Googleは、スンダー・ピチャイCEOの来日の様子と、日本社会のデジタル化を支援する取り組みである「デジタル未来構想」について、Google Japan Blogで公開した。
ピチャイCEOが3年ぶりに来日し、各界のリーダーと対話
昨年のGoogle渋谷オフィス開設20周年の折にはピチャイCEOの来日が叶わなかったものの、今回の来日ではGoogle Pixelシリーズの新ラインアップを日本のユーザーに披露し、Googleが日本の未来のためにデジタルの分野で貢献できることについて各界のリーダーと対話したとしている。
10月7日には岸田文雄総理大臣を表敬訪問し、デジタル未来構想について対談したという。インフラへの投資、デジタルトレーニングの提供、そしてパートナーや非営利団体への支援を更に拡大することで、デジタルの恩恵をさらに多くの人に広げていきたいとし、具体的な構想を説明している。
総額1000億のネットワークインフラ投資
2021年から2024年にかけて、Googleは日本のネットワークインフラに総額1000億円を投資するとしている。2023年には千葉県印西市にGoogleとして日本で初めてとなるデータセンターを開設予定。日本とカナダ西海岸を結ぶ初の海底ケーブル「Topaz」も、2023年に開通する予定となっている。
渋谷のスタートアップ支援施設「Google for Startups Campusで」は起業家による新しいタイプのビジネスの創出を支援しており、その多くは病気の診断や教育へのアクセス拡大など、社会的、経済的課題の解決を目指しているものだとしている。
デジタルスキル向上のためトレーニングや団体への投資
2019年以来、デジタルスキルトレーニングプログラムの「Grow with Google」を通じて、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業のデジタル化の要望にも応えるものなど、1000万人にトレーニングを提供してきたという。
さらに、AIやデジタルマーケティングなど、高成長分野の特定スキルへの需要増加を受け、今年6月に主幹事として「日本リスキリングコンソーシアム」を発足させた。なお、リスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」を指す(同コンソーシアムのウェブサイトより)
同コンソーシアムには、国や地方自治体、企業など90以上の団体が参加。300を超えるプログラムが用意され、学んだことを生かせるジョブマッチングのためのパートナー紹介も行っているという。今後、こうした取り組みの対象企業を広げ、パートナーシップの構築を継続していく予定だとしている。
Googleの慈善事業部門「Google.org」による600万ドルの支援
慈善事業部門であるGoogle.orgは600万ドルを拠出し、デジタルがもたらす恩恵を広める活動に取り組む非営利団体を支援している。たとえば、セーファーインターネット協会は、Google.orgの支援により日本ファクトチェックセンターを設立。日本社会のメディアリテラシー向上に取り組んでいる。
以上の一連の取り組みは、Googleが日本で日々行っている活動を補完するものだとする。Googleでは、引き続き、優れた製品、サービス、デバイスを日本のユーザーに向けて提供し、これまで以上に緊密に連携し、共にテクノロジーを発展させていく中で、デジタルがもたらす恩恵を全ての人が享受できるよう取り組んでいくとしている。