【Ubuntu日和】【第17回】Ubuntuでデジタル写真を上手に管理(そして、あなたの写真を少しだけよく)する方法

PC Watch

 元来、日本人はカメラや写真が大好きだ。フィルム代や現像費用を気にしなくていいデジタルカメラが登場し、それが携帯電話に標準的に搭載されるようになってから、写真はより日常的な存在になったと言っていいだろう。

 そしてスマートフォンとSNSの登場により、PC Watchの読者であれば、ほぼ毎日のように何かしら(主にネコ、ラーメン、一文字消えたパチンコ店の看板など)の写真を撮影しているのではないだろうか。

 ちなみに、撮影した写真の管理はどうしているだろうか。おそらく、SNSに投稿したらそれっきり、という人も多いのではないかと予想する。だがどんな写真であれ、自分が撮った写真は世界にそれ1つきり。二度と同じものを撮ることはできない、かけがえのないものだ。スマートフォンの小さな画面で眺めただけで、いずれ本体の初期化とともに消えてしまうというのは、あまりにも勿体ない。日常のなにげない記録は、10年後、20年後に見返した時に「効いてくる」写真のため、可能であれば大切に保存して欲しい。

 最近であれば、撮影と同時にアップロードが行える、クラウドベースのフォトアルバムサービスを使っている人もいるかもしれない。だが外部サービスは、いつまで継続されるか不透明だ。突然のサービス終了により、アップロードした写真が取り戻せなくなってしまったというようなこともあるだろう。またアップロードした写真が規約に触れていると判断されてしまい、アカウントが凍結されてしまったというような話も耳にする。

 そして写真というのは非常にプライベートなデータでもある。確かにクラウドサービスは便利なのだが、その利便性と、第三者にデータを預けるリスクの両方を考慮して、使用するかどうかを判断する必要があるのではないかと筆者は考えている。例えば筆者は年間15~20万枚程度の写真を撮影しているが、それでもクラウドサービスには1枚たりともアップロードしていない。

 デジタル写真がフィルム写真に比べて優れている点の1つに、修正や加工が個人レベルでも容易に可能なところがある。撮ったままの写真もよいが、ほんのひと手間加えるだけで、写真の完成度はぐっと上がる。

 そこで今回はUbuntuを使い、デジタル写真を管理する方法と、写真の簡単な修正テクニックを紹介する。自分なりの写真の管理方法を見つける際のヒントになれば幸いだ。

Shotwellで写真を管理する

 スマホやデジカメで撮影した写真は、当然だがファイルとして扱われる。だがこれらのファイルを1つのフォルダに集め、ファイル名順に並べてもあまり嬉しくはないだろう。

 例えば旅行に行って写真を撮ったとしよう。こうした写真は、まとめて閲覧したいと考えるのが普通だ。そのため写真は機械の都合で付けられたファイル名ではなく、撮影時の「意味」の単位でまとめて管理できるのが理想だと言える。そのため撮影した写真をPC上に集め、単純にフォルダに突っ込んでいるだけでは、非常に使い勝手が悪いアルバムになってしまう。またフォルダ構成やファイルの命名規則はカメラのモデルごとに異なることが、より混乱に拍車をかける。そのようなフォルダベースでの管理では、後日大量のフォルダの中から目当ての写真を見つけるのは、ほぼ絶望的だと思ってよいだろう。

 そこで写真の管理は生のファイルではなく、写真に「意味」をつけて扱える専用のアプリで行うことをお勧めする。そしてUbuntuに標準でインストールされているフォトアルバムアプリが「Shotwell」だ。Shotwellでは「イベント」や「タグ」を用いて写真を管理できる。Shotwellはそこまで高機能なアプリではないが、日常的な写真を集めて管理するには十分な性能を有している。

Ubuntu 22.04にプリインストールされているShotwellのバージョン0.30.14

Shotwellへの写真のインポート

 それではまず、撮影した写真をShotwellへインポートしよう。最近のデジカメはUSB経由で写真をPCに取り込めるため、ここではその手順を紹介する。

 まずカメラをUSBでUbuntu PCに接続しよう。通常であればUbuntuがカメラを認識し、SDカード等のメディアを自動的にマウントする。もしもUbuntuからカメラを認識しないような場合は、カメラのマニュアルを参照して欲しい。

 Shotwellを起動したら、左サイドバーの「カメラ」以下に表示されているカメラのモデル名をクリックする。しかしこの状態では、カメラがマウント状態のため、以下のような警告が表示されて写真を読み込むことができない。

 そこで「ファイル」を開き、サイドバーに表示されているカメラのEjectボタンを押してアンマウントしよう。再度Shotwellに戻ってダイアログのOKをクリックし、サイドバーからカメラをクリックし直すと、カメラ内にある写真の一覧がサムネイル表示されるので、ウィンドウ右下にある「全部インポート」をクリックしよう。

 なおインポートが完了すると、インポートが終わった写真をカメラ内から削除するか尋ねられる。だがここの選択肢は「保持」一択だ。うっかりミスでインポートした写真を消してしまうような事故も考えられるため、写真の整理とバックアップが終了するまでは、カメラから写真を消さないようにしよう。

 なお上記はミラーレス一眼カメラの例だが、スマホの場合も同様の手順で写真をインポートできる。その際USBの接続モードはPTPに設定しておこう。だが機種の相性なのか、筆者の手元のGoogle Pixel 6では、Shotwellへのインポートができる時とできない時があった。そのような場合は無理に直接インポートせず、スマホをUSBマスストレージモードで接続し、一旦手動で写真をUbuntu上にコピーしてしまおう。

 その上でShotwellのメニューの「ファイル」→「フォルダーからインポート」を行ない、コピーしたファイルをインポートするとよいだろう。もちろんUSB接続が使えない古めの一眼レフを使っているような場合は、必然的にSDカードリーダーを使い、この手順でインポートすることになる。

 インポートした写真は、ホームディレクトリ内の「ピクチャ/年/月/日」というフォルダ内に分類してコピーされる。このフォルダ構成は設定で変更することが可能だが、撮影日ごとに分類してくれた方が管理しやすいため、デフォルト設定のままで運用するのがお勧めだ。

イベントによる写真の管理

 Shotwellにおける「イベント」とは、ある日に撮影した写真のグループだ。Shotwellに写真をインポートすると、写真を撮影した日ごとにイベントが作成され、その日撮影した写真がグループ化される。これによって撮影日単位で写真をフィルタすることができるため、「去年の夏に行った旅行」のように、ある時期の写真を探しやすくなるのだ。

撮影日ごとにイベントが作成され、写真が自動的にグループ化される

 撮影日によるグループ化だけでも十分に便利なのだが、あらゆるイベントが1日で完結しているとは限らないだろう。例えば1泊2日の旅行といったイベントは、日付ごとに細切れになっていると扱いづらいことは想像に難くない。こんな時に便利なのが、イベントのマージ機能だ。この旅行の例では、2日間のイベントをマージして、旅行という1つのイベントにしてしまおう。

 左サイドバーの「イベント」から、「すべてのイベント」もしくは、マージしたいイベントが存在する「年」ないし「月」をクリックしよう。すると右側のメインウィンドウ内に、イベントのサムネイル一覧が表示されるので、Ctrlキーを押しながら、マージしたい2つのイベントをクリックで選択する。その状態でメニューの「イベント」→「イベントをマージ」を実行しよう。これで選択したイベントすべてが、ひとつのイベントとしてマージされる。

2つのイベントをマージする例

 スマホとデジカメなど、複数台のカメラを併用していると、インポート時に同名の別イベントが作られてしまうことがある。カメラの違いによってイベントが分かれるメリットはほぼないため、こういう時もイベントをマージしてしまうのがお勧めだ。

 マージ後のイベント名は、マージ元となったイベント名から自動的に決定される。デフォルトのイベントをマージした場合は「X月X日 – Y月Y日」のような名前となるため、わかりやすい名前に変更しておくとよいだろう。マージされたイベントを右クリックして「イベント名の変更」を選択し、「イベント名を変更」のダイアログに新しいイベント名を入力しよう。

 なおShotwellは、写真に埋め込まれた日付情報を手がかりにイベントを作成する。そのため日付情報の埋め込まれていない写真は、自動的にイベントに分類することができず、「イベントなし」というイベント内に配置されてしまう。

 特にGIMPで合成した写真などを管理する場合は、撮影時のメタデータを持たないため、こうした「イベント迷子」になりやすい。こうした写真は手動で適切なイベントに移動させてあげよう。写真を特定のイベントへ移動させるには、対象の写真をメインウィンドウから、サイドバーの移動させたいイベントフォルダへドラッグするだけだ。

タグによる写真の管理

 イベントはあくまで撮影日をベースに写真を分類するもののため、例えば「今までに撮影した子供の写真」「猫の写真」「風景」のように、同一ジャンルの写真をまとめて見たいといった要求には応えられない。

 そこで便利なのが「タグ」だ。写真に「風景」「子供」「動物」といった情報をタグづけすることで、イベントを横断して写真を検索しやすくなる。また写真には複数のタグを同時に付与することができるため、非常に柔軟に写真を管理・検索できるようになる。

 まず左サイドバーを右クリックしてコンテキストメニューを表示し、「新しいタグ」を選択しよう。すると「ライブラリ」や「イベント」と並んで、サイドバー内に「タグ」が表示されるようになり、その下に「タイトルなし」というタグが新規作成される。タグ名を右クリックしてから「名前を変更」をクリックすると、タグの名前を変更することができる。分かりやすい名前に変更しておくといいだろう。

 写真にタグをつけるには、まずイベントやライブラリを選択して、メインウィンドウに対象の写真を表示する。タグづけしたい写真をクリックして選択した状態で、メニューの「タグ」→「タグを追加」を実行しよう。タグ名を入力するダイアログが開くので、付与したいタグを入力すればいい。

 なおタグはカンマ区切りで複数入力することができる。またメインウィンドウで写真を複数選択しておけば、複数の写真にまとめて同じタグをつけることができるので便利だ。後はイベントと同様に、サイドバーからタグ名をクリックすることで、そのタグがつけられた写真を一覧表示することができる。

写真のジャンルや被写体ごとにタグをつけてみた例。最初のタグづけは面倒かもしれないが、きちんと整理しておけば、後から写真を見直しやすくなる

レーティングによる写真の管理

 最後に、お気に入りの写真だけを選んで表示する方法も紹介しよう。それが「レーティング」だ。一般的にデジタル写真には、0(デフォルト)から5まで、6段階のレーティングをつけることができる。レーティングを条件に写真をフィルタすることができるため、お気に入りの作品だけを後から見返しやすくするためにも、上手に撮れた写真にはレーティングをつけておくことをお勧めする。

 Shotwellで写真にレーティングをつけるには、メインウィンドウで写真を選択した状態でメニューの「写真」→「評価の設定」から、つけたいレーティングの点数を選択しよう。あるいはキーボードの0~5のキーを押すことでも、レーティングをつけることができる。いちいちマウスでメニューを選択するより、こちらの方が直感的で便利だろう。

 なお筆者は、人に見せても恥ずかしくないレベルの写真には1、その中でも気に入っている写真には2をつけて管理している(3~5は未使用)。

 レーティングで写真をフィルタするには、メニューの「表示」→「写真のフィルタリング」から、フィルタしたい条件を選択しよう。例えばここで「☆☆」を選択すれば、2のレーティングをつけた写真のみがメインウィンドウに表示される。

レーティングで写真をフィルタした例。普段からきちんとレーティングをつけておけば、お気に入りを集めてフォトアルバムを作るような作業も捗る

Shotwellで写真を修整する

 写真を撮る時は、構図、露出、タイミングをきっちり追い込むのが理想ではあるものの、これには運も絡んでくるため、なかなか思った通りには撮れないのが現実だ。だがデジタル写真は、PC上で簡単に修整ができる。そのためカメラで撮ったままではなく、より写真の完成度を上げるために、撮影後に何らかの修正や加工を行なうのが最近では一般的となっている。

 Shotwellにも、簡易的な写真の加工機能が用意されている。これはあくまで簡易的なものであり、PhotoshopやGIMPのような高度な編集機能は持ち合せていない。だがほとんどのケースでは、そこまでの本格的な加工は不要で、ほんの少しの修正で充分だったりする。むしろスマホ写真をちょっと修正する程度であれば、高機能なぶん複雑なGIMPよりも、シンプルなShotwell単体で完結しているのは逆に便利だと言えるかもしれない。

 ここでは専門的な知識がなくても簡単にできる、お手軽な写真の修正テクニックを紹介しよう。

写真をトリミングする

 写真は何よりも構図が大切だ。だが被写体だけに集中して撮っていると、あとから余計なものが写り込んでいたことに気づくことがよくある。「旅行に行って子供と記念撮影をしたら、背景に知らないオジサンが写り込んでいた」なんていう写真が、あなたのスマホのカメラロールにもあるのではないだろうか。

 また野生動物のように、物理的に近づけない被写体は、「もっとアップで撮りたかったのに小さい……」などとなりがちだ。こういう時は、写真から余計な部分を裁ち切ったり、一部分だけを切り抜いてたりして、構図を整えるといい。これを「写真のトリミング」と呼ぶ。

 Shotwellで写真を編集するには、まずメインウィンドウで対象の写真のサムネイルをダブルクリックし、写真をメインウィンドウ全体に表示しよう。するとメインウィンドウの下部に「回転」、「切り抜き」、「傾き補正」といったツールのボタンが表示されるので、ここでは「切り抜き」をクリックする。すると写真の上に、トリミングのサイズを決定するガイドが表示されるので、コーナーをドラッグ&ドロップしてトリミングする領域を選択しよう。

道路の真ん中で突然喧嘩をはじめたエゾシカ。だが背景に人工物や道路が写っていたり、写真としては非常に中途半端でカッコ悪い。そこで思い切って顔と角だけを大胆にトリミングしてみた

 なおこの際、ドロップダウンリストからトリミング領域の縦横比を選択することができる。特にこだわりがないのであれば、「オリジナルのサイズ」を選択しておくといいだろう(注:35mmフィルムの流れを汲む一眼カメラであれば3:2、コンパクトデジカメやスマートフォンであれば、それにくわえて4:3や16:9あたりが一般的な写真の縦横比だ。これを無視して自由なサイズにトリミングすることも可能だが、できればこれらのサイズに揃えておく方が、写真を並べた時に統一感があって見やすい)。

 またここで、ドロップダウンリストの右側にある回転のアイコンをクリックすると、縦位置写真を横位置写真に(あるいはその逆に)入れ替えることができる。最後に「切り抜き」ボタンをクリックすればトリミングは完了だ。

 なお、このドロップダウンリストや「切り抜き」ボタンが表示される部分は、Shotwellのメインウィンドウとは独立したウィンドウになっている。たまにデスクトップの隅っこの方に表示されてしまい、見失うことがあるため、もしもこのボタンが見つからない場合は、デスクトップ全体をよく探してみてほしい。

写真の縦横も変更してトリミングした状態。まるで別物の、力強い写真になった

写真の傾きを補正する

 写真の構図では、水平垂直をしっかり出すのが基本だ。特に建物や水面など、本来水平垂直であるはずのものが傾いて写っていると、非常に不安定に見えてしまう。しかし咄嗟のシャッターチャンスや、被写体に夢中になってしまっている時などは、どうしても左右どちらかに傾いてしまうものだ。そんな時はトリミングと同じ要領で、写真を回転させて調整しよう。

流氷の上を飛ぶオオワシ。かっこいいシーンなのだが、よく見ると背景の水平線が斜めになっているのが分かる。海面が傾いている写真は、非常に不安定に見える

 先ほどと同様に、写真をメインウィンドウ全体に表示したら、下部にある「傾き補正」のボタンをクリックする。すると補正する角度を指定するウィンドウが表示されるので、スライダーを動かして傾きを調整しよう。最後に「傾き補正」ボタンをクリックすればいい(注:傾き補正もトリミングと同様に、補正用のウィンドウがよく行方不明になるので、例によってデスクトップ上をよく探してみてほしい)。

 ただし四角い画像を回転させることになるため、斜めになってはみ出した部分は自動的にトリミングされてしまう。そのため画像の回転角が大きければ大きいほど、周囲のピクセルを大量に「持っていかれて」しまい、被写体の位置によっては見切れてしまうこともある。そのため撮影時に傾かないよう気をつけ、あくまで微調整にとどめるのが理想だ(それが難しいのだが)。

ガイド線を見ながら角度のスライダーを動かし、水平に修正した例。ぐっと安定感が出たはずだ

写真の明るさを調整する

 最近のカメラは自動でいい感じの明るさに仕上げてくれる。だがこれは、あくまでカメラが計算した、数値上適性とされる明るさであって、撮影者の意図と一致するとは限らない。

 例えば、スキー場で本来白いはずの雪がグレーに写ってしまったり、逆光で撮った記念写真で、人の顔が全部真っ黒になってしまったりといった経験はないだろうか。こういったシーンでは、本来撮影時に露出補正を行なうべきなのだが、これはカメラに慣れていないと難しいだろう。そこで、想定よりも暗く(あるいは明るく)写ってしまった写真は、後からPC上で明るさを補正してあげるのが手軽でお勧めだ。

定番の星景写真。カメラが出力したデフォルトの状態でもそれなりに綺麗なのだが、もうちょっと「映え」る画に調整するのが今風だ

 写真をメインウィンドウ全体に表示したら、今度は「調整」ボタンをクリックする。すると「露出」「コントラスト」「彩度」といったパラメータを調整するスライダーを備えたウィンドウが表示されるので、「露出」「シャドウ」「ハイライト」あたりのスライダーを上下して、プレビューを見ながら写真の明るさを調整してみてほしい。

 なお写真を明るくすると、全体的に眠い印象になってしまう。その場合は同時にコントラストを少し強めるのも有効だ。

露出とコントラストをほんの少し調整するだけで、このくらいはっきりと星が浮かび上がってくる

写真のエクスポート方法

 Shotwellは写真の「非破壊編集」を行なう。つまり元のJPEGファイル自体は一切変更せず、どのような編集を行なったかというパラメータのみを別途持っているのだ。そしてShotwell上では、その編集パラメータを適用した状態で写真が表示されるというわけだ。

 だが写真を人に見せる際には、単独のJPEG画像として完結していないと使い勝手が悪いだろう。そこで写真の編集が完了したら、パラメータを適用した編集済みのJPEGファイルを、別途エクスポートしておくとよい。

 メインウィンドウから、エクスポートしたい写真をクリックして選択しよう。その状態でメニューの「ファイル」→「エクスポート」を実行する。するとエクスポート設定のダイアログが開くので、画像のフォーマット、品質、サイズ等を選択しよう。通常であれば、オリジナルのフォーマットとサイズに準じておけばよいだろう。

 もちろんWeb用に画像を縮小したいような場合であれば、リサイズしたものをエクスポートすると後工程の手間が省けて便利だ。最後に「OK」をクリックすると、フォルダを選択するダイアログが表示されるので、エクスポートする先を選択しよう。

編集した写真をJPEG画像としてエクスポートする例。複数の写真を同時にエクスポートすることもできる

写真のバックアップは忘れずに

 写真をローカルで管理していて怖いのが、ディスク障害などによるデータの損失だ。言うまでもないが、こうした場合に備え、バックアップは欠かせない。また日本では、地震や台風といった自然災害に遭遇する確率も、無視できないほど大きい。災害への備えを考慮すると、単にデータを外付けHDDなどにコピーするだけでは不十分で、可能であれば遠隔地へ逃がしたい所だ。正直この点に関してだけは、ローカル管理がクラウドサービスには勝てない、不利な点と言える。

 バックアップの対象は写真そのものと、Shotwellを使っている場合はそのデータベースだ。万が一に備え、写真が保存されている「ピクチャ」フォルダと、Shotwellのデーターベースが保存されている「~/.local/share/shotwell」フォルダをバックアップしておこう。

 とはいえぶっちゃけた話、Shotwellのデータベースは写真の管理情報や編集情報しか持っていないため、最悪(泣きながら手動で)作り直すこともできる。だが、写真そのものは失うと二度と取り戻せないため、こちらのバックアップだけは絶対に忘れないようにしよう。Ubuntuにおけるバックアップのテクニックは、いずれ本連載内で解説する予定だ。

 今回はShotwellによる簡易的な管理と加工方法を紹介したが、本格的に写真を撮るタイプの人からすると、Shotwellでは機能が足りなすぎると感じるかもしれない(実際に筆者がそうだ)。そういう場合は、Adobe Lightroomによく似た写真管理ソフトウェアである「Darktable」の利用をお勧めする。Darktableの詳細な使い方も、もしも要望があるようであれば、機会を改めて紹介したいと思う。

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