NASAの木星探査機ジュノーが捉えた、過去最高の解像度の「エウロパ表面」

GIZMODO

先月末、NASAの探査機「ジュノー」は木星の衛星エウロパへの最接近を果たしながら撮影にも勤しんでいました。そして先週、NASAがエウロパ表面のクローズアップ画像を公開しました。

2016年から巨大ガス惑星である木星を周回していたジュノーが、その衛星へと関心を向けたのは最近のこと。エウロパの凍てつく地殻の下に塩水の内部海が存在すると科学者たちは考えているため、強い科学的な関心の的となっているのです。

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ジュノーが捉えた、エウロパの表面
Image: NASA/JPL-Caltech/SwRI

もしそのような内部海が存在するなら、将来的には探査機「エウロパ・クリッパー」が地中探査レーダーを使って調査するでしょうし、生命そのものとは言わないまでも生命の材料を備えている可能性があります。

この白黒画像は東部標準時の9月29日に行なわれたフライバイの際に撮影された1枚で、93マイル(約150km)×125マイル(約200km)の範囲には溝や氷の二重稜線が縦横に走る一帯が写っています。衛星の表面から256マイル(約412km)の地点で撮られた、これまでで最も高解像度な画像になります。

先月の最接近から届いた画像の第一陣については既報のとおり。NASAのリリースによると、黒いシミは何かが地下から表面へと噴出していることを示している可能性があり、白い斑点は衛星を取り巻く放射線環境からの高エネルギー粒子の痕跡なんだとか。

この画像の撮影に使用されたカメラの研究分担者Heidi Becker氏は、リリースの中でこう述べています。「このような特徴はとても興味深いです。それらがどのように生じ、そしてエウロパの歴史とのつながるのかを理解することは氷殻形成の内部及び外部の過程に関して教えてくれます」

元々ジュノーは木星に焦点を合わせていたものの、ガリレオ衛星たちと木星の環へと調査を広げています。木星の環は観測が難しいですが、先日ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって撮影されました。

ジュノーは2021年6月にガニメデ(太陽系で最大の衛星)をフライバイし、2023年にはイオに接近する予定です。観測ターゲットを大幅に拡大しているジュノーは、2030年初めには同衛星における生命の居住可能性を最先端の機器類で調査するNASAのエウロパ・クリッパーに取って代わられることになっています。

Source: NASA,

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