ヤフー株式会社(Yahoo!JAPAN)が提供する事業者向けのデータソリューションサービスは4月17日、「意味」というワードと一緒に検索された「絵文字」について分析したレポートを発表した。これは、意味が分からない絵文字を調べるためのウェブ検索だと仮定しており、2022年4月~2023年3月におけるYahoo!JAPANのウェブ検索のキーワードを対象に調査した。なお、絵文字は2023年3月30日現在、Wikipediaに掲載されている「UnicodeのEmojiの一覧」を対象にしている。
検索された絵文字で一番多かったのは、人差し指と中指を交差させた「HAND WITH INDEX AND MIDDLE FINGERS CROSSED」。海外で使われているハンドジェスチャーで「幸運を祈る」という意味がある。
2位は、顔が逆さまになった「UPSIDE-DOWN FACE」。嫌みや皮肉を表すこともあるが、特に意味はない絵文字という解釈もある。
3位は、笑顔で頭の上に輪が描かれた「SMILING FACE WITH HALO」。笑顔+ポジティブ/ネガティブなどあらゆる感情を含めた絵文字だ。
4位は、涙目の絵文字「FACE WITH PLEADING EYES」。「ぴえん」と呼ばれることも多いが、英訳の通り「訴えかける」「懇願する」という意味も持つ絵文字で、広い意味で使われている。
5位は、両手を上げている絵文字「PERSON RAISING BOTH HANDS IN CELEBRATION」。「万歳」という意味で、お祝いや喜びを表現している。
このように意味を検索された絵文字は、はっきり意味が決まっておらず、文脈や受け手次第で意味が変わるものが多い結果になったという。場合によっては、「UPSIDE-DOWN FACE」「SMILING FACE WITH HALO」「FACE WITH PLEADING EYES」は、受信者は送信者の意図と反する意味で解釈する可能性もある。また、「PERSON RAISING BOTH HANDS IN CELEBRATION」は「降参」とも捉えられる。
年齢別/性別による検索ランキングも出している。「HAND WITH INDEX AND MIDDLE FINGERS CROSSED」は、若いほど上位に入っており、さらに女性の方が検索回数が多い。「FACE WITH TEARS OF JOY」は、26歳以上の男性が多く検索している。ヤフーでは「笑いながら泣いているので、絵文字の意味が分からず困っているのでは」とみている。
2018年~2022年の年ごとのランキングも公表されている。「HAND WITH INDEX AND MIDDLE FINGERS CROSSED」は、2018年/2019年/2020年は2位、2021年/2022年は1位だ。「UPSIDE-DOWN FACE」は5年間、トップ3に入っている。
「FACE WITH PLEADING EYES」は2018年はランク外だったが、2019年は3位、2020年は1位、2021年は2位、2022年は3位と、上位をキープしている。「ぴえん」の検索ボリュームの月次推移を踏まえて考えると、「ぴえん」の流行の影響ではないかと推測。また、この「FACE WITH PLEADING EYES」は、「ぴえん」の流行に合わせて使われるようになり、流行が収まったあとも自然と使われるようになったということが分かったとしている。