オンラインをリアルに。テクノロジー主導の 小売 コンセプト:ロンドンに注力するリフォーメーションの事例

DIGIDAY

サステナビリティを重視したアパレルブランド、リフォーメーションは、小売店の拡大に注力している。同ブランドは近年、米国、カナダ、英国で35店舗を展開している。同ブランドは、2019年にロンドンのノッティングヒルに1号店をオープンし、その後、地元の顧客からの関心が高まっている。

サステナビリティを重視したアパレルブランド、リフォーメーション(Reformation)は、小売店の拡大に注力している。同ブランドは近年、米国、カナダ、英国で35店舗を展開している。現在はサウスロンドンに新たに2店舗をオープンすることになった。ひとつは、アバクロンビー&フィッチ(Abercrombie & Fitch)などのブランドが並ぶ、かなり期待の高いバタシー・パワーステーション、もうひとつはチェルシーのキングスロードである。

同ブランドは、2019年にロンドンのノッティングヒルに1号店をオープンし、その後、地元の顧客からの関心が高まっている。リフォーメーションは非上場企業であるため売上高を公表していないが、リフォーメーションのヨーロッパ担当マネージングディレクターであるアレクシス・セペダ・マウレ氏は、同社の国際事業は「成長モード」にあると語った。

「小売の拠点を拡大することで、顧客とってのオムニチャネル体験が高まった」と彼女は述べている。「(現在は)在庫管理を合理化してスムースな店舗運営を維持することができているので、当社のチームは顧客へのサポートにより多くの時間を割くことが可能になっている」。

オンライン体験をリアルに持ち込む技術主導の小売コンセプト

リフォーメーションは昨年、ロンドンに欧州オフィスを開設、来年には英国チームを拡大する計画だ。セペダ・マウレ氏によると、リフォーメーションEUオフィスには、デジタルおよびブランドマーケティング、eコマース、バイイングおよびマーチャンダイジング、カスタマーサービスなどのチームが含まれているとのこと。「この拡張は、集中的なコンテンツ、地域に関連した商品、ローカルなサイジングを特徴とする各市場向けに翻訳されたウェブサイトを通じて、ヨーロッパの顧客体験の合理化と改善に役立っている」と彼女は述べた。

リフォーメーションのグローバルストアの大部分は、オンライン体験の最適な部分を実際の場所に取り入れることを中心とした、ほかにはない技術主導の小売コンセプトが特徴だと、セペダ・マウレ氏は言う。10月にオープン予定のバタシー・パワーステーションは、テムズ川の南側に位置する、生活・仕事・遊びの新たな中心的存在の場となるだろう。小売店やデパートの大半が対岸にあるため、これはロンドンの新たな開発エリアとなっている。パワーステーションには、254戸の住居、1万8500平方フィート(約1719平方メートル)のフードホールコンセプトを含む、100以上の店舗、レストラン、カフェのほか、オフィスやイベントスペースが建設される予定だ。

「当社のコンセプトは、各アイテムをひとつずつフロアに置き、タッチスクリーンモニターを各所に設置することで、顧客がストアのコレクションから(好みの色、スタイル、サイズの)アイテムを試着室に追加し、そのアイテムが裏で当社の『魔法のワードローブ』に搭載されるあいだ、ブラウジングを続けることができる、というものだ。顧客が別のサイズやスタイルが必要な場合は、試着室でiPadの画面をタップするだけで、なんとそのアイテムが現れる」。

サステナブルなイノベーションを目標に、顧客とともに成長

リフォーメーションは、店舗でのフィードバック、ソーシャルメディアへのエンゲージメント、現場でのレビューに基づいた、買い物客との直接的な強いつながりを重視している。セペダ・マウレ氏は、次のように話す。「また(データの結果のおかげで)、顧客が複数のチャネルを移動する際にスムースな体験を提供でき、顧客の要求が進化するのに合わせて当社が成長することが可能になる。ここ数年、買い物客は自分たちの日常生活や消費しているアイテムが及ぼす影響を以前よりも意識するようになっており、よりサステナブルなライフスタイルを送るためのあらゆる側面で当社も顧客を啓蒙しようとベストを尽くしている」。

「結婚式の招待客の品のない」服装にぴったりという同ブランドの評判を揶揄したニュースレターなど、スマートなマーケティング戦略により、リフォーメーションはオケージョンウェアやクールガール向けのブライダルウェアで人気となっている。9月7日に開催されたニューヨーク・ファッションウィークのアクティベーションには、リフォーメーションの特徴であるダイレクトマーケティングの手法を取り入れた。「ファッション業界がどうあるべきなのかを再定義するコレクションでファッションウィークに飛び込み、デジタルな『No Show』ショーを行った」と、セペダ・マウレ氏は語っている。リフォーメーションのコレクションは、スーパーモデルで環境活動家のキャロリン・マーフィー氏を起用したキャットウォークのスタイルで撮影された。eメールの購読者には、すべての「ランウェイ」の画像のショットが配信され、すぐに購入することができた。

同ブランドは、すべての服にデッドストックを使用し、リフリサイクリング(RefRecycling)プログラムを通じて服を引き取り、工場の従業員の労働基準や生活賃金を優先するなど、サステナブルな生産に確固たる基盤を持つ。9月下旬には、商業廃棄物からのリサイクル繊維を90%使用した、これまででもっともサステナブルなカシミアコレクションをローンチした。さらに、2025年までに100%リサイクルの再生可能な生地という目標達成に取り組む中で、リフォーメーションは今年に新たに4つのサステナブル素材のイノベーションをローンチする予定である。

[原文:Reformation focuses on London amid UK and European expansion]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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