェインでは得られないブースト効果をもたらす

GIGAZINE
2023年07月04日 09時15分



コーヒーはどちらかといえば健康にいい飲み物であることがさまざまな研究により示されています。新たにポルトガルの研究者らにより、コーヒーは他のカフェインとは異なり、注意力・作業記憶・目標に向けた行動力を向上させる機能があることが示されました。

Frontiers | Coffee consumption decreases the connectivity of the posterior Default Mode Network (DMN) at rest
https://doi.org/10.3389/fnbeh.2023.1176382


Brewing Clarity: The Unique Neurological Effects of Coffee Over Plain Caffeine
https://scitechdaily.com/brewing-clarity-the-unique-neurological-effects-of-coffee-over-plain-caffeine/


朝、目覚まし代わりにコーヒーを飲む人は少なくありません。ポルトガル・ミーニョ大学のマリア・ピコ=ペレス氏らは、コーヒー愛飲者による「コーヒーを飲むと注意力が高まり、運動能力や認知能力、効率が向上する」という主張が本当なのかを調査しました。

被験者は1日に最低1杯のコーヒーを飲む人々で、実験時は開始の3時間前からカフェイン入り飲料の摂取を控え、カフェイン摂取前と摂取後のMRIスキャンを実施しました。

その結果、カフェインを摂取すると、内省のプロセスに関わる脳のネットワーク部位の接続性が低下し、人々が休息から作業に移る準備ができたことがわかりました。

そして、コーヒーを摂取した場合のみ、高次視覚ネットワークや作業記憶・認知制御・目標指示行動などに関与する右実行制御ネットワークの働きが強くなりました。単にカフェインを摂取するだけでは、こうした働きは見られなかったとのこと。

研究チームは「簡単にいえば、被験者はコーヒーを飲むことでより行動準備ができ、外部からの刺激に対して覚醒した状態にあったといえます」と述べました。

ピコ=ペレス氏は「いくつかの効果についてはカフェインによって再現されており、他のカフェイン入り飲料でも同様の効果が期待できます。しかし、コーヒーを飲んだこと特有の効果もあります。コーヒーの香りや味、あるいはコーヒーを飲むことに関連する心理的な期待などの要因によって引き起こされています」と述べています。

カフェイン抜きのコーヒーを飲んだ場合でも、こうした効果が引き起こされる可能性を研究チームは示唆しています。

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