エプソン製のプリンターに、一定期間使用した後に動作が停止するプログラムが含まれていると、修理する権利を主張する団体「Fight to Repair」が指摘しています。
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エプソン製プリンターの仕様が批判を浴びる。表面化する「修理の権利」問題
現在、世界の様々な国で主張されている修理の権利。これついて、よく批判を浴びているのがプリンター業界です。プリンター業界では本体価格は安いものの、インクの価格が高いというビジネスモデルが一般的になっていました。
今回問題になったのは、エプソンの一部プリンターの仕様についてです。修理する権利を主張する団体「Fight to Repair」のサイトによれば、エプソンのプリンターの一部機種は突然、耐用年数に達したというメッセージが表示され、印刷が停止する可能性があるとのこと。
同サイトが指摘しているのは、エプソンのプリンターに表示される「廃インク吸収パッドの吸収量が限界に達しました。」というエラーについてです。
「Ars Technica」によれば、以前までこのメッセージについてエプソンのサポートページには以下のように書かれていたとのこと。
本製品は、ある時点で、満足のいく印刷品質を維持できない状態、または部品が使用可能な寿命に達する状態になります。エプソンでは、製品の寿命が尽きるまで、物的損害や人的損害のリスクを最小限に抑えるために、すべての機器の適切な動作を保証することをお約束します。このため、インクパッドの交換を行わずに使用を続けると、インクの流出による物的損害や、余分なインクが電気部品に接触することによる安全上の問題を引き起こす可能性がある時点で、プリンタは動作を停止するように設計されています。
これについて「Ars Technica」は、エプソンが修理マニュアルや工具、部品などを提供しないことを指摘。エプソンは自社の修理センターのみでインクパッドの修理ができるとしており、サイトでも「お客様ご自身での部品交換は、行うことができません。」とされています。つまり、一定時間使用すると故障するにも関わらず、その修理がメーカー以外に認められていないというのが今回批判されている内容です。
プリンター業界以外でも、修理する権利の侵害にあたると批判されているメーカーはいくつもあります。iPhoneなどを発売しているAppleもたびたびこの批判に晒されており、最近になってようやく有料の修理キットを提供するようになりました。
Google、サムスンも、同社の製品についてセルフリペアサービスの提供を始めています。ただし、Appleの修理キットの提供価格で見られるように、あまりユーザーに優しくない価格設定になることもあるようです。
また、ニューヨーク州議会は最近、電子機器の「修理する権利」を認める法案を可決しました。この権利について浸透しはじめたのはごく最近ですが、今後さらに多くの国で「修理する権利」が認められるようになれば、プリンター業界も変わってくるかもしれません。
*Category:テクノロジー Technology *Source:Ars Technica ,epson ,PCWorld ,MacRumors