ゲームをするなら自宅に「ゲーミングルーター」がないとダメ?【一人暮らしのネット環境Q&A】

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ASUSのゲーミングルーター「ROG Rapture GT-AX11000 Pro」。Wi-Fi 6トライバンド対応、10Gbpsの有線LAN対応など、高い性能を持つ

 Wi-Fiルーターの中には、「ゲーミングルーター」というジャンルの製品があります。ゲーミングルーターでないとゲームができなかったり、あからさまに不利になったりするわけではありませんが、ゲームプレイを快適にし、リアルタイム性が高いゲームを有利にプレイするための機能が、ゲーミングルーターには備えられています。

デザインが派手なだけじゃない、ゲーマー向けのプラスアルファの性能

 ゲーミングルーターは、ゲーミングPCのように派手なデザインをしていて、一般的なWi-Fiルーターと比べて高額な製品が多くなっています。

 ゲーミングPCでない普通のPCでもPC用ゲームが遊べるように、ゲーミングルーターでなくてもネットゲームを遊ぶことはでき、ゲームのためにゲーミングルーターが必要というわけではありません。では、ゲーミングルーターは、普通のWi-Fiルーターと何が違うのでしょうか?

 デザイン以外でゲーミングルーターの特徴的な点は、ゲームのための通信をできるだけ高速・低遅延化する機能を搭載していることです。中でも代表的な機能は、通信の種類ごとに優先順位を付けて通信を行うようにし、ゲームのための通信を優先するようにできる「QoS(Quality of Service)」です。

 また、一般的なWi-Fiルーターよりも高性能なCPUを搭載していて処理能力が高く、Wi-Fiルーターの不調によりゲームプレイで不利になったりすることがないよう、高い信頼性が確保されている製品が多いです。有線LANポートも10Gbps、2.5Gbpsなど高い通信速度に対応した製品が多くあります。

 実は、ゲーミングルーターにこれといった定義があるわけではありません。しかし、ゲームのプレイに役立つプラスアルファのネットワーク性能を持っているのが、Wi-Fiゲーミングルーターだと言えます。ゲーミングPCなどを発売しているブランドがゲーミングルーターも発売している、というケースが多いです。

ASUSの「ROG」や「TUF Gaming」が代表的

 日本で販売されているゲーミングルーターでは、ASUSの「ROG(Republic of Gamers)」ブランドや、「TUF Gaming」シリーズの製品が代表的と言えるでしょう。

 ASUSのゲーミングルーターの多くが搭載している特徴的な機能には、先述したQoSのほかに、次のようなものがあります。「ゲーミングLANポート」は、接続したゲームのための通信を優先的に行う有線LANポートで、据え置きゲーム機などの接続が想定されています。

 「モバイルゲームモード」は、Wi-Fi接続した機器のゲームの通信を有線する機能で、スマートフォンのほか、Wi-Fi接続したゲーム機の通信も対象にできます。また、「ポートフォワーディング」機能により、ゲームのために必要な通信ポートの設定を手軽に行えます。

ASUSのゲーミングルーター「TUF Gaming AX(TUF-AX6000)」。Wi-Fi 6デュアルバンド対応で有線LANは2.5Gbps対応

ゲームをしない人にも高性能Wi-Fiルーターとしておすすめ

 ゲーミングルーターは、ゲームをしない人が使っても、全く問題ありません。ゲームプレイのようなハードな用途に耐えられる、高性能なWi-Fiルーターだと言えます。

 また、特にゲーミングルーターとうたっていなくても、QoSなどのゲームプレイに役立つ機能を持った製品もあります。QoSは、特定の種類の通信を優先する機能であり、Web会議のための通信を優先するなど、ゲーム以外の用途でも活用されます。

 ネットゲームを快適にプレイするためのネット環境には、通信回線やプロバイダー(ISP)など、さまざまな要素が影響して、Wi-Fiルーターだけが決定的な要素となるわけではありません。しかし、同じようなネット環境のユーザー同士が対戦をしたとき、Wi-Fiルーターの性能の差が勝負を分けることも、もしかするとあるかもしれません。

一人暮らしをするにあたって、ネット環境をどうしたらいいのかよく分からない……。そんな人のために、初めての回線選びの考え方やWi-Fi設定の基礎など、一人暮らしのためのネット知識を、Q&A形式で紹介します。バックナンバーはこちら

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