ひとりごはん
会社で、お昼に一人で食べるコンビニのお弁当。味そのものはおいしいのに、どこか味気なく感じてしまうことがある。
それは、一人で食べているという寂しさに加えて、プラスチックのお弁当ケースという入れ物や、デスクで食べているという環境が、そっけない印象を与えるという理由もあると思う。
コンビニ弁当というメニューはそのままに、食べ方を工夫することで、気分だけでもちょっと変えることができないか。試してみました。
※2007年4月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
ふだんの風景
会社の近くにはいくつか定食屋などもあるものの、食事のために長く外出することもむずかしい。ふだんはもっぱらデスクでネットを見ながらごはんを食べたりしている。
このいつもの風景を、ちょっとだけ変えてみたい。
あらためてお弁当をながめる
あらためてコンビニのお弁当を見てみたところ、次のような特徴があるように思った。
- 品目はそれなりに多い。
- しかし、一品一品はそんなに豪華じゃない。
これって何かに似てないだろうか。そうだ、旅館の朝食に似てる、とぼくは思った。必要以上に豪華な晩ごはんにくらべ、旅館の朝食はお皿ばかり多いわりに、それぞれ海苔一枚とかが乗ってたりする。
コンビニ弁当のおかずをそれぞれお皿に取り分けたら、旅館の朝食風になったりするんじゃないだろうか?
取り分けてみた
だめだ、ちっとも旅館風じゃない。
お皿が多くてにぎやかに見えるかと思ったが、むしろ寂しさが加速している。旅館に泊まりにいって、朝食がこんなだったらぼくは帰る。
おかしいぞ。こんなはずじゃない。アイデアは悪くないと思うのにな。
洋風はどうだろうか
洋風のごはんならどうだろうか。パスタとか。
大きな白いお皿に移しかえてフォークやスプーンをならべれば、レストランで食べている気分になるかもしれない。さっそくやってみよう。
移し変えてみた
わりとまともに見える。フォークとナイフの位置がおかしかったり、そもそもナイフはいらなかったりするが、なんだかおいしそうだぞ。
よりおいしそうになった。もしかしてこの方法は成功なんじゃないだろうか?
確認のためにもうちょっと引いてみてみよう。
やはり何も変わってはいなかった。だれか彼の友達になってあげてください。
お花見風はどうか
入れものの問題じゃなかったのかもしれない。雑然としたデスクという場所がだめなのだ。外に出てみよう。
同僚をさそい、ベランダでレジャーシートを広げてごはんを食べてみた。
見えるのはビルばかりだが、空はあかるく、気分も開放的になる。
手に持ったのはプラスチック容器に入ったままのお弁当だったが、あきらかにおいしく感じる。冷めたごはんも、かえってお花見気分を高まらせる。
容器は問題じゃなかった。たいせつなのは、人と場所だったんだ。
なんだこの救いのない結論は。
結果は変わらず
「旅館の朝食風」について、あまりにもくやしいので後日やり直してみた。
洋室に畳を敷き、浴衣を着てお皿を並べてみると、さきほどの写真よりも格段に旅館っぽくなった。
だけど、見た目が少し旅館風にちかづいて嬉しかったかというと、そうでもない。冷蔵庫の音がブーンと響く室内で、主にあとかたづけのことを考えていた。
せめてお皿だけも入れ替えたいなどと考えることは、今後はもうないと思います。