ニュースストリーミングの「CNN＋」がスタートからわずか1か月でサービス終了

世界初の24時間ニュース専門チャンネルとしてスタートしたCNNが始めた有料ニュースストリーミングサービスの「CNN＋」が、サービススタートからわずか1か月で終了することがアナウンスされました。報道メディアからは「初めからサービス終了する運命だった」などの声が上がっています。

CNN+ will shut down at the end of April – CNN
https://edition.cnn.com/2022/04/21/media/cnn-shutting-down/index.html?

CNN Plus is shutting down only a month after it launched – The Verge
https://www.theverge.com/2022/4/21/23035703/cnn-plus-shutting-down

RIP CNN+, March 2022-April 2022 | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2022/04/rip-cnn-march-2022-april-2022/

CNNが2022年3月29日にサービススタートしたニュースストリーミングサービスのCNN＋を、4月30日で終了すると発表しました。CNNのクリス・リヒトCEOはサービス終了について、「CNN＋の才能あふれるスタッフとサービス上で配信しているコンテンツの質の高さを反映したものではありません。また、CNN＋で配信していたコンテンツの一部は他のサービスへ移行する予定です」と話しており、コンテンツの一部は別サービスで引き続き配信されることとなる模様。

また、「複雑なストリーミング市場では、消費者はスタンドアロン製品よりも優れた体験とより多くの価値を提供するシンプルさを併せ持ったオールインサービスを望んでいます」とも語っており、ストリーミング市場でユーザーに求められるようなあらゆるコンテンツがひとつにまとまったオールインサービスでなかったことがCNN＋の敗因であるとしています。

なお、CNN＋のサービス提供に従事していた従業員については、今後90日間は給与の受け取りが可能ですが、CNN内で別の役割を見つけ出すことができない場合は、給料6か月分の退職金を受け取ることもできます。報道によると、CNN＋の責任者であるアンドリュー・モース氏はCNNを辞めることとなるそうです。

CNNは数年をかけてCNN＋に約10億ドル(約1300億円)を費やす計画で、すでに少なくとも1億～3億ドル(約130億～390億円)の資金をサービスに投入していると報じられています。CNNはCNN＋の有料会員数をサービス開始1年で200万人、4年で1500万～1800万人に伸ばすことを望んでいましたが、2022年4月第4週の時点ではわずか15万人にとどまっていると報じられました。

なお、CNN＋がサービスをスタートしたのは、ディスカバリーとCNNの親会社であるワーナーメディアが合併する直前のことでした。2社の合併により、新会社でありCNNの親会社でもあるワーナー・ブラザース・ディスカバリーの経営幹部は、HBO MaxとDiscovery＋という2つのストリーミングサービスをまとめたプラン推し出すという経営方針にシフトします。そのため、このタイミングでサービスをスタートさせた「CNN＋に不満を抱いていたのでは」と海外メディアのThe Vergeは報じています。