巨人が上昇のきっかけをつかめない。2023年4月16日の中日戦(バンテリンドーム)に5-7で敗れて4カード連続負け越し。借金が今季ワーストタイの5にふくらみ、再び最下位に転落した。
「消去法じゃなくハイレベルな競争を」
低迷の一因として、二遊間が固定できないことが挙げられる。二塁・吉川尚輝、遊撃・坂本勇人で固定されてきたが、共に打撃不振でスタメン落ちを経験。坂本は開幕から22打席連続無安打と苦しむなど、現在は打率.133、1本塁打、2打点。今年から副主将に指名された吉川もチャンスメーカーとして期待されたが、打率.179、0本塁打、1打点とふるわない。直近の中日3連戦はいずれもスタメンを外れ、途中出場だった。
チームの窮地で、アピールしているのが高卒3年目の中山礼都だ。春季キャンプは2軍スタートだったが、実戦で結果を残して開幕1軍入り。「1番・遊撃」で今季初スタメン出場した7日の広島戦(マツダ)でマルチ安打をマークすると、15日の中日戦(バンテリンドーム)でも「8番・二塁」でスタメン出場し、中京大中京の同級生・高橋宏斗から2回に中前適時打を放つなどマルチ安打とバットが振れている。翌日の同戦でも5回に鈴木博志から右翼線に2点適時二塁打を放った。打率.278、0本塁打、3打点は十分に合格点を与えられる。
ドラフト4位の門脇誠は6日のDeNA戦(横浜)で坂本に代わり、「8番・遊撃」でスタメンに抜擢されると、2回に平良拳太郎から左翼線に二塁打。プロ初安打を放ち、二塁でガッツポーズを見せた。その後は二塁、遊撃で途中出場が多く、スタメン出場は3試合のみ。打率.167、0本塁打、1打点だが、もっと試合で見たい選手だ。
スポーツ紙デスクは「レギュラーは白紙と言ってよいでしょう。中山、門脇が結果を出せば新旧交代で新たな二遊間コンビが誕生する可能性がある。もちろん、坂本、吉川にも意地がある。消去法じゃなくハイレベルな競争を繰り広げて欲しいですね」と期待を込める。
二遊間の定位置をつかむ選手は――。(中町顕吾)