レント・ザ・ランウェイ 第1四半期、アクティブ会員数が過去最高を記録も収益力にいまだ課題

DIGIDAY

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レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)はこの数年間に成長が停滞していたが、しだいに復活しつつある。

ファッションレンタルサービスである同社は6月7日水曜日、2023年第1四半期の決算を発表し、収益の改善と損失の減少を報告した。

同四半期の収益は7420万ドル(約104億円)で、前年同期の6710万ドル(約93億9000万円)から10.6%増加した。アクティブ会員数は14万5220人と前年同期の13万4998人を上回り、パンデミック前の数値も超え過去最高となった。同社の損失は3010万ドル(約42億1000万円)で、前年同期の4250万ドル(約59億5000万円)に比べて改善した。

収益目標達成への長い道のり

それでも同社は多くの課題に直面している。財務は改善されたものの、同社が収益目標を達成するには、まだ長い道のりが控えている。さらに、特にインフレの渦中でレンタルへの関心が依然として高いが、人気の高い一部のアイテムはすぐに貸し出され、すべての会員が入手するのは困難なため、在庫の確保も課題だ。会員の満足度を高めるため、同社はテキストベースのコンシェルジュサービス、検索結果やおすすめ商品を改善する技術など、配送や顧客サービスの体験を向上するための新しいツール群への投資に力を入れている。

「この数年間の財務変革により、顧客体験の向上という戦略にリソースの大半を投資できる、強固な立場にあると確信している」と、共同創業者でCEOを務めるジェニファー・ハイマン氏は決算発表で語った。同氏はさらに、「今後数四半期にわたって顧客のためにサービスを提供すると同時に、会員の増加と収益性の目標に向けてまい進していく」よう努めると述べている。

ジェーンハリ・アンド・アソシエイツ(Jane Hali and Associates)のシニアリサーチアナリストを務めるジェシカ・ラミレス氏は、レント・ザ・ランウェイが新規加入者の獲得で改善を図ってきたと語る。「しかし、過去数年間の業績の低迷にも直面している」と、同氏は説明する。

顧客重視の取り組み

全体として、レント・ザ・ランウェイは2023年に顧客重視の取り組みを優先すると語る。

同社によれば、今年後半はマーチャンダイジングの改善が進んでいる。「在庫の拡充は引き続き最優先事項だ」と、ハイマン氏は6月7日の発表で語った。

決算発表において、ハイマン氏は3月に開始された機能で、顧客がコーディネート一式を探すことができる「レントザルック(Rent the Look)」に言及した。同氏によると、この機能は人々が在庫切れのアイテムがあるページにヒットしたときの便利な代用品として機能してきた。また同社は、ウェブサイトやアプリにも更新を加えており、商品検索と発見を改善するためにAIの活用を開始した。

カーニー(Kearney)のパートナーで米小売リーダーでもあるマイケル・ブラウン氏は、レント・ザ・ランウェイが復活を果たすためには、在庫管理に関して依然として多くの努力が必要だろうと述べる。

「困難なことだが、多様な在庫を維持することで、より幅広い層の顧客にアピールできるようになるだろう」と、同氏は述べる。同時に、レント・ザ・ランウェイは、現在起こっている過剰在庫の状況を活用し、ファッションブランドとコラボレーションすることで、鮮度の高い商品を仕入れることも提案している。

ラミレス氏は、レント・ザ・ランウェイが顧客体験について大きく進展しているものの、会員はもっとも人気のあるアイテムをレンタルできなければ、サービスを利用し続けないだろうと語る。同氏は、テキストベースのコンシェルジュサービスや自宅での引き取りなど、利便性を重視したアップデートは利点であると指摘し、同社がデジタルレンタルのプロセスをよりシームレスにすることに成功していると付け加えた。

それでも、「季節やイベントに合わせた服装を探している顧客にとっては、品揃えの面で弱点が残る」と、同氏は述べている。

[原文:Rent the Runway narrows losses as it reports a record high in active subscribers]

Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Rent the Runway

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