8月25日、オンラインで開催されたゲーム開発者向けイベント「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2022」(CEDEC2022)において、「PlayStation VR2で拡がる世界」と題した講演が行われた。
この講演では、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、2023年初頭に発売を予定している「PlayStation 5」(PS5)向けバーチャルリアリティシステム「PlayStation VR2」(PS VR2)について、機能などを紹介するとともに、特徴をいかすことで拡がるVRの世界についても説明するというもの。
登壇したのは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント グローバル商品企画部 Sr. Staff Product Managerの高橋泰生氏と、同東京グローバルデベロッパーテクノロジー部 担当部長の秋山賢成氏。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント グローバル商品企画部 Sr. Staff Product Managerの高橋泰生氏(右)と、同東京グローバルデベロッパーテクノロジー部 担当部長の秋山賢成氏(左)
まずは高橋氏が、PS VR2の概要について説明した。本体でもあるヘッドセットについて。ディスプレイは片目2000×2040の有機ELディスプレイを搭載。「PlayStation VR」(PS VR)と比較して約4倍の解像度を有している。有機ELディスプレイを採用することで“真の黒”を表現できるという。また、フレームレートは90/120Hzの表示に対応。視野角は約110度で、PS VRの約100度から拡大。視野角を広げつつ、軽量でバランスの取れたフレネルレンズを採用している。
視線トラッキングの機能も有しており、左右それぞれの視線用にIRカメラを内蔵。視線の動きを検出することにより、対応するゲームにおいては、その対象のインタラクションが可能になるほか、プレーヤーの視線にあわせた解像度にレンダリングし、効率的に高解像度の表現を実現する「フォビエートレンダリング」にも活用される。
ヘッドセットフィードバックは、モーターをヘッドバンドに内蔵し、対応するゲームにおいては、プレイに応じた振動を感じることができる機能となっている。これにより触覚要素が追加され、プレーヤーがアクションを受ける感覚が増幅。例えとして、緊迫した場面でのキャラクターの脈拍の上昇や、頭の近くを物が通過した時の衝撃、車の振動をリアルに体験できると説明する。
サウンドについては、PS5における独自の3Dオーディオ技術「Tempest 3Dオーディオ」を活用。VRヘッドセットのトラッキングと組み合わせて、プレーヤーの位置や向きにあわせて、サウンドがリアルに変化。プレーヤーの周囲の音を再現することができるという。
PS VRでは、トラッキングにPlayStation Cameraが必要となっていたが、PS VR2では外部センサーやカメラなどは不要。ヘッドセット前面部に配置された4つのトラッキングカメラによって行う「インサイド・アウト・トラッキング」の方式に。トラッキングカメラを活用したシースルービューにも対応している。
重量バランスの最適化をはじめとして、レンズ位置を目の位置(目幅)にあわせて調整できるダイヤル、通風孔の配置など、装着感の快適さもこだわった設計になっているという。PS5とケーブル1本で接続して楽しむことができるという、利便性の向上についてもアピールした。
コントローラーである「PlayStation VR2 Senseコントローラー」についても説明。オーブ型のデザインを採用し、握ったときに手に自然とフィットし、手の動きを妨げないプレイができるという。
コントローラーにはスティックや各種ボタンが配置。さらに、ボタンを押さなくても指が触れるだけで認識する「フィンガータッチ機能」が、親指、人差し指、中指が置かれる3カ所に搭載。自然なジェスチャーによる直感的な操作が可能という。
PS5のコントローラーである「DualSense ワイヤレスコントローラー」と同様に、その状況に応じてさまざまな抵抗を感じられる「アダプティブトリガー」、繊細な振動機能である「ハプティックフィードバック」も搭載。特にVR空間では、物に触れたりインタラクションを取る際に、このようなフィードバック機能があることは、没入感を増すと説明する。