地球の自転軸がどんどんズレている。一部は人間の仕業

GIZMODO

1年で4.36cmも地軸が動いてるって、GPS大丈夫⁉

地球自転の軸となる地軸が、西暦2000年ごろを境に南から東に移動方向を変更

だれの仕業? 原因は何⁉とみんな騒いでいたら、何のことはない、人間の所業だったというオチです。ソウル大学のKi-Weon Seo教授率いるチームがGeophysical Research Lettersに6月掲載した論文で明らかにしました

膨大な地下水のくみ上げが一因

地球温暖化でグリーンランドや南極の氷床が溶解し、山頂の氷も溶けて自転の重心が移動中なことは前から知られていましたが、研究班が新たに着目したのは過剰な地下水のくみ上げです。

地下水のくみ上げ量は1960年から2000年までに世界中で倍以上に増えていて、年間75兆ガロン(約2840億キロリットル)が地下から消えたんだそうな。

その後は衛星から重心の動きを追跡してきたのですが、農地用・住宅用・工業用にますます多くの地下水がくみ上げられて海に流れこんでいます。特に大量なのが中東・北インド・中国・米西部で、こうした干ばつエリアでは年がら年中地下水をくみ上げることが常態化しています。

また、農耕地帯の加州セントラルバレーなんかは、地軸を動かす力が一番強い中緯度帯(北緯・南緯45度の辺り)にあるのも気になるところ。

同大の試算によれば、地下水くみ上げの総量は1993年から2010年だけで世界全体で推定2兆トン超。観測データと数理モデルで地軸移動の原因を調べてみたところ、氷床が溶けて地殻が上昇する現象の次に大きな要因であることがわかったのだといいます。

地軸がずれるとどうなる?

地下水くみ上げは海面上昇をももたらします。11年前の東大の試算では「1961年から2003年の間に平均0.77mm/年、観測された海水面上昇の42%に寄与していることがわかった」のですが、今回のソウル大の試算では「1993年から2010年の間にのべ6.24mmの海面上昇につながった」としています( 17年で6.24mm、平均0.37mm/年の計算)。

北極は定点ではなく「地球の一番北」のことなので、自転軸がずれれば、地球の一番北もずれて、北極もずれて、北緯や南緯もずれれば、東経や西経もずれてしまいます。 まあ、地球の傾きがずれたといっても、まだ季節が変わるほどじゃないですけどね…。 マップの未来、海運・宇宙・軍事の未来が心配。