月曜日が楽しみになるように脳を変えるにはどうすればいいのか?

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休み明けの月曜日が憂うつだという人は多いはずですが、月曜日が嫌だからといって簡単に仕事や学校を辞めるわけにもいかないため、せっかくなら月曜日を楽しみに迎えられるようになりたいものです。そこで、アイルランド王立外科医学院で薬学・生命分子科学の講師を務めるクリスティーナ・レシュケ氏らが、「月曜日が楽しみになるように脳を再プログラムする方法」について解説しています。

How to rewire your brain to feel good on Mondays
https://theconversation.com/how-to-rewire-your-brain-to-feel-good-on-mondays-199236


レシュケ氏は、人間の脳は「予測可能性とルーチン」が大好きであり、ルーチンの欠如が幸福度の低下と心理的苦痛の上昇に関連しているという研究結果もあると指摘。平日から休日になる際は、休みがもたらす喜びと自由のおかげでルーチンの変化と適応にそれほど苦労しませんが、休日から平日になってやるべき仕事がや快適でない雑事がのしかかってくると、脳は平日のルーチンに適応するのに苦労するとのこと。

そこでレシュケ氏は、「週末が終わった後の変化に適応する方法の1つは、1週間継続して私たちの生活をより有意義にするルーチンを導入することです」と述べています。つまり、平日なのか休日なのかにかかわらず継続する「楽しみなルーチン」を生活に組み込むことで、休日から平日への切り替えがよりスムーズになるというわけです。

たとえば「お気に入りのテレビ番組を見る」「ガーデニングをする」「ジムに行く」といったルーチンを、休日と平日にかかわらず同じ時間に行うことで、変化に適応しやすくなるとのこと。レシュケ氏は、「ルーチンは複雑なライフイベントを理解するプロセスである『一貫性』の感覚を向上させます。たとえば、5日間働いて2日間休むというルーチンや、毎日決まった行動をするというルーチンが確立されていれば、私たちの人生はより有意義なものになります」と述べています。


また、休日と平日の移行をよりスムーズにしたい人が確立するべき別のルーチンには、「睡眠のルーチン」が挙げられます。どうしても休日と平日では就寝や起床のタイミングが異なり、睡眠時間にも差が出てしまいがちですが、過去の研究によると、一貫した睡眠ルーチンを維持することは睡眠時間や睡眠の質と同じくらい精神状態に影響を与えると示されています。

レシュケ氏は、「週末の睡眠パターンの変化は、社会的時差ぼけを引き起こします。たとえば、休日は平日より遅い時間に就寝してより長い時間眠っていると、体内時計と社会的に起きなければならない時間の間に不一致が生じる可能性があります。これは、月曜日の朝のストレスレベルの増加に関連しています」と述べました。

睡眠ルーチンを確立するためには、翌日が休みだからといって夜更かしをするのではなく、平日と同じような時間に就寝し、昼寝を避けることが必要です。また、睡眠前にデジタルデバイスをベッドから遠ざけたり、リラクゼーション法を練習したりして、就寝前の30分間を「くつろぎタイム」にすることも役立つかもしれません。


さらにレシュケ氏は、体内で分泌されるホルモンが月曜日の気分に影響を与える可能性があると主張しています。代謝や概日リズムの調整、ストレスへの反応に関連するコルチゾールというホルモンは、一般的に起床する約1時間前に分泌され、翌朝にかけて量が減少していきます。

コルチゾールは急なストレスがかかった際にも分泌されるため、フルタイムで働く人では月曜日と火曜日にコルチゾールの量が多くなり、日曜日に最も低くなることが研究で示されています。しかし、コルチゾールは起床と就寝のタイミング調節やストレス反応に関連しているため、体内におけるコルチゾールの量が高くなると眠りにくくなるなどの弊害が出る可能性があるとのこと。

体内でコルチゾールが分泌される際に脳で優勢になっているのは、感情的な反応に深く関わっている扁桃体です。これに対し、理性や高度な思考に関連する前頭前野が活性化されれば、月曜日だからといって現実的な脅威がないことに気づき、コルチゾールの分泌量が減少していきます。レシュケ氏は、「言い換えれば、私たちはできるだけ早く前頭前野を活性化する必要があります」と述べています。

そこでレシュケ氏は、全体的なストレスを軽減するために「週の最初である月曜日にリラクゼージョン活動を行うこと」を推奨しています。マインドフルネスを行ったり、昼休みなどに自然の中を散歩したりすることで、1週間の始まりに対する認識が変わってくる可能性があるとのこと。

また、朝起きてすぐにスマートフォンでSNSやニュースをチェックするのではなく、自然にコルチゾールの量が減少する約1時間後まで外的なストレッサーを避けるのも、平日をより過ごしやすくするコツだとレシュケ氏は述べました。


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