ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影、10億光年先の渦巻き銀河

GIZMODO

欧州宇宙機関(ESA)が、1月版のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による「今月の1枚」として、息を呑むような美しい画像を公開しました。

この画像の下側の天体LEDA 2046648はヘルクレス座にある渦巻き銀河で、地球からは10億光年以上離れています。LEDAと共に、渦を巻く形状やかすかな光の点など、もっと遠方からの銀河もたくさん写っています。

2021年12月にフランス領ギアナから打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、翌年7月に宇宙の科学観測を開始。これまでに遠方銀河や太陽系外惑星を捉え、太陽系内の天体に関する新たな手掛かりももたらしてきました。

ESAのリリースによると、この画像は公開されたばかりではあるものの、撮影自体はウェッブの観測機器の1つ、近赤外線撮像装置およびスリットレス分光器(NIRISS)の試運転プロセスの際に行なわれたとか。NIRISSが白色矮星(恒星の残骸)に焦点を合わせていた間、ウェッブの近赤外線カメラ(NIRCam)が輝くLEDA 2046648とその周りで煌めく多数の銀河を撮ったようです。

遠くの銀河を見つめるウェッブの主目的の1つは、ファーストスターや銀河の形成への理解を深めること。同望遠鏡はそのために主に観測機器のNIRCamとMIRIを通して、宇宙初期からの光を観測しています。

この画像には可視光線で観測できる光源が数百とありますが、当然ながら画像の作成に用いられた赤外線データの方がはるかに多くの銀河を記録しているのです。

宇宙から届く最古の光を捉えたウェッブのディープ・フィールド画像は、遥か遠くからの光源を観測する際に重力レンズ効果を利用することが多々あります。このLEDA 2046648の画像は深宇宙領域ではないものの、ディープ・フィールド画像を見たときに抱くような、宇宙のスケールの大きさに対する畏怖の念を起こさせる光景です。

Source: ESA