大手を中心にジョブ化を目標とした制度改革が活発化しています。ただ個人目線では「いまさらそんな働き方は出来ない」とか「リストラされるリスクがあるじゃないか」といった懐疑論もよく聞きますね。
SNS上でもフォロワーの多いビジネスパーソンが意外と消極的スタンスだったりして驚かされます。
結論から言うと、そういう消極的なスタンスそのものが今後は非常に高リスクだと筆者は考えています。
ジョブ化で恩恵を受けられる人はどんな人か。泣く人はどんなタイプか。いい機会なのでまとめておきましょう。
いくつもの荒波が同時に押し寄せている!
今、いくつもの荒波が日本企業に押し寄せています。まずは4月施行の改正高年齢者雇用安定法による70歳雇用の努力義務化。
企業に従業員の70歳までの雇用努力を求めるもので、過去の定年延長の際の「まずは努力してね→少し間をおいて義務化」という経緯を見ればいずれ義務化は間違いないでしょう。
終身雇用制度はもともと55歳定年で設計されていたものです。それを年金財政の都合で定年を60歳にし、65歳とだんだん引き上げられてきた経緯があります。
百歩譲って60歳定年ならなんとかなったかもしれませんが、65歳の時点で完全に維持不可能な状態になりましたね。
だって年功序列のボーナスステージの部分だけ後付けで延長させられるわけですから。本当ならその時点で人事制度をリセットして再設計すべきだったんですね。
でも各社とも手は付けませんでした。理由ですか?めんどくさいから(苦笑)
まあ先送りしてればそのうちババひいた後輩の誰かが何とかするだろうくらいに考えてたわけです。で、安倍さんが70歳雇用の法改正してしまったものだからババをひいてしまったと。
それから働き方改革の波も大きいですね。不幸な労災が続いたことや男性従業員の育休取得を底上げしようといった運動が背景にありますが、要するに脱・時間と柔軟な働き方が目指す方向性となっています。
そして働き方改革の波を大きく押し上げたのがほかならぬコロナ禍です。正直、働き方改革だけなら適当にやってるふりだけしてやり過ごせば、そのうち従来通りの働き方に戻れるだろうと考えていた企業は多かったです。
でも緊急事態宣言でそういう甘えた空気は雲散霧消しました。何から手を付けたらいいのかわからないけれど、とりあえずリモートワークを開始し、走りながら課題に取り組むしかありません。
働き方改革の目指した柔軟な働き方をさらにパワーアップさせるようなものです。
さらには、ここにきて若手人材の流動化という波もいよいよ無視できないものとなりつつあります。
もう10年くらい前から上位3%くらいの優秀層には日本企業離れの傾向が出ていましたが、最近はそれが上位2割から3割くらいに拡大している印象です。
特に理工系修士以上の人材でこの傾向は顕著で、メーカーにとって死活問題と化しています。彼らを囲い込むための人事制度改革は待ったなしといった状況です。
【参考リンク】NTT、さらば「GAFA予備校」 人材流出阻止へ人事改革
さて、こうした色々な荒波が押し寄せているわけなんですが、実はそれらすべてに対する処方箋はジョブ化一択なんですよね。
70歳まで従業員を押し付けられて何が困るって、年功序列のままボーナスステージ感覚で腰かけられるから困るわけで。
きっちり働きに見合った賃金にリセットすれば理論上は何歳までいられてもOKなわけです。
リモートワークでは「仕事だけ持って帰らせてオンラインで同時接続する」だけだと逆に生産性は下がります。っていうかそれ働き方そのものは変わってませんから。
働き方そのものを見直し、生産性を底上げするには、業務範囲を明確化し、裁量も合わせて委譲するしかありません。そう、それはそのままジョブ化のプロセスに重なります。
若手の流動化対策は言うまでもなくジョブ化ですね。年功ではなく働きに応じた処遇を提供できるようにするわけですから。
要するに、今日本企業は激変期と言ってもいいほどの荒波に次から次へと襲われている最中なんですが、その根底にあるのは「年功序列・終身雇用制度ではもはや新たな状況変化に対応できなくなっている」ということなんですね。
これらの荒波を乗り切るにはジョブ化という板を乗りこなすしかないわけです。
では、この局面でどういった人間が賃金を切り下げられるのか。年功に胡坐をかいている、新しいことを消化する柔軟性に欠けている・・・・・etc
きっと多くの識者がいろんな言い方をすると思いますが、筆者があえて言うとすれば。
ジョブ化という、誰にでも公平なチャンスをもたらすことになる新制度を前に、真っ先に「賃金カットされるんじゃないか。リストラの口実なんじゃないか」なんてリスクイメージしか頭に浮かばないような残念な人ですね。
上記のような現状認識もまったく出来ていないわけで。まさに企業にとっては真っ先に切り捨てたいターゲットのはずです。
以降、
一番強烈な波はこれからやってくる
企業にとって必要な人材になる近道とは
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Q:「日系大手クライアントに困ったオジサンがいるのですが……」
→A:「それがいわゆる“働かないオジサン”と呼ばれる生き物です」
Q:「勤続18年で手取り13万円というケースはどうすべきだったんでしょうか?」
→A:「『転職を通じて賃上げを勝ち取れ』という考えは、18年前にはさすがに……」
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