動いている自動車の後部座席で仮想現実(VR)ゲームをプレイする。そう聞くと、ひどい乗り物酔いを想像してしまう。だが、holorideはそれをうまく機能させる方法を発見し、ドイツで同社初のVRエンターテインメントパッケージの販売を開始した。2023年初めには、米国市場への進出も計画されている。
筆者は先々週、ニューヨークでそのプログラムを試す機会を得た。holorideのチームにマンハッタンにあるオフィスまで迎えに来てもらうと、筆者はAudiのSUVの後部座席に乗り込んで、HTCのヘッドセット「VIVE Flow」を装着し、イーストビレッジを20分ほどドライブしてもらった。
デモは「Cloudbreaker」というゲームだった。筆者は天空の戦場で、雲から突き出た古代遺跡のような建造物の間を飛行しながら、敵の宇宙船を銃撃していった。ヘッドセットはBluetoothで自動車に接続されており、自動車の加速やブレーキ、ハンドル操作、GPS位置情報といったデータをリアルタイムで収集する。仮想世界を自動車の動きに合わせるためだ。
つまり、自動車の向きが変わると、筆者の宇宙船の向きも変わるというわけだ。ありがたいことに、その動きはうまい具合に連動していたので、気分が悪くなることはなかった。
筆者の反応や車内でVRが機能する仕組みを知りたい人は、上に掲載した動画を視聴してほしい。筆者は、タクシーでスマートフォンをちらりと見ただけですぐに乗り物酔いするタイプなのだが、このゲームは悪くなかった。ただし、今回のゲームデモは比較的短時間のものだ。自分の自動車のすべての動きが画面上のアクションに反映される、テーマパークのモーションシミュレーターを思い出した。
提供:Richard Peterson/CNET
ほとんどの時間、前方だけを見ている場合は、非常に快適だった。しかし、自動車が右折したときに自分が左を向くと、気分が悪くなった。
holorideのチームは、ヘッドセットで「Netflix」や「YouTube」の動画を視聴できる機能のデモも見せてくれた。映画のスクリーンが、自動車の動きと一致するVRの風景に浮かんでいるような感じだったが、これは筆者には向いていなかった。すぐに気分が悪くなり、ヘッドセットを外してしまった。動画の視聴は楽しめなかったので、またゲームをプレイさせてほしい。