ことし40周年をむかえた、「うちのタマ知りませんか?」こと「タマ&フレンズ」。
ばりばりの現役キャラでありながらもどこか懐かしさがあふれるなあとはと思っていたが、なんと40周年とは。
聞けば運営元では1983年の登場から今にいたるグッズの一部を資料として保管しているという。
それ……見せていただけないでしょうか……!!!!!!!!
80年代~90年代前半に販売されていたグッズたちです……!
興奮して見たものの名前をただそのまま叫んでしまった。
取材にうかがったのは編集部の古賀と安藤。
「タマ&フレンズ」が一大ブレイクをおこし、ちまたにグッズがあふれはじめた頃にちょうど小学生時代をすごしたふたりだ。
そりゃあもう、わくわくが止まらないというものだ。
「懐かしい」だけじゃすまされない理由は……思い出?
「懐かしい」のはもちろんなのだけど、それにしてもどのグッズにも、ただ「懐かしい」だけではすまない、埋もれた記憶を呼び覚ますパワーを感じる。
なんだろうこの感覚は。
グッズを案内してくださったソニー・クリエイティブプロダクツのディレクター、松井由美子さんは「『タマ&フレンズ』の最大の特徴は、キャラクター自体を思い出だと感じてくださっている方が多いことなんです」という。
これはほかのキャラクターにはあまりないことだそう。
松井さんは、学習ドリルや裁縫箱を小学校で使った記憶がそう思わせるのではないかと考えているということで……。
さいほうばこ……? さ、さいほうばこ……! 確かにあった……!
私の時代だと、箱の蓋はかぶせるだけの仕様だったから、上の写真のはきっともう少しあとの世代の子どもたちが使ったものだ。
時代を超え学校生活によりそったのがタマなんだ。
「お裁縫箱は卒業したあともご自宅で使っているという方が多くて、それで思い出がさらに深まっていくのでしょうね」と松井さん。
安藤が「うちの実家にもありますわ……」と肩をふるわせている。安藤さん、うちもだよ……。
Back to schoolの掛け声
いまでこそ、ファンシーグッズは大人も旺盛に買うものになったが、かつては小学生がメインのお客さんだった。
商品開発の現場では、夏休み明けや新学期に学校生活に戻っていく子どもたちが学校で新しく使う製品を、という意味で「Back to school」と呼んでいた。
子どもの生活の中心である学校で使ってもらえるものを作る。なるほど、思い出として記憶に残るわけだ。
時間と場所の感覚がおかしくなっていく……
今回、取材のためにたくさんのグッズを倉庫からご用意いただいた。
保管用サンプルのほか、会社OB・OGから寄付を受けたり、取引先から「古いものがかなり良い状態で出てきたから」と寄贈されることもあるのだそう。
多くが新品だ。手にとる。ねだって買ってもらって家に帰ってきてすぐ包装紙から出した瞬間の、あの感覚がよみがえる。
興奮高まるのは私だけじゃない。安藤もいよいよ感極まってきた。
「いま一瞬実家にいるのかと思いましたよ。完全にワームホールが開きました……時間と場所の感覚がなくなってきますね……」
早めに切り上げないと我々、意識が飛んでしまうかもしれない。