「新幹線オフィス車両」で仕事をしたら快適すぎた! 【テレワークグッズ・ミニレビュー 番外編】

INTERNET Watch

 唐突だが、「新幹線オフィス車両」というのをご存じだろうか?

 これはJR東日本のサービスで、東北・北海道・上越・北陸の特定の新幹線の8号車を「ワーク&スタディ優先車両」とし、PCなどを使った仕事や勉強、電話、Web会議をしてもよいことにする、というものだ。

 「特定」といっても範囲は広く、各新幹線のうち、最繁忙期などを除く平日運行の列車の多くが対象になっている。なお、土休日の列車は対象外だ。

 出張の移動なら、「車中では、ずっと仕事をしたい」という人もいると思うが、普通の席では周りに迷惑をかけていないかが気になるし、音声付きでWeb会議に参加するわけにもいかない。しかし、この新幹線オフィス車両なら、それが解決できる、というわけだ。嬉しいことに追加料金は必要なく、列車によっては自由席として利用できる(列車によっては指定席になっている)。

 サービスが始まったのは昨年11月だが、最近はコロナ禍の沈静化に伴って「出張する人」も増えている。おそらく、こうしたサービスのニーズも増えているのではなかろうか。

 僕も最近、実際に利用したので、その利用感をお伝えしたい。

テレワークが定着した昨今、INTERNET Watchの編集部員も、それぞれのテレワーク環境を改善すべく工夫を凝らしている。この連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介。今回は、番外編として、「新幹線オフィス車両」の利用レポートをお届けする。

想像以上に快適、思ったよりも他人を気にしてた?

 さて、今回「新幹線オフィス車両」を使った状況は以下のとおり。

 こうしたサービスは、利用する時間や列車が違うと、混み具合がかなり異なる可能性があるので、先に書いておきたい。

・乗車日時は9月下旬の平日、11時台
・乗車区間は大宮駅~北上駅
・乗車列車は「やまびこ号」 (新幹線オフィス車両は自由席)


 …………で、肝心の感想だが、一言でいうと「サイコー」だ(笑

新幹線オフィス車両で仕事中

 車内では、資料を作成したり、軽くWeb会議をしたりしたのだが、想像以上に快適だった。

 同じ「PCをつかう」でも、「ちょっと申し訳ないな」と思って使うのと、「ここは使うのが普通だから」と思って使うのは気楽さがかなり違う。自分はあまり遠慮しない性格だと思っていたのだが、「意外と他人に遠慮していたんだな」と気が付かされた。

 ちなみに、今回乗車した列車の新幹線オフィス車両では他の乗客は少なく(最大でも20人弱ぐらい)、他人の打鍵音は聞こえなかったが、数回、Web会議のような話し声が聞こえたので、仕事をしている方は他にもいたようだ。なお、8号車があまりにも空いていたので、他の車両の様子も見に行ったのだが、指定席は満席に近い乗車率。「自由席」ということで、逆に敬遠している人もいるのかもしれない。

 このほかの点は、普通の車両と同様だ。インターネットは車内Wi-Fiが利用でき、電源も車内コンセントが利用可能。個室ではないので、必要なら画面ののぞき見対策なども考えなくてはならないが、新幹線オフィス車両には、折り畳み式間仕切りが用意されてあり、無料で貸してもらうことができる。

もちろん車内Wi-Fiが利用できる

車内で貸し出されている間仕切り

無理して速達列車を使うより、「快適に仕事ができる列車」のほうが効率的かも

 というわけで、僕的には大絶賛の「新幹線オフィス車両」だが、注意したいのは列車によっては指定席だったり、設定が無かったりすること。

 僕の使った「やまびこ号」のほか、「なすの号」「とき号」「たにがわ号」「かがやき号」「はくたか号」「あさま号」では自由席なのだが、「はやぶさ号」「はやて号」では指定席になっており、「こまち号」「つばさ号」「つるぎ号」ではそもそも設定されていない。

 指定席では、事前に席を確保できるメリットがあるが、反面「人のいないあたりを見繕って利用する」というのができなくなる。また、「指定席になっている」ということは、混雑しやすい、という可能性もあるかもしれない。

 ただ今回、「やまびこ号」の新幹線オフィス車両を使ってみて、僕は「無理して速達列車を使うより、快適に仕事ができる列車で移動するほうが効率的かも」という考えになりつつある。

 例えば、東京~仙台間の所要時間は、速達列車のはやぶさ号で1時間30分強、やまびこ号で2時間強。その差30分として、もし、はやぶさ号の新幹線オフィス車両が埋まっていたら、(事情が許せば)やまびこ号の新幹線オフィス車両で移動したほうが、機動的にWeb会議ができたり、快適に仕事ができたりなど、メリットが大きいように感じている。

 このあたりは人や状況によって変わってくると思うが、「新しい選択基準」として考えてみるのもオススメしたい。

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