旅行好きにとって、行き先のひとつとして外せないのが道の駅。各地の名物が勢ぞろいし、場合によってはお手軽価格で手に入るパラダイスである。
さて、ここで問題です。東京都内には何軒の道の駅があるでしょうか?
…………答えは、なんとたったの1軒。東京都八王子市にある『道の駅 八王子滝山』だけなのだ。都内唯一の道の駅では一体何が買えるのだろうか? 現地へ行って調査をしてきたぞ!!
・東京産の食べ物がいっぱい!
とある平日の朝。道の駅 八王子滝山へ到着した筆者は驚いた。
というのは、超失礼な偏見ながら「東京の道の駅なんてどうせちっちゃくて何もないに決まってる」と思い込んでいたところ、すべてにおいて予想がくつがえされたからだ。
筆者を迎えてくれたのは、広くて明るい清潔な店内、
大量の野菜たち、
お酒、乳製品、ジャム、お菓子などの特産品、
そして約100台のキャパを持つ広い駐車場である。
乗り物大好きライターとしては、特に駐車場の広さにはぶったまげた。なんていったって100台分だし、自転車とバイク用の駐輪場だけでもこんなに広々とスペースが用意されていたのだから!
・3つのエリアで東京を楽しめる
道の駅 八王子滝山の店内は、大きくわけると3つのエリアで構成されている。
ひとつめは、野菜とお花のエリア。
ふたつめは、お菓子やお酒などの特産品のエリア。
最後はフードコートだ。
食堂、カフェ、アイスショップ、お惣菜屋の4店舗が並んでいる。
どのエリアも基本的には「東京産」「八王子産」にこだわりが感じられる品揃え。お土産にピッタリだし、逆に都民が見ても「東京でこんなものを作っているんだ!」という発見があるはずだ。
・東京と近郊で採れた新鮮野菜
筆者が訪れた10月は、生姜の収穫時期だったらしい。葉っぱがついた状態で八王子産の新生姜がズラーっと並んでいる。どれも新鮮ピチピチ、葉っぱまでシャンとしているな。
っていうか今まで考えたことがなかったけど、生姜の可食部は根っこなんだな。自然のままの状態の生姜って初めて見たよ。
大根も青々とした葉っぱが付いた状態で並んでいる。しかも、めちゃめちゃ立派なサイズで1本200円前後とお値打ち価格。
ビーツのようにちょっぴりレアな野菜がゲットできるのも、道の駅ならではかもしれない。
売り場の野菜たちはほとんどが八王子産だが、栃木や群馬など近郊の農産物も取り扱いがあった。どうやら地域のスーパーとしての役割もになっているみたい。
産地に限らずどれも新鮮&お買い得なものが多い印象だった。
・八王子産の牛乳ジェラートをいただく
一通り店内を見た筆者が気になったのは、フードコート内にあるアイスショップ『MO-MO』だ。
八王子市内の牧場、金子ミルクファームの搾りたて牛乳を使ったアイスクリームが食べられるお店だ。
そもそも八王子に牧場があるなんて思いもしなかったよ!
お値段はソフトクリームが300円、ジェラートがシングル350円、ダブル460円、トリプル580円。(価格はすべて税込)
悩みに悩んだ結果、筆者はジェラートのダブルを食べることにした。
この日は10種類のジェラートがあり、カネコミルクと栗をチョイス。
もちろんミルクも栗も、どちらも八王子産。旅行先でその土地で作られたものを食べる。プライスレスな体験だ。
ミルクはしつこさを感じさせないサッパリ感がありながらも、しっかりと甘め。
うん、美味しい! こっくり生クリームっていうよりも、フレッシュな牛乳っぽさを感じさせてくれる味わいだ!!
続けて食べた栗味は、栗の濃厚さに驚いた。
一口食べただけで、味も香りもまるでモンブランのよう。舌触りもザラザラとしていて、秋が来た~! と叫びたくなるような美味しさだ。
東京、八王子。思っていた以上に美味しいものが作られている地域である。
たぶん、都民で道の駅 八王子滝山の存在を知っている人はそれほど多くないだろう。実にもったいない。本当にもったいない!
他府県の観光客が行っても楽しめるが、都民が行けば自分が知らない東京を発見できるだろう。車はもちろんJR八王子駅からバスで行くこともできるので、騙されたと思って “都内唯一の道の駅” へ行ってみてほしいな。