アパートやマンションの中には「Wi-Fiあり」をうたう物件があります。無料で別途手続きをする必要がなくインターネットを利用できるなら便利そうですが、何か落とし穴はあるでしょうか?
同じ「Wi-Fiあり物件」でも実態はさまざま
物件が「Wi-Fiあり」「光ファイバー装備」「インターネット使い放題」などとうたっていても、実際のサービス内容はさまざまです。
引っ越してすぐにWi-Fi接続でインターネットが無料で使える可能性もありますし、実際には別途契約や機器の用意が必要かもしれません。ふだん「Wi-Fi」を「インターネット接続」の意味で捉えていて、Wi-Fiがあるならすぐにインターネットが利用できるはずだ、と自動的に解釈してしまう人もいるかもしれませんが、物件選びにあたっては都合よく解釈せず、サービス内容や料金を確認する必要があります。
例えば、賃貸住宅大手の「レオパレス21」では、「インターネット(Wi-Fi)対応物件」や「インターネット使い放題」のような言葉で物件を紹介しています。しかし、インターネット接続の利用には、同社の有料サービス「レオネット」の契約が必要になります(レオネットを契約すればWi-Fiでインターネット使い放題になります)。
一方、「ゲーマー向け賃貸住宅」のようなうたい文句で、高速インターネット回線を備えた物件も登場しています。例えば東京の門前仲町駅近くにある「VERXEED(ベルシード)門前仲町II」では、NURO 光の高速回線や、インターネット無料をアピールしています。
インターネット利用料込みでほかの物件と比較してみよう
賃貸物件の付加価値として、インターネットを売りにする物件は増えつつあります。フレッツ光について解説した際にも触れたように、物件により利用できる回線や期待できる最大通信速度は大きく異なるのが現状ですが、手軽に利用できることや高速な回線、無料のインターネット接続などを打ち出している物件があります。
物件が「インターネット無料」をうたっていても、実際には賃料にインターネット利用料分も加えられていると考えられます。しかし、全戸一括での契約のため、入居者が個人でインターネット接続サービスを契約する場合よりも料金は割安となり、賃貸オーナーにとっても入居者にとっても、メリットが大きくなるわけです。
「Wi-Fiあり」のような物件を検討するときは、料金や、機器の購入が別途必要かなどを確認した上で、ほかの物件と比較検討するといいでしょう。個人でインターネット接続サービスを契約する場合、月額料金は安いもので3000~5000円程度必要になります。1つの目安として、インターネット無料の物件の賃料が、別途インターネット契約が必要な物件の賃料に3000~5000円を加えた金額と同じなら、それらはほぼ同条件と見ていいでしょう。
前述したレオパレス21のレオネットの場合、インターネット接続のみの「ライトプラン」は月額2640円、動画見放題と雑誌読み放題の「U-NEXT」のサービスが付属した「ベーシックプラン」は月額3630円が、家賃とは別に必要になります。
月額料金以外の要素として、「Life Stick」という独自のWi-Fi接続用機器が提供されるため、自分でWi-Fiルーターなどを買う必要がないこともメリットです。また、即日利用を開始でき、初期費用や解約時の違約金がゼロな点も魅力です。
通信速度などは明らかにされていませんが、U-NEXTが提供されるので、どこの物件でも動画配信サービスがストレスなく利用できることは期待していいでしょう。ちなみに、U-NEXTは単体で契約すると月額2189円なので、これを利用することを考えると、ベーシックプランもかなりお得な料金設定だと言えます。
「Wi-Fiあり」のような言葉自体は単なる宣伝文句で、無料でインターネットが使えるぞ! といった早合点は禁物です。サービス内容や料金を確認した上で、ほかの物件と比較・検討するようにしましょう。