実は東京でも「カカオ」が生産されていることをみなさんはご存じだろうか? もちろん「カカオ」とはチョコレートやココアの原料になるあのカカオのことである。
その東京産カカオを使用した超希少な『キットカット』が、2022年11月9日から発売開始となった。未知なる東京産カカオを使用したキットカットとはどんなお味なのか? さっそく食べてみたのでご報告したい。
・2003年からスタート
外務省によるとカカオ豆の生産量は「コートジボワール」「インドネシア」「ガーナ」がTOP3で、いずれもいわゆる “熱帯地域” となっている。沖縄ならばいざ知らず、東京のどこでカカオを育てているのだろうか?
答えはズバリ、小笠原。東京産カカオは平塚製菓が2003年からスタートしたプロジェクトで、なんと初収穫までに10年の歳月を費やしたという。それからチョコレートが完成するまでに3年、そしてようやく今年『キットカット』になって市場に出回り始めた、というワケだ。
そもそも東京産カカオを生産することになったきっかけは、平塚製菓の社長がガーナを視察した際「自分で作って食べてみたら面白いだろう」と思ったかららしい。そりゃ面白いだろうが、社長はかなり変わった方なのだろう。
・ごく一部の店舗で発売中
それはさておき、今回発売となった『キットカットミニ 東京カカオ』は、東京駅直結の「東京ギフトパレット」を始め、羽田空港や成田空港など、ごく一部の店舗で販売中だ。価格は8個入りが1296円、4個入りが756円となっている。
ドラッグストアなどで販売されているキットカットと比較するとかなり割高な感は否めないが、そこは「希少な東京産カカオを使用している」ということで納得しよう。『キットカットミニ 東京カカオ』は「東京産カカオを味わえる」という点にプレミア感がダダ洩れている商品なのだ。
で、気になるお味はというと「カカオ強めのお上品なキットカット」といったところだろうか? 通常のキットカットとはカカオの配合が違うので比較は難しいが「大人の味がするキットカット」と申し上げていい。
逆に通常のキットカットの砂糖を少なくすれば似たような味になるような気もしなくはないが、そこは「東京産カカオを口にしている」という事実だけで満足すべきなのだろう。いわば『キットカットミニ 東京カカオ』は、男の夢とロマンが作り出した “歴史の1ページ目の味” なのだ。
……が!
・まさかの事実
「東京産カカオも十分にキットカットになっているなぁ」なんて感動していたところ、パッケージに衝撃の事実が隠されていることに気付いてしまった。よく見ると『キットカットミニ 東京カカオ』の原材料は……
カカオ豆(ガーナ産、東京都小笠原諸島産)
ま、マジかよ……! てっきり「東京産カカオ100%」だと思っていたが、確かに「100%」とはどこにも書いていない。要するに『キットカットミニ 東京カカオ』は、東京産カカオ “も” 使用しているキットカットということであった。
おそらく東京産カカオを100%使用したら、とんでもない価格のキットカットになってしまうのだろう。いずれ「東京産カカオ100%キットカット」も食べてみたい気はするが、現段階では時期尚早のようだ。平塚製菓のみなさん、どうぞ頑張ってください。
とはいえ『キットカットミニ 東京カカオ』が非常に希少なキットカットであることに変わりなく、歴史を噛みしめる意味で味わってみるのもいいのではないだろうか? 『キットカットミニ 東京カカオ』は期間限定商品なので、気になる人はお早めにどうぞ。
参考リンク:キットカット「東京カカオ」 、 外務省 、 PR TIMES
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.