プライバシー軽視のTwitterサブスクがうまくいかない理由

GIZMODO

苦労は買ってでもしろと言うけれど。

プライバシー保護は企業存続の基本

Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)のようなソーシャルメディアは、物議を醸せば醸すほどもうかる典型的存在ですよね。

論争と対立が起これば、ユーザーは広告主に自身のデータを提供するために、クリックとコメントを繰り返します。しかし、運営企業にとって、この論争、プライバシー侵害、広告収入が絡み合ったビジネスモデルは持続不可能だってことがだんだん明らかになってきました。

Twitterは自らが身をもって派手に露呈した問題によって招いた崩壊の危機から学ぶべきです。イーロン・マスクが模索しているサブスクをベースにした収益モデルは解決策の一部ではあるものの、ピントがずれてるんです。

サブスクモデルを採用しているテック系やソーシャルメディア系の企業は、加入者の利益のために製品やサービスを提供します。

プライバシー保護は、加入者にとってデフォルトのはずです。プライバシーへの懸念から、Apple(アップル)や政策立案者は、ソーシャルメディア企業によるユーザーのデータ追跡と利用方法を制限するよう求めています。

広告収入減の影響もあってMeta(メタ)、Twitter、Snap(スナップ)は大量解雇を敢行、Metaは企業価値が3分の1まで縮小してしまいました。

その一方で、広告収入をユーザーのデータに依存しないプラットフォーム企業は、基幹的事業を脅かすことなくユーザーのプライバシーを保護できます。

ユーザー満足度重視のサブスクモデルの時代へ

プライバシー保護を重視したサブスクモデルを採用すれば、企業は利益のために論争と対立をあおらなくてもよくなります。

ここ数年のソーシャルメディアが、カッカしたりストレスを感じたりしながら過ごす場所になっているのも決して偶然ではなく、そういった論争と対立に依存したビジネスモデルの影響なんです。

それまでは、多くのユーザーが同じような考え方や価値観を持つ人たちとつくりあげたコミュニティーの中で、関心があることを追求するためにネットを利用していたと思うんです。それは、企業が広告主の利益よりもサブスク加入者のユーザー満足度を重視することで実現可能なサービスです。

では、サブスクベースの収益モデルがソーシャルメディアを発展させてくれるのだとしたら、どうしてイーロン・マスクは広告とサブスクをごっちゃにした揚げ句に空回りして失敗しているのでしょうか?

サブスク加入者のプライバシーを尊重することなく、これまでのように論争と対立をあおるやり方を続けるようでは、加入者の満足度を向上するのは困難です。

また、論争に依存し、注目を集めようと躍起になるプラットフォーム企業や経営者に対する広告主やユーザーの許容範囲が大きくないことも明らかになりました。

ソーシャルメディア界は、約20年の歴史の中で最大の混乱に直面しています。今年は、大手ソーシャルメディア企業のビジネスモデルが激変するでしょう。

広告収入に依存するビジネスモデルがますます厳しい状況に陥る一方で、ユーザーが得られる価値に基づくサブスクモデルや分散化、より強固なプライバシーポリシーの導入など、ユーザー満足度を重視する企業が増えると思われます。そうでなければ、去年と同じ痛みを味わうことになるでしょう。

記事を寄稿したJeffrey Scott Edellは、次世代ソーシャルネットワークと言われるMeWeのCEOで、MySpaceの元会長。

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