ストリーマー&クリエイターに使用PCについて直接聞いた! 愛機が発火して“暖炉状態”になった話も!! ~OverSpec2021レポート

PC Watch

 8月28日に実施したライブイベント「OverSpec! 2021」では、今、急成長中のストリーマー(ゲーム実況者)やクリエイターをお招きして、使用しているPCへのこだわりや使い方などを伺いました。

 聞き手は32コアCPUのRyzen Threadripper 3970Xを組み込んだ自作PCを使いこなす声優・小岩井ことりさん、そして自作PC業界の重鎮“改造バカ”高橋敏也氏と、“KTU”加藤勝明氏。この布陣もあって、終始密度の高いトークが繰り広げられました。ここでは、OverSpec! 2021の濃~いトークからPC関連のおいしいところをまとめてお届けします。

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OverSpec! 2021 気鋭のクリエイターが“PC”をテーマに語るライブイベント【MC小岩井ことりさんほか】

期待のRyzen 9 5950X自作機が炎上! その原因は……? 映像クリエイター、“ダストマン”さん

ダストマンさん

 山奥の廃校の教室を借り、スタジオ兼作業場にしている映像クリエイターのダストマンさん。ノスタルジックな廃校の中に構えられたニューヨークスタイルのスタジオの様子に聞き手一同驚嘆。さらに使用しているPCはRyzen 9 5950Xと聞いて、一層テンションが上がったのですが、本当のサプライズはそこではありませんでした。

 なんと、そのRyzen 9 5950Xマシンが発火した! とのこと。PCを使用していたらバチバチと音が聞こえて、サイドクリアケースの中が“ちょっとオシャレな暖炉みたい”になっていたというまさかの展開。高価なビデオカードとNVMe SSDを燃やしてしまい、金額面の損失も甚大に。原因は簡易水冷クーラーの水漏れによるショートでした。不幸中の幸いだったのは苦労して手に入れたCPUは生きていて、何よりも火事にならなかったこと。

 自作歴が非常に長い改造バカ、KTU、元DOS/V POWER REPORT編集長の佐々木も、簡易水冷を普通に使っていて水漏れしたことはないとのことで、ダストマンさんの事故はかなりのレアケースのようです。

発火後の様子を捉えた衝撃写真。PC炎上について熱く語る(失礼!)シーンはこちら

 そんな特大トラブルを経験してもダストマンさんは愛機を使い続けています。Ryzen 9 5950Xマシンは動画編集環境としてとても快適で満足度は高いようです。5950Xはマルチコア性能が効くAdobe Premiereとシングルコア性能が効くAdobe AfterEggectsの両方で効果が大きいというリアルな感想も出ました。この1年でRyzenを使う動画クリエイターが増えていますが、直接その利用者の声を聞ける貴重な時間でした。

ダストマンさんのトークセッション

RTX 3090使いのストリーマー、“らいじん”さん

らいじんさん

 続くトークセッションはストリーマーのらいじんさん。1回あたり平均8時間、長いときには20時間を越える配信をされることもあるとのことで、そのタフさに驚く聞き手一同。長時間配信を支えているのはCore i9-10900KにGeForce RTX 3090を組み合わせたBTOマシンでした。RTX 3090の争奪戦が行なわれていた時期に確実に入手するために、完成品のPCを注文したとのことです。

らいじんさんのPC。配信を支える愛機について語るシーンはこちら

 ゲーマー生活とは切っても切り離せないイス談義も。らいじんさんがいいイスを探していると聞くと、小岩井さんはご自身が使っているHerman MillerのAeron Chair(高級品です)を激推し。さらに、改造バカとKTUもAeron使用者との告白があり、いきなりAeron軍団が出現。異様な圧にたじろぎつつも、いいイスのよさに興味津々のらいじんさんでした。

 らいじんさんから改造バカとKTUへの逆質問コーナーでは、製品の買い換えタイミングについての質問がありました。いわゆる、“今はまだそのときではない”問題です。KTUは「今、やりたいことがあったり、もっと上を目指したいと思ったりしたときに買い換えるのが正解。コスパがベストのタイミングを狙って待つというのは、機会を損失することにつながる」とズバリ回答。らいじんさんとフォロアーのみなさんの参考になったでしょうか。

らいじんさんのトークセッション

自ら制作したキャラで出演したイラストレーター/VTuber、“まさる.jp”さん

まさる.jpさん

 プロイラストレーターにしてVTuberのまさる.jpさん。今回はVTuberの“まさるドット子”の姿で登壇されました。作画したキャラを自ら動かしてコンテンツを発信するだけでもすごいのに、キャラの動きもトークもこなれた感があって、ここでも聞き手一同ビックリ。

 ある意味、時代を象徴するようなまさる.jpさんと、自作PC業界の重鎮、改造バカ&KTUの接点といえば、やっぱりPCです。まさる.jpさんのPCの構成は画像のとおり。

まさる.jpさんのPCについて語り合うシーンはこちら

 Core i5-9400Fを中心としたハイコスパ構成マシンです。まさる.jpさん自身はPCのハードウェアには詳しくないので、知り合いに自作してもらったとのこと。どうして完成品ではなく自作なの? との問いには、“とにかく安くて性能が高いPCが欲しかったから”とのこと。その気持ち、分かります。改造バカ、KTUはそんな気持ちに応えつつ、自分の自作欲を満たすためにために、何台も他人のPCを作っているのです。

 さて、この構成を見た小岩井さんから“この構成で組む人はいい人”との名言が。PCには組む人の性格が表れます(断言)。まさる.jpさんのニーズにとても誠実に応えているこの構成を選んだ方は、きっととてもいい自作erに違いありません。

まさる.jpさんのトークセッション

MacもWindowsも使うDTMのプロ、“SLEEPFREAKS 金谷 樹”さん

SLEEP FREAKSの金谷 樹さん

 DTMのオンラインレッスンサービスや、DTM情報サイトの運営を行なっている「SLEEP FREAKS」代表の金谷 樹さんは、Windows PCとMacをどちらも使っておられます。DTMでは、MacとWindowsで悩んでいたらどちらがいいんですか? と聞いてみたところ、“10年前ならMacのほうがかなり安定していた。現在では、サードウェーブとコラボしたDTM向けWindows PCの検証を通した結果を踏まえても、どちらでもいいと言える。操作に慣れているほうを選べばいいのでは”との回答が。これは、古くからWindowsとMacを使いこなしているKTUも同意見。どちらの環境にしようか悩んでいる方、参考にしてみてください!

SLEEP FREAKS 金谷 樹さんが使うMacは、28コアのXeon Wにメモリ96GB、Radeon Pro VegaⅡ Duo構成のMac Pro 2019。そんな金谷さんに、DTM環境ではMacとWindowsどちらを選べばよいか聞いてみたシーンはこちら

 サードウェーブコラボのDTM向けPCには、Ryzenを採用したモデルもあるとのこと。それを聞いた小岩井さんは、Ryzen環境におけるThunderbolt機器の動作が気になると、すかさず突っ込みます。金谷さんいわく、Thunderbolt回りの検証は徹底的にやっていて、検証機は(きちんと動作するまで)何度もサードウェーブとSLEEP FREAKSを行き来したとのことでした。

SLEEPFREAKS 金谷 樹さんのトークセッション

締めはPC自作座談会! みんなどんなPCを作ってる?

 最後のセッションは、小岩井さん、改造バカ、KTUに、テクニカルライター芹澤正芳さんも加わってのPC自作座談会。最近作ったPCや気になるパーツに関して語り合いました。

 小岩井さんは、昨年秋に作ったRyzen Threadripper 3970X搭載モンスターマシンの近況を報告。DTMはもちろん、動画の編集もサクサクで困るところがないとのことでしたが、ほかの登壇者からも視聴者からも“そりゃそうだ……”との声が。そして最近は茶軸のキーボードを購入したと聞いて、キーボード自作マニアでもあるKTUの目がキラリ。キースイッチを1つずつバラしてグリスアップするという沼の深さを垣間見て、唖然とする小岩井さん。PC界隈はどの沼も深いのでお気を付けて……。

小岩井ことりさんの32コア自作PC。ここからキーボード沼の話につながっていきます。そのシーンはこちら

 KTUが最近作ったのは、発売されたばかりのRyzen 5 5600Gを搭載した小型デスクトップPC。シングルスレッド、マルチスレッド性能、GPU性能、省電力性とバランスのよいこのCPUを検証して、すぐに欲しくなったとのことです。

KTUのRyzen 5 5600G搭載自作PC。詳細はこちら

 芹澤さんはが最近作ったのは、Core i9-11900KとGeForce RTX 3080 Tiを組み合わせたハイエンドゲームPC。ハイエンド構成でのポイントになる電源やクーラー、ケース選びも参考になる1台です。

芹澤正芳さん作のハイエンドゲーミングPC。詳細はこちら

 改造バカが作ったマシンは、NZHTのケースH1を活かして作った小型PC。表面をコンクリート風仕上げにしたかったという改造バカらしいこだわりの1台です。

改造バカ作の小型PC。詳細はこちら

 座談会はさらに続き、登壇者のオススメパーツや小岩井さんが気になるパーツの話題などに花が咲きました。

特別座談会「みんな~ PC作ってる?」

最新パーツ情報も楽しくゲット!

 OverSpec! 2021はトークセッションと座談会に加えて、ASUS、Samsung、ADATAの注目製品を芹澤さん、KTU、改造バカが紹介するセッションもあります。
あわせてお楽しみください!

ASUS マザーボード セッション

Samsung SSD セッション

ADATA メモリ セッション

ASUS ビデオカード セッション

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