【コラム】そこそこ役に立つ「Uber Eatsでラーメンを食べる時の心構え」5選 / Uberラーメン習熟者が語る

ロケットニュース24

Uber Eatsでラーメンをよく頼む。配達エリア内にある店舗のうち、すでに10軒以上は注文済みである。これはもう「Uber Eatsラーメン習熟者」を名乗ってもよいのではないかと思う。どこで正式な認可を受けられるのかわからないので、独自の裁量で名乗ろうと思う。

ともあれ、好んでラーメンの注文を重ねるうちに、自分の中でノウハウと呼べるような呼べないような知見が蓄積されてきた。したがって今回は、Uber Eatsでラーメンを頼む時の「そこそこ役に立つ心構え」を5つほど皆さんと共有しておきたい。

梅雨の期間はUber Eatsの利用が増えることもあるだろう。ラーメンの注文に初挑戦してみようという方も、あるいはUber Eatsとは無縁だという方でも、おそらく興味深く読めるはずなのでお付き合い頂ければ幸いである。

・環境の異なる食事

まずは初歩的なところからだが、当然ながら「店での食事」と「配達してもらう食事」では環境も条件も異なる。平たく言えば、店では利用できたものが利用できない場合が多いということだ。

トッピングを追加することは概ね可能だが、例えば家系ラーメンで言う「味濃いめ」のような、調理自体に関わるオプションは望み薄だと思ってもらってよい。また卓上調味料も、小袋に入って付属してくることはあるものの、かなり制限されがちだ。

これでは「配達してもらう食事」がだいぶ劣勢に見えるかもしれない。しかし、否である。環境が異なるということは、逆に店では不可能だったことが可能になるということに他ならないからだ。

自分で用意さえできれば、好きな調味料やトッピングを思うがまま投入したって構わないし、ライスをいくらでも大盛りにすることだってできる。全てが自由だ。極論、人目のない場所なら行儀は悪いが踊りながら食べることもできる。無限の可能性がそこにはある。


・「茹で麺」と「生麺」

店で選べるオプションが選べない代わりに、Uber Eatsならではのオプションというのも存在する。それが「茹で麺」と「生麺」だ。つまり「そのまま温めて食べる麺」か、「自分で茹でて食べる麺」かを選べるというわけだ。

多くの店は「茹で麺」のみの提供となっており、「生麺」のオプションが利用できる店はたまに見かける程度だが、気を付けねばならないことがある。いずれかを選ぶ際に決して間違えてはいけない

Uber Eatsを頼む心情というものを紐解くと、その内訳の大半を「楽をしたい」が占めるわけで、そこへ「茹でる必要のある麺」が誤って届いた時の絶望といったらない。心が漆黒に染まること請け合いである。

大抵は「茹で麺」の方にデフォルトでチェックが入っているので事故率は低いが、誤クリックや誤タップには全霊を賭して細心の注意を払う必要がある。

とはいえ、上で述べた「心情」はあくまで筆者のそれであり、茹でる手間が面倒でさえなければ、あえて「生麺」を選ぶ価値も十分にある。何故なら茹でたての方がやはり新鮮に食べられるし、自分で茹でることで麺の硬さを好きに調節できるからだ。


・不可思議なる温め時間

これは筆者の体感だが、いや、そもそも全てが端から端まで余すことなく筆者の体感だが、ともかくUber Eatsで利用できるラーメン店には、こちらが持つ電子レンジを買いかぶっている節がある。

というのも、茹で麺型のラーメンには温め時間が記載してあることが多いのだが、この温め時間の通りに温めて満足の行く確率は2割を下回る。レンジから取り出したラーメンを食べてみて、その微妙なぬるさに首を傾げた回数は片手の指では足りない。

無論、店と届け先の距離が遠ければ冷めてしまうこともあるだろう。しかし不思議なことに、筆者の経験では近かろうが遠かろうが結果として首を傾げがちなのである。まして量の多い二郎系のラーメンともなると首と床が平行になるレベルである。

筆者の電子レンジが貧弱なのか。いや、他の商品を温める時は順当に役立っているので違うと思う。あるいは店側が容器の耐熱性を鑑みて時間を控えめに設定しているのかもしれないが、今のところ多少やりすぎたとて容器が崩壊し絶望がほとばしるような事態には至っていない。

読者の皆さんにおかれては、最初に規定の時間通りに温めてみてから、「ああやっぱり足りないな」という具合に徐々に調節していくのが吉である。最適化を重ね、理想の温め時間を追い求めるのも、「Uber Eatsラーメン道」の醍醐味と言える。


・頼れる存在

ここからは少し高度な話をしよう。Uber Eatsのラーメンを注文した時に用意してもらいたい、あるアイテムがある。箸やレンゲなどと下らないことを書くつもりはない。アイテムの名は、キッチンペーパーである。

Uber Eatsのラーメンはほとんどの場合、麺とスープが中蓋で仕切られているような構造をしている。コンビニのチルド麺を思い浮かべてもらえるとわかりやすいだろう。中蓋を取り外し、スープに麺を投入して温めることでラーメンが完成する。

この中蓋が、なかなかに厄介なのである。中蓋の下にラップなどが張られていない限り、配達の過程で揺られたスープが中蓋の裏側に確実に付着する。確実にである。もし全く付着していなければ配達員のバランス感覚が異常すぎるということなので、それはそれで怖い。

そんなレアケースはさておき、裏側の湿った中蓋をどうするかという問題を考える必要がある。すぐに洗ってしまってもよいが、一旦どこかに置きたい場合、そのまま置くと嫌な気分になる。ティッシュで拭こうにも、ティッシュがビショビショになって嫌な気分になる。

そこで役に立つのがキッチンペーパーだ。テーブルなどに敷いておけば、ティッシュよりもしっかりと、所在ない中蓋を受け止めてくれる。また、まれに配達の影響でスープがこぼれていた時や、自分が食べこぼしてしまった時も、キッチンペーパーは目覚ましく活躍する。

必須ではないが、キッチンペーパーがあるだけで安心感が違うし、作業の快適度も増す。キッチンペーパーという補助線が引かれることで、Uber Eatsのラーメンは美しく整う。キッチンペーパーこそ信じるに値するものである。


・同じチェーンでも

最後に、ややマニアックな知識を書いて終わりにする。前提として、配達エリア内に同じチェーンのラーメン店が複数ある場合、どの店舗でも選ぶことが可能である。最寄りの店舗以外を選ぶ理由があるのかと言われそうだが、実はそれなりにある。

例えば一部店舗でしか期間限定メニューを頼めないことがあるし、何らかの事情で最寄りの店舗が一時的に注文を受け付けていないこともある。ゆえに選択肢が複数あるのに越したことはないのだが、ここで一つ、筆者の発見を紹介しておきたい。

それは、同じチェーンでも具材の包装形式が異なりうるということだ。A区の店舗では容器にパッケージングされていたのに、B区の店舗では袋に入っているだけ、という現象が筆者によって観測されている。何故かはわからない。多分、色々あるのだろう。

今まで書いてきた知見に比べると、重要度は低い。しかし筆者はこれを知った時、心に喜びが湧いた。何というか、自分が「Uber Eatsラーメン道」の階段を一段上がった気がしたのだ。経験を重ねなければ到達しえない深みに触れ、興奮したのだ。

皆さんにも、こうした「知る喜び」があることを知ってほしかったので書いた次第である。必ずしも共感はしなくてよい。できる人だけでよい。


・終わりは見えない

というわけで、つらつらと心構えを挙げてきたが、いかがだっただろうか。この記事を読む前よりも、Uber Eatsラーメンの世界に興味を持って頂けたなら幸いである。そして、心構えを役立てて頂けたなら何よりである。

この記事には書ききれなかったこともあるし、当然ながら、筆者のまだ知らないこともたくさんある。あるいはその「まだ知らないこと」が良いことばかりではないかもしれないが、それでも新たな店や新たな味、新たな知見との出会いを求め、注文することはやめないだろう。

麺から立ちのぼる湯気の向こうに、長く続く階段を幻視する日々は続く。

執筆:西本大紀
Photo:Rocketnews24.

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