大手グラボメーカーのEVGAがNVIDIAの新型GPU取扱終了を宣言

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20年以上にわたりNVIDIAのGPUを取り扱ってきたハードウェアメーカーのEVGAが、NVIDIAの次世代GPUを取り扱わないことを明らかにしました。EVGAは取扱終了の理由を「NVIDIAとの関係悪化」にあるとしています。

Official Message from EVGA Management – EVGA Forums
https://forums.evga.com/Official-Message-from-EVGA-Management-m3574574.aspx

EVGA stops making video cards and blames Nvidia’s bad behavior – The Verge
https://www.theverge.com/2022/9/16/23357031/evga-nvidia-graphics-cards-stops-making

EVGA Terminates Relationship With Nvidia, Leaves GPU Business – GameSpot
https://www.gamespot.com/articles/evga-terminates-relationship-with-nvidia-leaves-gpu-business/1100-6507619/

EVGA won’t offer Nvidia next-gen series | Jon Peddie Research
https://www.jonpeddie.com/news/evga-wont-offer-nvidia-next-gen-series

EVGAはNVIDIA製GPUを搭載した製品の製造・販売を主に北米で行っていた企業であり、北米におけるNVIDIA製GPUシェアの約40%を占めていたといわれるほど、NVIDIAにとって大きな戦略パートナーの1つでした。

しかし、EVGAは2022年9月16日に公式フォーラムに短いメッセージを投稿し、次世代GPUを販売しないこと、既存の製品は引き続き提供とサポートを続けることを明らかにしました。

GPUの売上はEVGAの総収入の80%を占めているとされていることから、NVIDIAとの関係終了はEVGAにとって大きな痛手となると見られています。

YouTubeチャンネルのGamers NexusがEVGAのアンドリュー・ハンCEOに直談判して詳細を聞き出したところ、ハン氏は「ここしばらくの間、NVIDIAと一緒に仕事をするのは難しい状態でした」と述べたとのこと。ハン氏によると、ここしばらくは製品の価格変更や新製品の発表についてNVIDIAから相談されることがなくなり、EVGAが考える「真のパートナーシップ」に変化が生じたそうです。

EVGA Terminates NVIDIA Partnership, Cites Disrespectful Treatment – YouTube
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また、NVIDIAはGPUの価格を厳しく管理しており、競争の激しい市場でEVGAのようなパートナーが他メーカーとの差別化を図るには限界がありました。さらに昨今NVIDIAは自社で製造するGPU「Founders Edition」の販売を始めており、このモデルの価格はパートナーが販売する製品の価格を大きく下回ることがあったため、EVGAは競争のために値下げを余儀なくされたこともあるそうです。ハン氏は「RTX 3080以上のGPUは1台ごとに数百ドル(数万円)の損失をもたらしました」と述べています。

Gamers Nexusがハン氏にさらに話を聞くと、ハン氏は「家族と過ごす時間を増やしたいと考えており、NVIDIAのビジネスの進め方は家族と離れて過ごさなければならない時間にもはや見合わないと感じています」とも述べたとのことです。

NVIDIAがとる戦略とのズレに加え、GPUの製造コストが年々上昇している一方で高性能GPUを必要とする仮想通貨マイニング市場の縮小により需要が低下していることも、EVGA撤退の理由の1つだと考えられています。


250人の従業員を抱え、総収入源の80%をGPUの製造販売に頼っているEVGAの行く末が案じられていますが、ハン氏は会社を売却する計画はなく、AMDやIntelなどの他社のGPUを製造する計画もないことを明らかにしています。ハン氏は「雇用の喪失は最小限にとどまるでしょう」と主張し、今後は電源やマザーボードといったPC部品の生産に注力するとのことです。

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