築地銀だこを運営する「株式会社ホットランド」は、銀だこだけなく、たい焼き専門店の「銀のあん」やアイスクリーム専門店「コールドストーンクリーマリー」の運営も行っている。グループ企業のブランドには、居酒屋や天ぷら屋、おでん屋などもあり、実は手広く店舗展開しているのだ。
同社はコロナ禍の2021年に新業態の定食屋「野郎めし」の展開を開始した。この2年で郊外型店舗を相次いで出店し、このほど初めての都市型店舗、蒲田東口店をオープンした。実際に行ってみたところ、料理もさることながら練度の高いスタッフに驚いた! こんなに訓練されたスタッフのいる新規店舗は見たことがない!!
・急速に店舗を拡大
野郎めし1号店は群馬県太田市にある。2021年11月の開店当初から行ってみたいと思っていたのだが「行動制限」の影響で遠出がはばかられており、なかなか行く機会を得ないまま約1年半が経った。
その間に関東で新たに14店舗を出店。2023年6月1日に、JR蒲田駅東口に初の都市型店を出店するに至っている。銀だこに負けない勢いで急成長しているブランドなのだ。
オープンしたばかりの蒲田のお店に行くと、筆文字の「野郎めし」の看板が一際目を引く。
1番の売りは「しょうが焼定食」(並盛:税別780円)。秘伝のしょうがダレを使用するこのメニュー、「ぜったいうまい!」と断言しており、猛烈な自信がうかがえる。
それから名物の「もつ煮定食」(並盛:税別780円)。
揚げたての「とり天定食」(並盛:税別780円)もまた、オススメ商品のひとつである。
焼き物・煮物・揚げ物の3大看板メニューで、腹ペコの胃袋をつかもうというコンセプトのようだ。定食屋ではあるが、から揚げやハンバーグ、とんかつなどの定番をあえて避け、メニュー構成にひとひねりを加えることで差別化を図っている点が興味深い。
それからもつ煮といえば、そばチェーンのゆで太郎の姉妹ブランド「もつ次郎」や、山田うどんの「パンチ」(もつ煮)が思い出される。他社の人気商品の要素を上手くメニューに取り入れているところも見逃せないな。
・べっちゃり系しょうが焼
さて、今回注文したのは、しょうが焼定食の「野郎盛」(税別980円)のご飯並盛だ。野郎盛をオーダーすると、ご飯の大盛 or 特盛(少な目も可)変更が無料だ。
「野郎盛り」の名にふさわしい盛り付けだな。180gの豚肩ロースが雪崩を引き起こしている。圧倒的な肉感、これぞ野郎めしといったところだろうか。
キャベツも山盛り! 野菜を多く摂取したい私にとっては、理想的な量である、うん。
芳しい生姜の香り、肉には特製のオリジナルソースが “べっちゃり” とまとわり付いている。決して上品ではない、でもそれがイイ! それでイイ!! 野郎めしというからには、このくらいの勢いが必要だ。
肉をひと口食えば、ご飯3口は軽くイケる! そういえば、ご飯を並盛にしたんだけど、ここの並盛ご飯は普通の定食屋の大盛くらいあるので、注文時に気を付けて。
べっちゃりしょうが焼をご飯に乗せて食ってやる!
近頃すっかり食が細くなった私だが、こうも「食わせる!」という意志の強い料理を前にして、「もうそんなに食えんのんじゃ~……」なんて言ってられない。眠れる食欲を呼び覚まされたように箸が進んでしまうのであった。
もし仮に、勢い任せにしょうが焼を全部食い切ってしまったとしても、ケツ持ちに付け合わせには明太子がついているから大丈夫。ご飯だけがあまる心配はないので、己の欲求のままに食べるがよろしい。
・強いスタッフ
余談だが、私が訪ねたのは開店2日目だった。オープンしたばかりのお店には何度も訪問しているのだが、ここほどスタッフがしっかりしていて、混乱の少ない店は初めてかもしれない。
スタッフ全員の動きにムダがなく、阿吽(あうん)の呼吸で仕事をこなしている。私がお店にいる間に、オーダーミスや料理の提供遅れは一切なかった。おそらく、他店でしっかり経験を積んだメンバーが集結して、お店を盛り立てているのだろう。
普通は予習不足でメニューがわからなかったり、金額を把握していなかったり、レジがおかしくなったり、本社の社員がスタッフの仕事を邪魔したり、無茶なオーダーにテンパったり……。など、例を挙げればキリがないほど、開店直後はトラブルがあるものだ。
それがまったくないのには、かなり驚いてしまった。この強い体制があるからこそ、急速に店舗を拡大していけるのかもしれない。これからここを足掛かりに、都市型店舗が増えるのだろうか? 野郎めしの今後が気になる。
・今回訪問した店舗の情報
店名 野郎めし 蒲田東口店
住所 東京都大田区蒲田5丁目16-9
時間 10:30~23:00