「人々は実店舗に行きたがっている」: リーバイス のラテンアメリカSVPアロージョ氏が語る、同地域におけるD2C戦略

DIGIDAY

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アパレルブランドであるリーバイス(Levi’s)のラテンアメリカでのビジネスは成長中だが、北米でのビジネスとは大きく異なっている。

同社のラテンアメリカにおけるシニアバイスプレジデント兼マネージングディレクターを務めるルイ・カルロス・ダ・シルバ・アロージョ氏は、米モダンリテールのポッドキャストにおいて、同社がこの地域でのビジネスでどのような方法を採用しているかということと、D2Cに対する総合的な方針について語った。この対談は、米モダンリテールがマイアミで開催した「Modern Retail DTC Summit」(10月17〜19日)において、ライブで記録されたもの。ラテンアメリカでのリーバイスのビジネスは、2022年度の第1四半期において約70%も成長し、アロージョ氏はさらに多くの店舗を開設することを計画していると語る。

同ブランドのデジタルビジネスは成長し続けているが、もっとも重要な販売チャネルのひとつは依然として店舗だと、アロージョ氏は語る。「ラテンアメリカの利用者は依然として実店舗に行きたがっていることに、当社は機会を見い出している」と同氏は述べている。

現在、リーバイスはラテンアメリカ地域に400店舗を保有しており、自社のエクスペリエンス全体を改修している最中だ。同社は最近、インディゴ(Indigo)という店舗のコンセプトを公開した。これは、リーバイスをライフスタイルのブランドとして提示する方法だと、アロージョ氏は説明している。このコンセプトでは商品を控えめにし、店舗内の仕立屋など、エクスペリエンスを前面に打ち出す。「楽しい店舗で、ありきたりでない商品を揃えている」と同氏。また、今後2年以内にラテンアメリカの店舗の50%でインディゴのモデルを扱うことをめざしているという。

しかし、店舗は一つひとつ異なっている。これは、リーバイスの顧客が地域によってだけではなく、国によっても異なっているためだ。ラテンアメリカの顧客は「スペインやイタリアのような南ヨーロッパを強く参考にしている。ラテンアメリカの一部の国では、米国よりも南ヨーロッパの影響がはるかに強い。このため、コロンビア、アルゼンチン、ブラジルなどの人々は非常にファッショナブルだ」

実店舗を重視してはいても、リーバイスは依然としてデジタルにも強く注目している。同社は、展開しているすべての国について独自のD2Cサイトを保有しているが、メルカドリブレ(Mercado Libre)のような現地のマーケットプレイスも大きな役割を果たしている。アロージョ氏は次のように述べている。「成功するためには、自分のサイトを保有する一方で、マーケットプレイスのプレイヤーも必要だ」

それでも、リーバイスが現在強く注力しているのは、顧客が出入りしたいと考えるような新しい小売のコンセプトを考えることだ。アロージョ氏はいう。「当社はこの勢いを目にしており、我々にとって実店舗はうまく機能している。これは大きな機会だと考えている」

対談の要点のいくつかを以下に示す。これらは明瞭化のために多少の編集を加えている。

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ラテンアメリカの消費者のさまざまなプロファイルについて

「消費者のプロファイルはまったく異なったものだ。消費者が季節に起因して異なる商品を要求するという、季節的な観点だけではない。ラテンアメリカ、とくにアルゼンチン、ブラジル、コロンビアの消費者は、北半球の一部の国よりもエネルギッシュでアクティブだ。たとえばメキシコはずっとフォーマルである。当社は、ファストファッションという言葉を好まず、ライフスタイルという言葉を使う。われわれはライフスタイルブランドの要素が強い。しかし、これらの国々の消費者は、スペインやイタリアのような南ヨーロッパを強く参考にしている。ラテンアメリカの一部の国では、米国よりも南ヨーロッパの影響がはるかに強い。このため、コロンビア、アルゼンチン、ブラジルなどの人々は非常にファッショナブルであり、消費者は国によって大きく異なるものだと考えている。当社はその違いに適応する必要がある」。

リーバイスのラテンアメリカにおけるeコマース戦略

「この地域におけるeコマース戦略は、米国やヨーロッパとはまったく異なっている。当社は7年ほど前からこのeコマースを開始し、低水準から成長し続けてきた。今後も、さらに急速な成長を望んでいる。そのため、当社は3PLのフルコマースプロバイダを使用する。普通は100%の作業を自社では行わないだろう。我々は常に、ブランドを自社で完全に管理できるようにし、自社のためにサービスを実行するパートナーを雇っている。ラテンアメリカにおいてもうひとつ重要なのはマーケットプレイスだ。成功するためには、levi.com.mxというような自分のサイトを保有している一方で、マーケットプレイスのプレイヤーも必要である。しかし、マーケットプレイスの管理は必須。マーケットプレイスがブランドを管理してしまわないように、当社で商品や価格設定を管理している。そうでないと、値下げが止まらなくなる」。

アウトレットは次の大きな機会

「ラテンアメリカのアウトレットには大きなホワイトスペースが存在する。米国の市場ほど大きくはなくても、不動産という観点から拡大する大きな機会がある。パンデミックの後だからこそ、ラテン系の人々は、触って、ハグして、店舗を訪問することを望んでいる。このため当社の店舗へのトラフィックは極めて大きい。人々は大挙して店舗に戻ってきている。我々はこの勢いを目にしており、当社にとって実店舗はうまく機能している。これは大きな機会だと考えている」。

[原文:‘People want to go to the physical stores’: Levi’s Rui Carlos da Silva Araujo on the brand’s Latin America DTC strategy]

CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:島田涼平)

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