画像生成AIやChatGPTなどのジェネレーティブAIはゲーム開発のあり方を大きく変えつつある

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ジェネレーティブAIは画像や文章を人間よりも素早く生成できるため、ジェネレーティブAIを運用することで作業を大幅に効率化することが可能です。このAIによる効率化はゲーム開発の現場でも取り入れられていると、The New York Timesが報じています。

Blizzard Trains Image Generator as A.I. Pervades Video Game Design – The New York Times
https://www.nytimes.com/2023/05/22/arts/blizzard-diffusion-ai-video-games.html


ゲーム開発会社・Activision Blizzardの子会社であるBlizzard Studioでは、すでに画像生成AIを開発用ツールに採用しており、「ディアブロ」「オーバーウォッチ」などの人気ゲームのアセットを使ってコンセプトアートを作る試みを行っているとのこと。また、石やレンガなどのテクスチャを作成するためにAIを用いているそうです。

by RVCA18

Blizzard Studioの最高デザイン責任者であるアレン・アドハム氏は、「Blizzard Diffusion」というAIツールを運用する取り組みについて、社内メールで従業員に通知しています。アドハム氏は「驚く準備をしてください。私たちはゲームの構築と管理方法で大きな進化を遂げる瞬間を迎えています」と述べました。

ただし、画像生成AIは学習用データの著作権について議論が行われており、例えばStable Diffusionが大手フォトストックサービスのGetty Imagesから訴訟されています。

画像生成AI「Stable Diffusion」をGetty Imagesが著作権侵害で提訴、これで2回目の法的手続き – GIGAZINE


こうした著作権問題をクリアするため、Activision Blizzardの最高技術責任者であるマイケル・バンス氏は、「外部の画像生成AIで自社の知的財産を使って画像を自動生成しようとしないように」という警告メールを社内に送信したそうです。

さらに、ジェネレーティブAIは品質保証テストを効率化することも可能です。人気アクションゲーム「Gears」シリーズを開発するThe Coalitionのテクニカルディレクターであるケイト・レイナー氏は、「バグや不具合を検出するためにAIを用いることで、発売日にプレイヤーがクラッシュを経験することが少なくなります」と述べています。

アサシンクリード」シリーズを開発するUbisoftは、ゲーム中の基本的なセリフを作成できる「Ghostwriter」と呼ばれるAIツールを使っています。「アサシンクリード」シリーズのようなオープンワールドのゲームでは大量のNPC(ノンプレイヤーキャラクター)を用意しなければならず、必然的に10万行以上のセリフも書き下ろす必要があります。Ghostwriterは、「NPC用のセリフを大量に作成する作業は困難かつ退屈である」というライターからの強い要望があって開発されたそうです

ゲームに登場する無数のNPCのセリフを自動生成してくれるAI「Ghostwriter」をUbisoftが発表 – GIGAZINE


ただし、困難かつ退屈な作業ではあるものの、「NPCのなんでもないようなセリフを大量に書く作業」は若手ゲームライターが初期に行う仕事の代表格でもあり、AIで自動化することで若手ゲームライターの貴重な活躍の場を奪ってしまう可能性があるという批判もあります。こうした批判に対し、Ghostwriterを開発したUbisoft La Forgeのエグゼクティブディレクターであるアイブス・ジャクワイア氏は、数十年前にモーションキャプチャが導入された時に、「ビデオゲームのCGアニメーターの仕事が奪われる」と根拠のない危惧があったと述べています。

ジャクワイア氏は「未来はより多くの技術をもたらすかもしれませんが、ループの中にいる人間を奪うことはありません。アーティストやライター、コーダーは常に開発プロセスの中心にあります。AIはクリエイターのワークフローをよりよくサポートできるようになりましたが、ゲームの創造に不可欠なのは個人の芸術的視野と視点です」と主張しました。

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