コーヒーにミルクを入れて飲むとポリフェノールの抗炎症作用が2倍になるとの研究結果

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コーヒーにはさまざまな飲み方や楽しみ方があり、「いつもブラックで飲んでいる」という人もいれば「ミルクを入れて飲むのが好き」という人もいます。そんなコーヒーに含まれる抗酸化物質のポリフェノールを細胞に投与する実験により、ポリフェノールとタンパク質を組み合わせると抗炎症作用が倍増することが突き止められました。

Phenolic Acid–Amino Acid Adducts Exert Distinct Immunomodulatory Effects in Macrophages Compared to Parent Phenolic Acids | Journal of Agricultural and Food Chemistry
https://doi.org/10.1021/acs.jafc.2c06658

Coffee with milk may have an anti-inflammatory effect – University of Copenhagen
https://science.ku.dk/english/press/news/2023/coffee-with-milk-may-have-an-anti-inflammatory-effect/

細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入すると、免疫システムによる防御反応として炎症が起きます。また、運動による負荷や外傷、関節リウマチなどの病気などでも炎症が発生することがあるほか、活性酸素による細胞への酸化ストレスも炎症の原因となります。

コーヒーにはポリフェノールの一種であるコーヒー酸クロロゲン酸が含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を発揮することが過去の研究で実証されていますが、他の食品に含まれる物質と反応した場合の効果についてはよく分かっていませんでした。


そこで、デンマーク・コペンハーゲン大学の研究チームは、まずマウスの免疫細胞で人工的な炎症を発生させてからグループ分けし、あるグループにはポリフェノールだけを投与して、別のグループにはアミノ酸の一種であるシステインと反応させたポリフェノールを加える実験を行いました。

その結果、ポリフェノールとシステインを組み合わせて投与された細胞は、ポリフェノールだけの細胞と比べて炎症に関連した因子の産生が半分になることが分かりました。これは、ポリフェノールとアミノ酸が組み合わさると、抗炎症作用が2倍になることを意味しています。

研究チームを率いたMarianne Nissen Lund氏は、「この研究は、ポリフェノールがアミノ酸と反応すると、免疫細胞の炎症を抑制する作用が高まることを示しました。この結果から、ポリフェノールとアミノ酸の組み合わせは人間の炎症に対しても有効であると考えられます。今後は、まず動物で調査を進め、その後研究資金を調達してヒトでの効果も検証したいと思います」と述べました。


研究チームは以前の研究で、ポリフェノールが肉製品やミルク、ビールの中のタンパク質と結合することを実証しているほか、別の研究でもミルクを入れたコーヒーの中でポリフェノールとタンパク質が反応するかどうかを検証し、「ミルク入りのコーヒー飲料ではポリフェノールとタンパク質の反応が起きている」と結論づけました。

また、この反応は非常に速やかに起きるため、これまで研究したどの食品の組み合わせでも発生しているとのこと。つまり、肉料理とポリフェノールが豊富な野菜の組み合わせや、フルーツに牛乳やヨーグルトを加えたスムージーでも、同じ事が起きている可能性が高いと考えられます。

こうした知見からLund氏は、「人間はポリフェノールをあまり吸収できないため、多くの研究者がポリフェノールをタンパク質の構造内に組み込んで吸収率を高める方法を探す研究をしています。そして、この戦略にはポリフェノールの抗炎症効果を高めるメリットもあることが今回の研究で分かりました」と話しました。

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