たぶん自分の認識が合っていると思うのだが、絶対的な自信があるかと言われたらそうでもない。クイズで出題されたら「自分が正しいと思っているだけで実は間違っているかも……」と思ってしまう “あいまいな知識” ってないだろうか。
たとえば「前向き駐車」もそう。前向きとはフロントを壁側に向けるのか、それとも道路側にフロントを向けるのか。近所のレストランの駐車場にも「前向き駐車」の看板が設置されていて6台の車がとまっていたのだが、それぞれの車が出した答えはなんと……
真っ二つ(3台ずつ)に意見が分かれていた。もちろん「前向き駐車」の看板に気づかず、駐車しやすい方で車をとめた可能性もある。ちなみに同じ駐車場内の反対側の列を確認してみると……
見えている範囲では、7対1で通路側にフロント(車の前方)を向けている車の圧勝だった。いや私はこれまで「前向き駐車」とは、駐車スペースに車の頭から突っ込んで入れる、すなわち入ってきた進行方向のまま(壁側にフロントを向けて)とめるものだと思っていたのだが……
もしかすると、看板を設置している施設によって “前向き駐車” の解釈が変わるのかも。と思い、駐車場の管理者に尋ねてみると……
「隣接する住宅に排気ガスや排気音が迷惑にならないよう、頭から突っ込んで駐車スペースしてください」
──やはり合っていた。それでもバックで駐車するのは慣れている & 出やすい & 前向きの正解がはっきり分からないからなのだろう。同じく「前向き駐車」看板を設置しているスーパーやコンビニに話を聞いてみても、答えはやはり「頭から突っ込んで」とのことだった。
理由もだいたい同じ。家屋や植栽に排気ガスがいかないように。また近隣住民から「排気音がうるさい」というクレームが来るのを防ぐためでもあるそうだ。実際、マフラーの向きで音量に違いがあるわけでもないのだが「気持ち的に一応」とのこと。なるほど。
なお、前向き駐車は正式な道路標識ではなく管理者が設置した看板なので、あくまでも “お願い” になるという。つまり無視したからといって法律違反になるわけでないのだが、看板の意味をちゃんと知ったからには守りたいぞ。
というわけで、前向きがどっちなのか答えをおさらいすると、進行方向のまま頭から突っ込むのが正解だ。逆に切り返してバックで入れるのが後ろ向きとなる。なんとなく自分の答えに自信のなかった方は覚えておいてほしい。前向きは頭から!
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.