生成型AI分野の巻き返しを狙うグーグル ほか【中島由弘の「いま知っておくべき5つのニュース」2023/5/11~5/17】

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1. 生成型AI分野の巻き返しを狙うグーグル

 5月10日、グーグルは年次開発者コンファレンス「Google I/O 2023」を開催した。注目は生成型AIについてどのような技術を投入してくるかということだった。

 基調講演の冒頭で、スンダー・ピチャイCEOは「生成AIにより、グーグル検索を含むグーグル製品はラディカルに便利になる」と述べたことに象徴される。

 生成型AIではオープンAIやマイクロソフトの存在感が増しているなか、ここから一気に巻き替えす構えだ。

 なお、発表されたトピックスは次のようなものだ(ITmediaITmedia)。

  • Help me write:GmailのBard機能
  • Googleマップ:ストリートビューのイマーシブビュー化
  • Magic Editor:Googleフォトの編集機能
  • PaLM 2:新しいLMM
  • Gemini:PaLM 2の次の世代のLLM
  • Bard:日本語対応
  • Google検索:AI機能の付加
  • Vertex AI:AI開発プラットフォーム
  • Project Tailwind:ドキュメントから情報を引き出す“AIファーストなノート”

 それぞれに詳細については個別の記事を参照してほしい。

 加えて、Pixel 7a、Pixel Fold、Pixel Tabletなどの新端末の発表も行われた。

ニュースソース

  • 「AIのGoogle」復活に強い意志 Google I/O 2023で発表されたAIサービスまとめ[ITmedia
  • Google I/O 2023基調講演まとめ[ITmedia
  • 「Google Home」アプリに新機能続々、Google I/Oにあわせアップデート[ケータイWatch
  • 「Google Pixel 7a」発表、「Tensor G2」や8倍の超解像ズーム[ケータイWatch
  • 「Google マップ」で没入型ルート案内の「イマーシブビュー」、数カ月のうちに東京でも[ケータイWatch
  • Android AutoやGoogle搭載車に新機能、車内でのビデオ会議参加など[ケータイWatch
  • Androidで生成AIが返信案をつくる「Magic Compose」や壁紙の自動生成など[ケータイWatch
  • Google スライドで画像生成AI、モバイルGmailで生成AIがメール返信文をつくる――WorkSpaceに生成AIの新機能続々[ケータイWatch
  • GoogleフォトにAI活用の新編集機能「Magic Editor」が登場、2023年後半よりPixelスマホで利用可能に[ケータイWatch
  • グーグル、次世代の大規模言語モデル「PaLM 2」[ケータイWatch
  • グーグル、生成AIによるカードゲーム「I/O FLIP」を公開[ケータイWatch
  • グーグル、生成型AIによるコンテンツを検索結果に表示、まずは米国から[ケータイWatch
  • グーグルが「Wear OS 4」で実装予定の新機能を紹介[ケータイWatch
  • グーグルの折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」発表、25万3000円[ケータイWatch
  • グーグルの対話型AI「Bard」が日本語でも利用可能に、機能追加や対象国拡大も[ケータイWatch

2. OpenAIのサム・アルトマンCEOが米国議会で証言に立った

 ChatGPTを開発するOpneAIのCEOであるサム・アルトマン氏は米国議会で証言に立った。

 そのなかでアルトマン氏は、AIを利用した選挙干渉に「重大な懸念事項」を指摘し、何らかの規制が必要だと意見を述べた(ロイター)。

 具体的には「特定の能力を持つAIにライセンスや登録の要件を設けること」だという。これまで大手IT企業のトップが幾度となく議会で証言をする機会があったが、いずれも法的な規制の介入には抵抗を主張してきたことと比較すると、その戦略が明らかに異なっている(Forbes JAPAN)。

 技術的な理解が乏しい議員らによって、いずれは規制されるのなら、今のうちに自分たちが動きやすいような規制を提案すべきということか。

ニュースソース

  • AI利用の選挙干渉「重大な懸念」、オープンAIトップが議会証言[ロイター
  • OpenAIのアルトマンCEO、AIの監視機関と「免許制」導入を提案[Forbes JAPAN

3. 冷静な態度を崩さないアップル

 大手IT企業が生成型AIの戦略に熱心であることと比較し、アップルは冷静な態度を崩していない。

 5月4日に開催された第2四半期決算説明会でもCEOのティム・クック氏は「AIに関するコメントを一切盛り込まなかった」と伝えられている(The Bridge)。唯一、質疑応答の場面で、アナリストからの質問に答え、「ご存知の通り、私たちは製品のロードマップについてコメントすることはありません」と述べた。そのうえで「私は、これらの問題へのアプローチにおいて、意図的(deliberate)で思慮深く(thoughtful)あることが非常に重要だと考えています。そして、各所で語られているように、整理すべき多くの問題が存在するが、その可能性は確かに非常に興味深いものです」と語ったことが報じられている。

 これまでのAR/VR、自動運転などと同様、未確定のことについて市場をあおるような発言を控えるスタンスは堅持しているというところだ。もちろん、何も取り組んでいないということはないだろうが、技術革新が急激に進むなかで、市場の期待がアップルに対して高まっていることも事実だ。

ニュースソース

  • AppleのAI戦略、「意図的かつ思慮深いアプローチをとる」とティム・クックCEO[The Bridge

4. スマホのマイナンバー証明書は初期化しても消えない?

 5月11日、マイナンバーカードの電子証明書をAndroid端末に搭載できるようになった。

 オークションサイトの「ヤフオク!」は、「中古スマートフォン出品の際、事前にスマホ用電子証明書の失効手続きを行うよう」案内をしている(ITmedia)。「スマホ用電子証明書は、端末の初期化だけでは削除できず、マイナポータルアプリから失効申請を行う必要がある」というのがその理由だ。

 手動で証明書を無効化しなかった場合、どれほどのリスクが生じるのかは明らかではない。一般的には初期化だけで済ませる人が多いとみられるので、今後、デジタル庁などで公式の検証も必要ではないだろうか。懸念が残るままにしておくべきではないだろう。

ニュースソース

  • ヤフオク「中古スマホ出品時、マイナ証明書失効を」初期化だけでは消えない[ITmedia

5. 生成型AIに関して、新聞協会が見解を表明

 一般社団法人日本新聞協会は、生成型AIが報道コンテンツを利用して、情報を習得することや出力することについての見解を表明した(読売新聞デジタル)。

 「AIの進歩に法律や社会制度が追いついておらず、AI開発会社の情報開示も限定的だ。民主主義を下支えする健全な言論空間を守る観点から課題が生じており、報道関連分野における懸念について当協会の意見を述べる」ことを趣旨としている。

 主に次の5点について述べている。

  1. 言論空間の混乱と社会の動揺
  2. 個人情報保護上の懸念
  3. 現行著作権法や法改正に至る過程の問題点
  4. 報道機関の著作物等をめぐる課題
  5. 不透明な運用実態、権利者への不十分な情報開示

 そのうえで、政府は「生成AIが社会と調和するものとなるよう、制度的対応を急ぐべきだ」と締めくくっている。

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