東京都、安全に使えるフリーWi-Fiを提供開始。年度内に600カ所以上で「OpenRoaming」対応、自治体初 KDDIとWi2のプラットフォームを採用

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東京都のフリーWi-Fi「TOKYO FREE Wi-Fi」における活用例。「OpenRoaming」に対応した他の自治体や海外のフリーWi-Fiでもシームレスに使用できる

 KDDI株式会社と株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)は、無線LANの国際ローミング基盤「OpenRoaming」に対応したフリーWi-Fi構築用プラットフォーム開発し、4月1日より自治体などに提供を開始した。また、両社は、OpenRoamingを用いた「TOKYO FREE Wi-Fi」のサービス環境開発・運営を東京都から受託し、3月31日から運用を開始した。

 東京都における活用イメージは、訪日外国人向けのフリーWi-Fiだ。今後、訪日外国人が増加すると、それに伴い簡単に接続できるフリーWi-Fiの利用が多くなっていくと予想。しかし、「従来のフリーWi-Fiは、端末とアクセスポイントの間が暗号化されていないことが多く、なりすましのアクセスポイントへの接続の抑制が困難などといったセキュリティ上の課題があった」という。

 KDDIとWi2が構築したプラットフォームでは、Wi-Fiの利用スポットに掲示されたQRコードやアプリなどから1回登録するだけで、OpenRoamingに対応した国内外のフリーWi-Fiに安全に自動接続できるようになる。

 東京都によると、OpenRoamingに対応したフリーWi-Fiのサービスは自治体で初。3月31日から提供が開始されているスポットは、東京観光情報センターバスタ新宿(渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 バスタ新宿3階)、都庁第二本庁舎(新宿区西新宿2-8-1 3階窓口待合)、新宿都税事務所(新宿区西新宿7-5-8 4階・6階窓口待合)、都立大久保病院(新宿区歌舞伎町2-44-1 3階外来待合)の4カ所。さらに2023年度中に、都が保有する施設600カ所以上に設置する計画だとしている。

 TOKYO FREE Wi-Fiの提供開始に先立ち、東京マラソン2023と新宿中央公園にてOpenRoamingによるWi-Fiの試験運用が行われた。

 3月5日に開催された東京マラソン2023では、事前受付カウンターとスタート地点のゲート付近にて試験運用を実施。アクセスポイントとインターネットの接続には、auの5Gネットワーク(sub6/ミリ波および5G SA端末)と、衛星インターネット回線の「Starlink Business」を利用。その結果、混雑した環境でもWi-Fiの通信速度が確保できたとしている。

東京マラソン2023にて構築したOpenRoamingのWi-Fi実証構成図。インターネットへの接続は、auの5GネットワークとStarlink Businessを利用している

 また、新宿中央公園では3月1日~14日、公園内に設置された屋外テントのワークスペース「眺望のもり」にて試験運用を実施した。

 KDDIとWi2では、このフリーWi-Fi構築用プラットフォームの特徴として、1)アクセスポイントの正当性を電子証明書で検証する「安全で高速なフリーWi-Fiの実現」、2)主要なOS(iOS、Android、Windows、macOS)と、英語/中国語(簡体字)/中国語(繁体字)/韓国語の利用登録手順に対応した「多様なOS・言語のサポート」、3)教育・研究機関向けの認証基盤である「eduroam」とのローミングによる「外部サービス連携の拡大」、4)自治体が提供する防災アプリなどの各種サービスと連携することで、新たな専用アプリをインストールすることなくフリーWi-Fiが利用できる「自治体サービスとの連携」――を挙げている。

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