2022年8月19日。口座アプリの取引履歴を見た筆者は愕然とした。15800円の引き落としと共に表示されていたのは、「TOKYO DISNEY RESORT」の文字。
──は??? ディズニーに行く予定なんて一切立ててませんけど??? 記憶やメールを漁りまくってみたけれど、この口座を開設してからディズニー関連の買い物は一切していない。
ということは……嫌な予感がする。もしかしてこれが「不正利用」ってやつなんじゃ!?
おい誰だよ私の金でディズニー楽しもうとしてる奴!! 人の金で夢の国に行こうとするんじゃねぇぇええぇ!!!!
・メールに救われた
筆者は普段三井住友銀行を利用しているのだが、不正利用にすぐに気づくことができたのはこの銀行が提供しているメール通知サービスのおかげだった。
この通知をオンにしておくと、振り込みや引き落としなどお金の動きがあるとすぐに取引内容が表記されたメールが届くようになっているため、アプリを開かずとも取引履歴が確認できるのだ。
口座アプリなんて毎日のように開くものでもないので、これがなかったら発覚が遅れて被害がさらに大きくなっていたかもしれない。利用しておいて本当によかった……と心底思った。
速攻でアプリからカードの機能をストップ。スイッチ1つでカードを止められる三井住友銀行、本当に便利だ。
よし、次は三井住友さんに連絡を入れよう。こういうのは早めに対応した方がいいらしいもんな。え~っと、電話番号は……
ファッ!?
なんてこった……筆者が利用している「SMBCデビット」のサポートデスクは、受付時間が10:00~17:00までだった。この時の時間は18時頃。と、時すでに遅し……。
ダメ元でかけてみたけれど、「この時間はカードの紛失・盗難のみ承っております」とのことだった。ウオオオ、もどかしい~!!
だけどこればっかりは仕方ない。不安な気持ちを抱えつつも、大人しく翌日まで待つことにした。
・連絡を取ってみたものの……
翌日、受付時間を待ってさっそく電話してみる。自動音声の案内に従って番号を入力すると、「只今の時間は大変電話が混み合っております」との案内が。「このままお待ちいただくか、再度おかけ直しください」とのこと。
おおお、そんなにいろんな人が電話をかけてるのか。皆困ってるんだなぁ。
とはいえ筆者も一刻も早く対応してもらいたかったのでひたすら待つ。延々と流れる自動音声を聞くこと約7分……
オペレーターさん(以下オ):「こちらSMBCデビット サポートデスクでございます。どういったご用件でしょうか?」
筆者(以下筆):「身に覚えのない引き落としについてお尋ねしたいんですけれども……」
よかった、やっと繋がった~! 第一関門を突破した気分になりつつも、オペレーターさんの指示に従ってカード番号・住所・名前・誕生日を報告して照会してもらう。
オ:「ありがとうございます、確認させていただきました。それでは利用された日時と価格をお願いいたします」
筆:「日時は8月19日、価格は15800円です」
オ:「ありがとうございます。『TOKYO DISNEY RESORT』からのご請求でございますね。こちらのご請求はWEBページとアプリのどちらでご覧になりましたか?」
筆:「アプリです」
オ:「承知いたしました。こちらの表示ですが現在は仮の名称での表示になっておりまして、1週間ほど経過しますと正式なお支払先の名称が表示されるようになります。その状態になりますと調査することが可能になりますので、表示が変わり次第再度お問い合わせいただいてもよろしいでしょうか」
なるほど、そういうシステムになってるのか。了承して電話を切った。
待機中はどうしても利用しなければならない時以外、ずっとカードの利用を停止していたのだがその間に3回東京ディズニーリゾートから2円の請求があった。
ディズニーに2円で買えるものってあるのか……? と疑問に思って調べてみたところ、東京ディズニーリゾートのアプリでは一部のカードで有効性の確認のためにカード情報を登録・変更すると2円が引き落とされる(もちろん返金される)システムになっているらしい。
あ、これ絶対犯人が味占めてる……。しっかりカード登録してバンバン使おうとしてるじゃん。1回登録されてしまったら終わりだ。意地でもカードの停止を解除しないぞ。
突然やってくる「2円引き落としできませんでした」の通知にモヤモヤした思いを抱えつつ、日々を過ごすこと5日間。ついに……ついに明細の表記が変更された!!
・再チャレンジ
うんばっちりチケット買ってる。
おい……人のお金で行ったディズニーは全力で楽しめるんか……そこに後ろめたさとかはないんか……? この世には自分とは180度考え方が違う人がいると実感した瞬間だった。
ともかくこれで材料は揃った。さっそく再度サポートデスクに連絡する。前回と同じ流れでカード番号や不正利用された取引を確認してもらい、改めてディズニー関連の支払いに身に覚えがないことを伝えると「翌日改めてこちらからご連絡させていただきます」とのこと。
翌日かかってきた電話によると、この支払はこのまま調査に回してもらえるそう。調査には長くて2週間ほどかかり、再度電話がくるか直接口座に入金されて対応が完了するとのことだ。
また、カードの再発行手続きもこの電話で直接行えるとのことだったので、お言葉に甘えてそのようにお願いさせてもらった。
そして、折り返しの電話をいただいてからちょうど1週間後の9月1日。口座アプリを開いてみると……
へ、返金されてる~!! おかえり私の15800円!! あ~、ほっとした……今後はこのようなことがないことを祈るばかりである。
それにしても、サポートデスクの方たちが丁寧な解説と対応をしてくださったおかげで、初めての手続きだったにも関わらず終始安心して進めることができたな。素早いご対応を本当にありがとうございました!
・今後はもっと気を付けます
今回、筆者のカード情報がどこから抜かれたのかは全く分からない。
まさか自分の身にこんなことが起こるとは思っていなかったので、油断していた部分もあったのかもしれない。
口座の残高が減っていくのってただでさえあまり見たくないのに、知らない人に利用されていたと発覚した時のメンタルの削れ具合にはなかなかエグいものがあった。
とっても便利なキャッシュカードだけど、2度と同じ思いをしないように今後はもっと扱いに気を付けていこうと思う。
参考リンク:三井住友銀行
執筆:うどん粉
ScreenShot:三井住友銀行アプリ(iOS)
Photo:RocketNews24.