次世代GPUが700Wの領域に突入したため空冷ではなく「水冷」「液冷」が注目を集めることに

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GPUの高性能化により問題となるのは発熱です。2022年11月13日から18日まで行われたSupercomputing 2022では、コンピューターの冷却システムとして水冷方式と液冷方式が注目されています。

Liquid and immersion is the new cool at Supercomputing ‘22 • The Register
https://www.theregister.com/2022/11/19/liquid_cooling_sc22/

一般的なコンピューターでも消費電力が400WのCPUや700WのGPUが普及し、熱管理が重要になってくる中、スーパーコンピューターのような高性能なコンピューターだと消費電力が3000Wから1万Wのプロセッサを用いることもあり、さらなる熱管理が求められています。

そこで、高性能コンピューターにおいて冷却システムとして水冷方式や液冷方式を採用するコンピューターがSupercomputing 2022では一般的だったとのこと。Supercomputing 2022で展示されていた水冷キットや液冷キットをThe Registerのトビアス・マン氏が紹介しています。

Supercomputing 2022で展示されていた冷却システムの多くは「直接液体冷却」でした。直接液体冷却はゴム製のチューブの中を液体の冷却剤が通過することでCPUやGPUを冷却する方法です。


HPEのコンピューターはCPUやGPU、メモリなどを液体冷却用に構築することで、AMDのCPU「第4世代EPYC」8個を比較的省スペースで構築することに成功したとされています。

一方でLenovoは発生する熱の約80%から約97%を除去することができる「Neptune」を発表し、1対のEPYCと4つのNvidia製GPU「H100 Tensor コア GPUを冷却することが可能であると説明しています。

別の冷却システムとして、「浸漬冷却」が紹介されています。浸漬冷却では、コンピューターの部品やパーツを合成油や特殊な冷媒などの非導電性の液体に浸すことで冷却を行います。浸漬冷却の代表的な例として、Cray-2があります。浸漬冷却では、発生した熱をほぼ100%除去することができますが、空冷や直接液体冷却よりもメンテナンスが複雑とされています。


データセンターでは、CPUやGPUなどの機能向上に伴う高温化や電力密度の上昇により、液体冷却の採用が促進されています。Dell’Oro Groupの(PDFファイル)報告によると、液体・浸漬冷却装置への支出は2026円までに約1500億円に達すると予想されています。

また、エネルギー価格の高騰と持続可能性への関心の高まりにより、データセンターのシステムを動作に最適な温度に保つために必要な空調が空冷よりも小規模な水冷・液冷は魅力的だとされています。

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