立憲民主党の小西洋之参議院議員が、衆議院の憲法審査会について、「毎週開催はサルがやることだ」と発言したことをマスメディアが報じた。
また同氏は「憲法を真面目に議論しようとしたら毎週開催なんてできるわけがない。わたしは憲法学者だが、憲法学者でも毎週議論なんてできない。何も考えてない人たち、蛮族の行為、野蛮だ」とも述べたという。
憲法審査会とは「日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査する機関」(衆議院HP)である。国会法第102条の6の規定に基づき「(衆議院に)設ける」とされている機関だ。
その憲法審査会の毎週開催を「サルがやることだ」と言ったのだから驚きである。また、小西氏が現役の「憲法学者」であったとは、私は寡聞にも存じ上げなかった。
報道では、小西氏がなぜ前掲の発言をしたのかまでは触れていない。ちなみに、小西氏によると「憲法を真剣に考えていないサルがやること、野蛮」との発言はオフレコであり、同発言は既に撤回したという(同氏Twitterより)。
また小西氏はTwitterで「衆院改憲派は立憲の「臨時会召集義務違反」の調査要求にも関わらず、国会機能の確保と称して議員任期延長の議論を強行。 昨夏、一昨夏のコロナ禍の違憲の国会機能放棄を黙殺し、憲法を政治の道具とする毎週開催は野蛮そのものです」と追加解説している。
(憲法についての様々なことを議論するには、それなりの準備・用意がいる。それなのに毎週開催なんて、茶番だ。せめて、1ヶ月に1度か2度開催にしろ)と言う意味で、冒頭の発言をしたと私は推測していたのだが・・。
小西氏は「憲法学者でも毎週議論なんてできない」と主張したようだが、例えば、大学に勤務する憲法学者は、一般的にゼミを担当していて、そこで学生とともに、憲法について、毎週議論するはずだ(これは憲法学者のみならず、特に文系の研究者はそうである)。
学者によっては、学部だけでなく、大学院の演習形式の授業を担当している者もあろう。よって、毎週1回どころか、週に2回も3回も、憲法について討論・議論する学者もいるのだ。憲法審査会において、学者でも毎週議論するのは大変だという意味で、小西氏は述べたのだろうが「サル」ではなく「憲法学者」なら議論できるはずである。
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