沖縄でのゴールデンウィークの楽しみといえばなんといってもハーリーだ。
ハーリーというのは爬竜舟競漕の方言読みで、竜の形をした船を櫂で漕いでその速さを競うレースのこと。ハーリーは県内各地で行われているが、今回はその中でも最大規模の那覇ハーリーに行ってきた。
※2007年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
一大イベントです
那覇ハーリーは他の地域で行われるハーリーとは異なり、観光イベント的な要素が強い。今回はハーリーに使われる船に乗せてもらえるというので仕事休んで行ってきたのだが、逆に他の地域のハーリーはかなりの真剣勝負で、普通は僕なんかがふらふらと乗せてもらえるようなものではないらしい。
でかいです
こちらが那覇ハーリーのレースに実際に使われる爬竜舟。42人乗りで重量は堂々の2.5トン。他の地域のハーリーで用いられる船はサバニと呼ばれる実際の漁船で、漕ぎ手も10名と少ないらしい。船体にはカラフルな竜のペイントがなされていて、この文化が中国の影響を濃く残していることを感じさせる。
大人気です
ハーリーの体験乗船は毎年かなりの人気で、並んでも時間内に乗れないことがあるらしい。そんな話を聞いて朝一番でやってきた。
そうしたらすでにえらい混みようだった。しかも僕の周りはほとんどが外国人。彼らの気合の入り方が半端ではなく、そのまま戦地にでも赴くのかというくらいの装備(筋肉とかがね)だった。並ぶところ間違えたのかと心配になった。
沖縄にいる外国人は例外もいるかもしれないが、沖縄とか日本を好きな人が多いように思う。こういうイベントには率先して参加してくるし、日本人にも積極的に話しかける。また沖縄の人も特に臆すことなく彼らと接している。基地反対とか叫ばれている中で、彼らと県民との関係を見ていると、もうちょっとうまいやり方があるんじゃないかなと思ってしまう。
そんな外国人部隊の迫力に押されながらも、じっと並んでなんとか僕も乗船券をゲットした。さあいざ乗り込もうぞ。
ハーリー船は漁船ではなくこのために作られた特別製なので漕ぎ手が座る部分が広く、全長が長くて幅も十分に広い。そのためかかなり安定感があって心配していたほど揺れない。はっきりいって快適だ。
船首に立った本職の漕ぎ手の方が詳しく漕ぎ方を教えてくれた。でも全員興奮気味なのでわけもなく「うおー」とか言ってしまっている。海とか船とか櫂とかが人を興奮させるのは、島を海に囲まれた沖縄人の民族性からだろうか(てきとう)。
櫂は取っ手部分の両端を順手で持ち、鐘の合図に合わせて垂直に着水させて体ごと後ろに移動させる要領で水をかく。舵は船尾で操作するので僕たちはただがむしゃらに漕げばよいのだ。コンパクトな櫂なのだが、着水した瞬間にぐいっと重くなる。しかしその重みが船を「走らせている」感へとつながり、これがまた気分を高揚させる。
しかしこれがなかなか前に進まない。実際に漕いでいると必死で何も見えないのだが、ふと手を休めて周りを見ると、なんと漕ぎ手の揃っていないことか。左右でばたばたと不ぞろいに櫂が揺れていて、およそ進んでいるとは思えない。
それでもばたばたと漕ぎ続けること10分。次第にチームワークが整ってきたのか、横顔に風を感じるようになってきた。とはいったものの漕ぎ手は結構必死なので涼しくなるどころかどんどん汗ばかりが噴出してくる。
20分くらい漕いだところでにわか漕ぎ手の顔にはすでに疲労の色が見られ始める。実際のレースは往復650メートルを速いチームだと約5分くらいで漕ぎきるのだというが、今の僕らだとたぶん1時間くらいかかるんじゃないか。しかも付いたときにはたぶん全員ふらふらだ。
そのとき、なにやら後ろからざんばざんばいう音が聞こえてきた。
ヘイホーヘイホー、ザッザッザ。さっきの外人部隊の船だった。規則正しく、そして力強い櫂さばきで、彼らは僕たちの船を一気に置いていった。見事なチームワークだが本当に体験乗船なのだろうか。舵取りを担当していた係りの人も半笑いだった。
僕たちも再び櫂を持ち、港へ向かって外国人部隊の後を追った。体験乗船は30分間だったが、それでも十分ハーリーの楽しさ(というか厳しさ)が味わえた。
夏が来ますね
那覇ハーリーが終わると沖縄に暑い季節がやってきます(その前に梅雨が始まるわけだけれど)。沖縄にはこういう季節に連動したイベントがたくさんあって面白い。来年はなんとかしてレースに出たいと思っているんですが、誰かチームに入れてくれないですかね。