画面サイズがここまであれば、折り畳んでいるときの使い勝手はかなりあがるはず。
今月頭にMotorola(モトローラ)が発表した最新折りたたみスマートフォン2種、Razr (2023年ver.)とRazr+。
アメリカでは6月16日から予約受付が始まる(月末発売)Razr+を、一足先に米Gizmodo編集部が触ってきました。縦折りコンパクトタイプのRazr+、最新モデルの使い心地は?
※アメリカ・カナダ市場以外では、新型Razrは「Razr 40」、Razr+は「Razr 40 ultra」の名称になっています。
僕が初めて手にした携帯電話は、Nokia(ノキア)のパカパカタイプのやつでした。
モデルは覚えてないけれど、なかなかタフなやつで、中学から高校の始めくらいまで使っていました。
おしゃれとか最新のデザインではなかったですね。学校で人気がある子たち(しかも家が裕福)はモトローラのRazrを使っていたのを今でも覚えています。
あのときの気持ちから、今でもRazrと聞くとちょっと憧れちゃうし、羨ましいなと思う自分がいます。
基本のスペック
そんなノスタルジックな思いを抱えつつ、最新モデルに触ってきました。
2023年版として2モデル発表されたうち、僕が触ってきたのは高位機種のRazr+、折りたたみスマホのプレミアム市場への切り込み端末です。
注目は3.6インチ、pOLEDのサブスクリーン(1,066×1,056、HDR10+)。折り畳んだときに外側についているやつです。大きすぎて、カメラ2つ(12MPメイン・13MPウルトラワイド)が中に配置されています。
開くと6.9インチのpOLEDディスプレイ(2,640×1,080、フルHD)。開いたときの画面の折り目は、やっぱりありますが、他端末と比べると目立たない気もします。
両サイドにあるヒンジが開閉の動きをしっかりサポート、かつゴミが画面に入ってくるのも防いでくれそうな。セルフィーカメラ(フロントカメラ)は32MPで、4K動画撮影(60FPS)が可能。
チップはSnapdragon 8+ Gen 1で、最新版のGen 2ではないものの十分事足りるでしょう。
メモリ8GB、容量256GB。バッテリーは3,800mAhで30W TurboPower充電と5Wワイヤレス充電に対応。
カラバリは、 Infinite Black(黒)、Glacier Blue(グレーがかったライトブルー)、Viva Magenta(マゼンタ) の3つ。気になる価格は希望小売価格999ドル(約14万円)。(比較しやすいようドルでいうと)SamsungのGalaxy Z Flip 4と同じ価格でのスタートです。
過去の折りたたみからMotorolaが学んだこと
かつて携帯電話時代のRazrは一世を風靡し、クールな端末として非常に人気がありました。
その名前とイメージを借り、2019年に初のRazr折りたたみスマホを発表したものの、折りたたみにつきものの耐性問題もありつつ苦戦を強いられています。
折りたたみ以外では、フラッグシップとなるMotorola Edgeは中価格端末、Moto G Powerはバジェット端末で、モトローラにはハイエンド端末の印象を持っていない人も多いかと。
ゆえに、Razr+はモトローラの中ではハイエンドな立ち位置を背負っている端末とお見受けしました…。
OSアプデが3年、セキュリティアプデ(隔月)は4年になっているのも、そこを裏付けるのかな。
Razrは、パカパカガラケー時代のアゴデザインを一度は採用したものの廃止。これ、賢い選択だったと思います。
あのアゴはノスタルジーのみで、実際には不要の長物だったので。アゴがないことでピシャっとフラットに閉まるようになります。
プロセッサにGen 2ではなくSnapdragon 8+ Gen 1を搭載したのには、Nothing Phone (2)と同じ戦略を感じます。事足りるなら最新版でなくてもいい、その分価格を抑えたいというわけですね。
持った感じは?
折りたたみで(非折りたたみよりも)重要なのは、持ったときの感じ。手の中での収まりや開閉時それぞれのスクリーンの使い勝手です。
それでいうと、Razr+最大の特徴である3.6インチの外側スクリーン、いい! このサイズがあると一気にできること、使えることが増えます。
GoogleマップやGmailがこのスクリーンでも使えます。外スクリーンでどのアプリを使えるようにするかは、ユーザーが設定可能。中には端末の開閉をまたいで続けて使用できるアプリもあります。
カメラ部分は帯でブロックされてしまうのですが、アプリ利用をフルスクリーンモードにすると全画面表示に。ただ、カメラのレンズ部分はやっぱりブロックされますけどね。これは物理的にどうにもならん。
で、ここで気になるのは外付けスクリーンが大きい=使用頻度アップすることで、カメラレンズに触っちゃわない? ということ。…触っちゃいます。
個人的に、僕は指先の動きが繊細なほうだと自負しているのですが、それでも触っちゃう。しかし、それでもこれが、端末の個性とカメラを天秤にかけたモトローラの大いなる決断なんだろうと思います。
手の中での収まり具合でいうと、やはり大きいね。というか長いね。
僕はアメリカ成人男性の平均くらいだろうと思っているのですが、開くとGalazy Z Fold 4よりも0.7インチ(約1.8cm)長い、縦細長端末のRazr+はやっぱりかなり大きく感じて、指が届きにくい箇所はあります。
モトローラ的には、Razr+をインフルエンサーやコンテンツクリエイター向けにアピールしたいようですが、端末の開閉を途中で留めておけるので、撮影やボイスレコーダーとしては使いやすそう。この利点はGalaxy Z Foldと同じですね。
カメラに過剰な期待はしないように
ハンズオンではじっくり撮影テストまではできませんでしたが、まぁ折りたたみスマホの目玉は折り畳めることなのでね。
ブルックリンの空を動画に撮ったり、マクロ画像撮ったりはしてみましたが、普通です。
他の中価格帯スマホと比べても、画像の質がよくてびっくり! なんてことはありません。夜間撮影はできませんでしたが、カメラの数字的スペックからも過度な期待はしないほうが吉。
とはいえ、がっつりレビューしてみないとハッキリしたことは言えませんけどね。
もしかして本命は基本モデルのRazr?
ちなみに基本モデルのRazrには、Razr+最大のウリである外側の3.6インチサブスクリーンはついていません。プロセッサもSnapdragon 7 Gen 1にスペックダウン。ただ、バッテリーは4,200mAhで大きくなります。
価格もRazr+よりは安いだろうし、もしかしたら折りたたみスマホ最安値が発表される可能性も…。
そうなると、Razrが折りたたみスマホ普及を後押しするかもしれません。Google Pixelも折りたたみスマホに参入したとはいえ、やはり今強いのはSamsung(サムスン)。そこをもうちょいかき回してくれるのなら、Razrは大きな存在と言えます。
Source: Motorola