ファーストキッチンの謎デザート「ポッフェルチェ」がうまい

デイリーポータルZ

ファーストキッチンのデザートメニューに「ポッフェルチェ」というのがある。

メニューを眺めその聞き慣れなさに興味を持つも、長く食べることなく謎のままにしてしまっていた。

最近になってこういった小さな興味をひとつひとつだいじにせんといかんなと、それではじめて食べてみたら、めちゃくちゃうまかったのだ。

めちゃくちゃ、うまかったんですよ。

「ポッフェルチェ」これです

私もポッフェルチェが大好きなんです。ようこそ、ポッフェルチェの世界へ! と、あらかじめポッフェルチェの良さを知りに知り抜いた方も世には多かろう。

が、いっぽうで「なんでしょうか、それは」とはじめてポッフェルチェを知った私のようなリアクションの方も少なくないはずだ。

ご紹介しましょう。

ポッフェルチェ、これです。

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テイクアウトで買ってきました。
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ドリンクのフタみたいにパチッと閉まるフタのついたカップ
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見た感じはこう。兵庫の明石焼きみたいだなと最初思った

もともとはオランダの伝統菓子で、ざっくり言うと「ひとくちサイズのパンケーキ」、それがポッフェルチェの正体である。

Wikipediaによるとオランダでは屋台でよく売られるそうだから、まんまベビーカステラみたいな立ち位置だろうか。

ちなみに編集部の安藤さんに紹介したところ、ポッフェルチェを知らなすぎて最初「六速マニュアルの速い車ですか」と言っていた。ポルシェに引っ張られすぎだろう。

つい味王になるうまさ

で、味だ。味なんだ。

パンケーキというとふわふわしたものを思い浮かべるけれど、食べてみるときめ細かい生地は思ったよりもじゅわっと、しっとりしている。

よく見るとメニューには「ポッフェルチェ(バターソースがけ)」と書いてある。ソースがじゅわんじゅわんに中まで染み込んでいるのだ。

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きめ細かい生地にバターがしっかり中まで染み入っている

染み染み食感にしっかりした風味、これはバター菓子だと瞬時に口が理解した。

大事なのが甘さだ。バターがリッチというと甘みもすごく強いように聞こえるかもしれないんですがね、甘くない、むしろしょっぱさに味のウェイトがあるんですよ。

優しい甘さにしっかりした塩気、そのバランス感がこのお菓子がとくべつなものにしているわけです。

口当たりは軽くさっぱりしていて、でも粉もんだしバターだから食べた満足感もすんごい。

そんなもの、どうしたっておいしいが暴走して挙動が味王(「ミスター味っ子」の)みたいになってしまう。

安藤さん(右)もうますぎてこの顔になってましたから。

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思った以上の「うめえ~」をいただき私(左)も「よっしゃ」の顔になりました。そして弊社会議室は白い
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和スイーツとの相性の良さでデザートメニュー入りが決まった

ところで、ファーストキッチンのデザートといえば和のイメージだ。

常時安定的に和甘味を供給してくれるファストフード店はファーストキッチンだけだと思う。和菓子派としては圧倒的敬礼対象だ。

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夏のかき氷メニューも完全に和押し
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ポッフェルチェの隣は白玉クリームぜんざいだもの

それがなんでまたオランダのお菓子をと思うではないか。

気になりの高まりに身をまかせ、ファーストキッチンさんに問い合わせてしまった。

すると恐縮するほどご丁寧な返事をいただきまして、ありがとうございます。

以降、赤い文字部分がファーストキッチンさんからのメール回答である(太字処理は私)。

当初パンケーキが流行っており、弊社が力を入れている「和スイーツ」に絡めた商品展開はできないかと考えました。

他社と違うもので、特徴のあるものはないかと探していたところ、オランダ伝統のポッフェルチェ「ミニパンケーキ」と出会いました。

なんと……! ポッフェルチェの出会いの扉は和スイーツだったのか。

ふわふわ食感が楽しく、スイーツにも軽食にもなる一口サイズのかわいらしいミニパンケーキはシェアもしやすく、お子さまや女性にも喜ばれるだろうと考えました。

また、商品開発をしていく上でこの「ポッフェルチェ」はシーズナルでトッピングを変えたりとアレンジしやすい特徴があり、和スイーツとの相性も良いことから、デザート商品のバリエーションの幅を広げやすいことが導入の決め手となりました。

調べてみると、確かにポッフェルチェ、2020年には紅はるかを使ったデザートに取り入れられるなどいかんなく本領を発揮している。

 

オランダ生まれのポッフェルチェ、期待を込めて招聘されてまんまとめちゃくちゃうまく立ち回っているというわけか……。

ちなみにまたまたWikipedia参照で恐縮なのだけど、このポッフェルチェ、オランダ語の名前の由来として「焼く時に生地から空気が抜ける時の音」という説があるらしい。

まさかの擬声語! かわいい名前だとは思っていたが、命名原理はガリガリ君と同じである。一気にシンパシーがわいたのだった。

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