縁日フードの定番「りんご飴」と「チョコバナナ」ってどんな味なんだろう?

デイリーポータルZ

久々に大規模なお祭りへ行って気がついがのが、「りんご飴」と「チョコバナナ」の屋台の多さ。みんなそんなに好きだったの? そういえばおれ、食べたことないけど!

というわけで、まだ人生で一度も食べたことのないそいつらを、一気に両方食らってやりましょう。

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

前の記事:パリッコとパリッ子のパリッコおにぎり

 有名だけど食べたことがないものを食べる 

忙しく生きていると、つい同じものばかりを食べがちだと思う。

食べ慣れたものは愛おしいけれど、たまには未知に出会い口を驚かせたいものだ。思えば、長く生きてはいても案外「有名なのに食べたことがないもの」だってある。

そういうものを、ライターパリッコ、拙攻、そして編集部古賀の3人がそれぞれに食べてくることにしました。

記事はパリッコさんがお祭り屋台のりんご飴とチョコバナナを選んだ経緯のあと、実食レポートに続きます!

天津飯を食べたことがない

古賀:
パリッコさん、拙攻さん、私の3人がそれぞれ「有名で聞いたことがあるけど食べたことがなかったものを食べる」企画、パリッコさんは何でいきましょうかね。

パリッコ:
僕が最初に思い浮かんだのが天津飯なんです。食べたことない。

拙攻:
えっ、そうですか。学食でよく食べてました。

古賀:
私もバイト先の社食で食べたなあ。

パリッコ:
でも調べてみたら、天津飯って関西と関東で味が違ったりとか、想像以上に奥深い世界っぽいんです。これは本腰入れて取り組むやつかな……と思って。

古賀:
そうそう、今回の企画はしっかり調べて伝えるというよりも、食べたときの「こういうものだったんだ!」という理解の興奮そのものをテーマにしたいんですよね。

お祭り屋台を席巻するチョコバナナとりんご飴

パリッコ:
そこで別件のご提案なんですが、今日、武蔵関という街の名物の「関のぼろ市」という祭りに子を連れて行ったらやたらとチョコバナナ率、りんご飴率が高いことに驚きまして。

 拙攻:
へえ~!

パリッコ:
みんなそんなに好きなのかと。で、考えたら、40年以上生きてきて一度も食べたことないんですよね。
どんな味がするのか、りんご飴の中身がりんごなのかもわかっていない。これに気づいた時はかなり高ぶって、両方買いました。

01.jpg
高ぶって買った!

古賀:
私も、チョコバナナは子どもの頃お祭りで食べたことがありますが、りんご飴はなかったです!

拙攻:
私もです。りんご飴ってどんな食べ物かさえわかってないかも……。

パリッコ:
最近はいちごとかぶどうとかいろんなフルーツバージョンもあって、きんかん飴まであったのには笑いました。「はちみつきんかんのど飴」かっていう。

古賀:
そんな横展開してるんだ。
りんご飴、構造がよくわからないですよね。どういうことなんですかね? りんごに水あめを塗っている……?

パリッコ:
おかしいですよね。とにかくてかてかしてて。

拙攻:
なめるのかかじるのか、それもわからない。

パリッコ:
その謎に迫るのはどうでしょうか。

拙攻:
縁日フードって、親に禁止されてたとかでいろいろ因縁(いい意味で)ありそうだから、刺さる人が多い気がします!

古賀:
ああ……お小遣いが足りなくて買えなかった思い出なんかもありそうですよね。ではでは、パリッコさんは「縁日のチョコバナナとりんご飴」でお願いします! 

いったん広告です

「関のぼろ市」にて

毎年12月9日と10日に、東京都練馬区にある「本立寺」を中心に開かれる関のぼろ市」。かなり大規模なお祭りごとで、最寄りの西武新宿線、武蔵関駅一帯には、それはもう無数の縁日屋台が並び、メイン通りは歩くのもやっとなほどの人手になります。

02.jpg
祭りはいいよな

今年、数年ぶりにそのぼろ市を訪れました。コロナの影響もあって、こんな大規模なお祭りに来たのは久しぶりだな、と、感慨深く歩きつつ、あらためて気がついたことがあります。それは、「りんご飴」と「チョコバナナ」の屋台の多さ。数軒に一軒はそのどちらかって感じで、歩けども歩けども視界に入ってくるんです。

03.jpg
みんなそんなに好きなのか

子供時代から、たこ焼きだの、くじ引きだの、ソースせんべい(なんと一軒も見なかったんですが、廃れてしまったのだろうか……)だのばっかりに気をとられ、視界には入っていつつも、一度も買って食べたことのなかった「りんご飴」と「チョコバナナ」。今年、44歳にして突然、「あれってどんな味なんだろう!?」と気になってしまったんですよね。

いや、そのふたつが好きな方からしたら、お前はなにを言ってるんだ、と。どんな味なんだろう!? じゃないだろう、と。思われる気持ちもわかります。けど、誰にでもそういう食べものってあるじゃないですか。

つーわけでその日、衝動的に、人生で初めて、そのふたつを買ってみたのでした。

04.jpg
りんご意外にも種類がたくさんあることを知ったりんご飴屋台
05.jpg
チョコバナナは1本300円でこのシステムが基本のようだった

チョコバナナを食べてみよう

さて翌日。いよいよ人生初のりんご飴とチョコバナナを食べてみようと思います。

06.jpg
食べものとは思えないポップさ
07.jpg
まずはチョコバナナから

チョコバナナの世界にも流行や進化ってあるんでしょうね。僕の子供時代って、チョコは黒が基本だった気がしますが、今はもう色とりどり。そしてなぜか、

08.jpg
先っちょに「コアラのマーチ」がくっついてるのが定番らしい

しかしまぁ、こちらはりんご飴よりは想像がつきやすいですよ。だって、串に刺したバナナにチョコをコーティングしただけでしょう。いざ、コアラのマーチごとがぶり。もぐもぐもぐ……あ、こりゃいいや。

ぱりっとしたチョコを噛み砕くと顔をあらわす、むにゃりとしたバナナ。その食感、また、チョコの甘さと、ほんのりと酸味もあるバナナならではの香りも相まって、美味しいスイーツとして、ちゃんと成立してますね。見た目ほどジャンクっぽくなく、むしろ素朴な味わいなのもいい。

09.jpg
断面
10.jpg
なるほど、うまいな

重ね重ね、お好きな方には当たり前のことを言ってますが、チョコバナナ、うまいっすね!

りんご飴も食べてみよう

続いて、僕のなかではだいぶん謎度の上がる、りんご飴。

11.jpg
現代アートのような佇まい
12.jpg
私? りんご飴ですけど、なにか?

構造はたぶん、チョコバナナと一緒なんですかね? つまり、りんごに飴がコーティングしてあるという。まさか、りんごによく似た飴、ということはないよな。

13.jpg
それにしてはリアルすぎるもんな

とすると気になるのは、中身のりんご。生? それとも煮るなり焼くなりして、お菓子的な加工がされている? すいません、初めてなんで、まじでわからんのです。

14.jpg
そもそもどうやって食うんだろう
15.jpg
もう、かじりついてみるか

と、自分の食べる様子を記録した動画を見返し、自分で笑ってしまいました。

16.jpg
ひと口目、噛めなくて、「硬った……」って言ってる

1日置いてしまったから本来もっと食べやすいはずの飴が固まってしまったのか、それとももともとこういうもんで、ゆっくりじっくり舐めながら食べるものなのか、判断はしかねるのですが、とにかくシンプルに、硬い!

体感で1〜2mmくらいの厚さはある、りんごをコーティングした飴。それがまるで、「おれ今、陶器にかぶりついてる!?」っていうくらいに、強度あり。

それでもなんとか、りんご飴を押さえつけながら慎重に歯を当ててゆき、かじることに成功。

17.jpg
なんとかいけた

そのあとの僕の表情に、また自分で笑う。

18.jpg
「ははっ、これ、りんごと飴だ」

そう、りんご飴、想像していた以上に、「りんご」と「飴」だったんです。

りんごはもう、生、フレッシュそのもの。甘くてみずみずしくて、美味しい。あと、りんごを丸かじりすることってふだんないので、そのワイルドさもなんだかいい。

で、周囲をコーティングしている飴。これが昔ながらのべっこう飴という感じの素朴味で、油断すると口のなかを怪我しかねないくらい硬い。なので、最初のひと口はけっこう苦労する。かぶりつく場合は、怪我に注意。けれども慣れてくると、というか、いったん突破口が開けると、なんとか食べ進められるようになります。

19.jpg
パキパキパキ……シャクッシャクッ

正直この食べかたが合っているかどうかは別として、後半に行くにしたがい、飴よりもりんごの割合が多くなるんですよね。つまり、飴が程よいアクセントになった、美味しいりんごを食べているという感覚に。

なので、なんだかんだ言って、

20.jpg
完食してしまいました

以上、人生初体験のりんご飴とチョコバナナレポートでした。もし僕の食べかたが間違っていた場合は、遠慮なくご指摘ください。

ちなみに、当然満腹になり、この日のお昼ごはんはこのふたつでじゅうぶんすぎるほどに事足りました。忙しい社会人のみなさま、ランチタイムにりんご飴&チョコバナナという選択肢、いかがでしょうか?

 有名だけど食べたことがないものを食べる 

忙しく生きていると、つい同じものばかりを食べがちだと思う。

食べ慣れたものは愛おしいけれど、たまには未知に出会い口を驚かせたいものだ。思えば、長く生きてはいても案外「有名なのに食べたことがないもの」だってある。

そういうものを、ライターパリッコ、拙攻、そして編集部古賀の3人がそれぞれに食べてくることにしました。

Source

タイトルとURLをコピーしました