串カツ田中ホールディングス（HD）は2022年12月1日、「串カツ田中 アキバあいどる店」（東京都千代田区）を閉店すると発表した。
既存事業にアイドルを組み合わせた斬新な取り組みは、オープン当時大きな話題を集めた。
串カツ屋×メイド喫茶
「アキバあいどる店」は、既存店の「秋葉原中央通り店」をリニューアルする形で21年6月にオープンした。
「アイドルの卵応援」と銘打ち、従業員には現役アイドルを採用した。新型コロナウイルスの影響でアイドルの活動機会が減り、「ファンと触れ合える場所をつくり、お客様に笑顔になってもらうことで、串カツ田中のお店から秋葉原の町を明るくしたいと考えております」とプレスリリースで意気込んでいた。
同時期は、串カツ田中HDも休業・時短営業の影響で業績低迷していた。2021年11月期第2四半期（20年12月～21年5月）の純利益は3億2400万円の赤字で、リリースでは「（アイドル店は）今まで串カツ田中に来たことがない方にも来店いただける機会にもなると考えております」と客の新規開拓にも意欲を見せていた。
店舗は、串カツ田中を土台としつつ、チェキ販売や店頭でのライブ配信などメイド喫茶のような要素を加味していた。客は店舗内のタブレットを通じて”投げ銭”もでき、従業員は時給に加えてファンの応援が収入に直結する。22年1月には6人組アイドルグループが店からデビューした。
オープン当初は多くのメディアに取り上げられ、串カツ田中ブランドを生かしたシナジーに注目が集まった。しかし、22年12月30日をもって閉店すると発表された。
「本日まで続けてこられたのは、ひとえに多くのお客様から応援をいただけたためだと思います。本当にありがとうございます」と感謝を伝えており、「残り少しとなりますが、最後までアキバあいどる店を盛り上げていきます！ぜひ、皆様のご来店をお待ちしております」と呼びかけている。