AV Watchで「週刊Electric Zooma!」という連載をやらせてもらっている、フリーライター小寺信良です。
以前この「みんなの在宅ワーク」に寄稿させてもらったのが、2020年7月。当時は宮崎に移住して専業ライターに戻ったばかりで、本格的な執筆に向き合う直前という感じでした。
角部屋への場所交換でオーディオ製品を大音量で聴けるように
あれから2年以上が経過しましたが、子どもたちも成長し、一番下の息子が高校受験を迎えます。息子の部屋は角部屋なんですが、東向きなのでかなり熱がこもります。これでは受験勉強に差し支えるだろうということで、今年4月に仕事部屋と場所を交換しました。
もっとも、角部屋ならこちらにもメリットがあります。筆者は仕事柄、オーディオ製品をかなりの音量で聴かなければならないときがあるんですが、壁越しに隣の人に迷惑をかけているのではないかという心配がありました。ですが角部屋なら、その問題はクリアできます。
メイン機材は、2020年末にM1 Macが発売になったときにM1 MacBook Airを購入し、LIDクローズで4Kテレビに繋いでいます。サブ機だったMac Miniは娘に譲り、Intel MacBook Proがサブ機です。ときおりM1 Macではマウントできないカメラやスマホがあるので、まだちょっとM1、M2のみになるのは躊躇するところです。
スピーカーも変えました。以前は真空管アンプに繋いだ自作スピーカーがメインでしたが、Echo Studioを2台用意して、ステレオでもイマーシブオーディオにも対応できるようにしました。サウンドバーなどを検証するときに、試聴コンテンツが本当にDolby Atmos対応なのかを確認するためです。
Kinesisのエルゴノミクスキーボードは2年前と同じに見えますが、同じ形状の後継機に買い換えています。初代は内部のマイコンが壊れてしまって、変な文字列が入力されるようになったからです。筆者はキーボード好きが高じて一時期は16台ぐらいをとっかえひっかえ使っていたんですが、場所も取るしメンテも大変だしで、ほとんど処分しました。ですからこんなふうに、1台のキーボードを壊れるまで「使い潰した」のは初めてでした。
撮影関係も「集約と改善」
カメラは、以前は3種類のデジタル一眼を使っていたのですが、それぞれにレンズが何本もあると保管が大変になるので、ソニー「ZV-E10」に集約しました。レンズは標準ズームレンズと、ZEISSの24mm/F1.8の2本だけで、商品撮りもVlogもリモート会議も全てこれだけでこなしています。
ZEISSは77mmの可変式NDフィルターを、口径変換アダプターを積み重ねて使っています。これならレビュー用にどんな径のレンズが来ても、どれかが合うことになります。宮崎は晴天が多く、屋外は光量が多いので、NDフィルターがないとシャッタースピードを上げなくてはいけません。それだとちゃんとカメラやレンズの性能が出せないケースが多いのです。
いろんなことがリモートになると、商品撮影も自分で撮らなければなりません。小さいものは撮影ボックスで撮れるのですが、大物は化粧板を半分に切断して、下とヌケ用に壁紙を貼ったものをベッドの上に展開します。使わないときはベッドと壁の隙間に差し込んでおけばいいので、レフ板も含めて展開も撤収も一瞬で終わります。
撮影用にいろいろ展開するのが面倒なときは、ベッドのシーツの上で撮ってしまうこともあります。このため、シーツも汚れが付きにくいツルツルした生地のものを選んでいます。
宮崎に転居して4年が過ぎようとしています。遠方テレワークもすっかり板に付いたところではありますが、一番の敵は「孤独」だったりします。回りに同業者はゼロ。東京にいれば取材ついでに雑談もできましたが、ここでは取材で出かける先もありません。したがって取材ついでのノマドワークもありません。こちらの生存証明は、SNSが頼りです。
小寺信良の在宅ワーク環境
- メインPC:M1 MacBook Air(2020)
- ディスプレイ:1画面
- キーボード:Kinesis Advantage2 LF
- マウス/トラックボール/トラックパッド:Apple Magic Trackpad
- カメラ:ソニー ZV-E10
- マイク/ヘッドフォン/スピーカー:マイク:ゼンハイザー XS LAV USB-C、ヘッドフォン:ASHIDAVOX ST-90-05-H
- ビデオ会議サービス:Zoom、Google Meet、Microsoft Teams
- 机:ニトリ デスクセット(トリプロ 119 DBR)
- 椅子:エルゴヒューマン ベーシック ロングタイプ エラストメリックメッシュ
- その他小物:Amazon Echo Studio×2、DaVinci Resolve Speed Editor、ソニー REON POCKET 3
小寺 信良
1963年、宮崎県出身。18年間テレビ番組制作者を務めたのち、文筆家として独立。専門分野はコンシューマー映像機器、放送機器、映像技術、放送文化、エネルギー問題、子どもとIT、PTAなど。インターネットにまつわる諸問題の解決に取り組む「一般社団法人インターネットユーザー協会」代表理事。2015年より2019年まで、文化庁文化審議会著作権分科会専門委員。2019年より故郷の宮崎県へ移住。