スマホ用の「目線カメラ帽子」をAmazonで購入した。スマホを固定するホルダーが帽子に付いているからハンズフリー撮影が簡単にできるという。料理を作りながら、動物とふれあいながら、運動をしながら……たしかに両手が自由になれば撮影の幅が広がりそうである。
しかも手に入れたのは “改良版” らしく、カメラマウントを軽量化し、あごひもを備えたことで、より安定した撮影が可能になったそうだ。というわけで今回は、発想次第でクリエイティブに使えるという「目線カメラ帽子」を実際にかぶってみたので報告したい。
・目線カメラ帽子
見た目と機能に問題がなければもっと人気があるだろう。商品ページから珍品的なオーラがにじみ出ているのは、どこかしらに欠陥があるからだと思われる。見た目なのか機能なのかは不明。こういった類の商品ばかり注文しているせいで感覚が麻痺してしまったようだ。
商品名は「目線カメラ スマホ Goproなど アクションカメラ 帽子 キャップ ウェアラブルカメラ あご紐付き SNSライブ 動画撮影 ライブ撮影 インスタライブ(2290円)」。先に述べたように同商品は、軽量・安定化した最新バージョンである。
箱から出てきたのは、黒いキャップとカメラを固定するマウント類一式。帽子の真ん中にスマホやGoProなどのアクションカメラを固定できる仕組み。角度をうまく固定すれば、目線映像が撮れるってことだろう。
しかし評価はとても低く(星2.2)、コメント欄には「発想は良いかと思いますが、ホールドする力がとても弱い」「スマホが落ちて傷がついた」「台座がクルクル回ってしまいます」などと書いてあった……安定性に不安があるようだ。
またコメントにある通り、ゴムプレートは帽子に縫い付けられていて、その上に樹脂製のベースパーツが接着されているだけである。強度があるとはとても思えない。激しい運動には不向きだろう。
・もしかしてこれは
スマホ用のホルダーを取り付けてはじめて気がついた……いや、気がついてしまった。もしかしてダサいのでは、と。こんなもん頭に固定して歩いている奴なんか見たことねえぞ、と。
いくらスマホのカメラ性能が上がっても、帽子やヘルメットに付けるならアクションカメラを選ぶだろう。小さくて目立たないからだ。同商品が売れていない(知名度が低い)のは、単純にスマホを頭に固定したい人がいないからに他ならない。
しかし時すでに遅し。今さら使わないわけにもいかないので、帽子にスマホを固定して……
…………
ランニングキャップの代わりにかぶってみることにした。マジックテープでサイズ調整は可能。さらにあごひも付きだから強風に吹かれてもスマホが重くても脱げることはなさそうだ。
・気がついた問題点
ただしカメラ撮影をする場合は、あらかじめ撮影ボタンを押してからかぶるか、シャッターリモコンを別に用意する必要がある。商品名に「SNSライブ、インスタライブ」と書いてあったが、頭にスマホを固定した状態で相手とコミュニケーションを取るのは難しいだろう。
また、ちゃんと撮れているか確認するために毎回帽子を脱ぐのも面倒だ。アクションカメラならスマホと接続することで、スマホ上で操作や確認ができる。つまり固定しても問題ない。「撮影用のスマホ」がある方は別だが、メインのスマホは固定に向いていないかも。
それと「手ぶれ補正機能」のないスマホを頭に固定してもグラグラした動画しか撮影できない。やはりアクションカメラ用のホルダーに付け替えるのが最適解か。スマホを付けて走っても落ちなかったので、小型かつタフなアクションカメラならもっと安心できそうだ。
とにかく、スマホを頭に付けるべきではない理由を散々述べてきたが、1番問題なのは見た目のヤバさである。スマホがタケコプターのように見えるのだ。タケコプターを付けて走っていたら遅かれ早かれ通報されるだろう。やはりダメか、スマホを頭に付けるのは。
・スマホを付けるのは無理があるか
まとめると「目線カメラ帽子」は、小型のアクションカメラをつけるのが一番無難。スマホを固定しても、操作しづらい & グラグラした動画になる & 通報待ったなしのビジュアル……といった感じだった。安定感は意外とあったものの、総合評価2.2というのは妥当だろう。
参考リンク:Amazon「目線カメラ スマホ Goproなど アクションカメラ 帽子 キャップ ウェアラブルカメラ あご紐付き SNSライブ 動画撮影 ライブ撮影 インスタライブ」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.