戸塚に住み始めて4年。ある夜、いつものお散歩コースを愛犬と歩いていると遠くにきらめく何かが目に入った。
仏像が、ある。
すぐ南に古都・鎌倉があるのに胡坐をかいてノーマークだった。
ちょっと近づいて全貌を確認したい。
河川敷を超えたところからみえる仏像
散歩しているこの柏尾川河川敷は結構こじんまりとしていて、15分くらいで一周できるのでちょうどいい。犬のお友達にたくさん会えるのもうれしい。
写真の左側をずっと歩いていくと途中で住宅街へ進むための道路が現れる。そこから見える景色によく目を凝らしてみると、いたのだ。ありがたく光る何かが。
少し近づいてみる。
線路を超えて戸塚駅東口側に位置するエリアにそれは光っている。
調べると盛徳寺というお寺にある「大川観音像」という仏様らしい。
ここより近づいてしまうと近所の建物にかぶってうまく撮れない。
もっと近くで見るために昼間にお寺に参拝してみることにした。
住宅街に突然現れる緑たち
東口を出て大船方面に線路沿いを歩いていく。
この先を進むと観音様はいるらしい。木が大きいのと住宅でほとんどみえない。本当に観音様はいるのか。木までたどり着いたら異世界にワープするとかないか。不安になるのはこのあたりが完全に住宅街でかなり静かだからだ。あと長い一本の坂道っていかにもフィクションっぽいし。
どういうことかと調べると、仏教系のお寺には山号といわれる称号がついていることがあり、盛徳寺の場合はそれが「福聚山」というらしい。
福聚とは「幸せをもたらす多くの功徳」のこと。ありがたい感じがある。
でも今回のお目当ては恐れながらここではない。ここから右を向いてみる。
まぎれもなく観音様だ。鎌倉にいるのはしっくりくるけどまさか戸塚にいるとは。
木を追い越して開けた場所からいざ拝見。
西日に向かってたたずむ観音様の像。足元にライトが見える。これで夜でも後光を指しながら戸塚の街を見下ろしていたのだ。
昭和60年ごろに作られた比較的新しい観音像らしいが、とはいえもう40年近く戸塚の街を見守り続けているありがたい存在だ。
毎日のお散歩道、今日も観音様が光っているなと確認するようになった。ちゃんと年始には挨拶に伺おうと思う。