成年向けコンテンツを一度は禁止したブログサービス「Tumblr」が規制を緩和し、適切なラベルを使用した場合に限り、人間の裸の画像など一部コンテンツを許可する方針に切り替えました。ただし、「性的に露骨な行為の描写」は引き続き禁止されます。
Tumblr Staff — This is not a drill. Our new Community Guidelines…
https://staff.tumblr.com/post/699744158019190784/this-is-not-a-drill-our-new-community-guidelines
Tumblr Brings Back Nudity, But Not Porn
https://www.vice.com/en/article/xgymvj/tumblr-brings-back-nudity-but-not-porn
2007年から長年にわたりブログサービスを運営してきたTumblrですが、2018年11月16日に突如として「TumblrのiOSアプリ」がApp Storeから姿を消します。後にこの理由は同プラットフォーム上で児童ポルノ画像が取り扱われていたためであったことが明らかになっており、この事態を重く見たのか、Tumblrは2018年12月4日に「プラットフォーム上から成年向けコンテンツを完全に削除する」と発表。2018年12月17日に成年向けと認定したコンテンツをすべて非公開にし、今後同様のコンテンツ投稿を投稿することを完全に禁止しました。成年向けコンテンツの投稿が多かったTumblrが突然該当コンテンツを一掃したことでユーザーは反発しましたが、運営側は「成年向けコンテンツをすべて精査するのは非常に困難です」とし、ユーザーに理解を求めました。
しかし、この規制によりユーザー数が2カ月で1億5000万人も減少するなど大きな痛手を受けることになります。業績不振のあおりを受け、Tumblrは2019年にWordPressの親会社であるAutomatticに買収されました。
ブログサービスのTumblrがWordPressの親会社に買収される – GIGAZINE
しばらくは禁止が続いたTumblrですが、2022年9月27日に新たに「コミュニティラベル」と呼ばれる新しいフィルタリング機能を追加すると発表し、このラベルを付けることで、性的なテーマが含まれるコンテンツでもあっても投稿を許可する方針に変更しました。しかし範囲は限定的で、「ヌードをフィーチャーした芸術・教育・ニュースなどのコンテンツ」は許可された一方で、「現実の人間の性器や女性の乳首が写っている、または現実の人間が写っていると誤解されるほど写実的なコンテンツ」は引き続き規制されていました。
これに続いて2022年11月1日にガイドラインが更新され、裸を含む人間を描いたコンテンツなど、より幅広い表現や芸術が許可されました。これにより、ヌードや青年向けの題材、性的なテーマを含む作品であっても、適切なコミュニティラベルを使用することで、Tumblrで共有することができるようになります。
ただし、「露骨な性表現に該当する行為の視覚的描写(または性器にあからさまに焦点を当てたコンテンツ)」は引き続き禁止されています。その他の規制については、Tumblrのコミュニティガイドラインで確認することができます。
一時は成年向けコンテンツの投稿で賑わったTumblrでしたが、2022年時点では法律などの各種規制によりかつての姿はどこにもありません。Automatticのマット・マレンウェッグCEOは「コミュニティラベルの立ち上げはコミュニティをよりオープンにするためのの第一歩です」と明るい姿勢を見せるも、過去のような規制の緩い運営は困難だとし「クレジットカード会社やアプリストアは反ポルノ体制をとっており、これに従わないとTumblrだけでなくAutomatticの社員までもが将来を脅かされることになります。また、アダルトSNSを運営するには厳格な年齢確認を行う必要があり、年間700万ドル(約1億円)のコストがかかると見積もっています。初期のインターネットのような時代はもう不可能です」と述べました。
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