恩も義理もない知らない人同士でただお中元を交換するイベント、お中元交換会を今年も開催した。
2021年のお中元、お歳暮に続いてもう3回目だ。
ことしも知らないひとからのお中元に湧く声が届いている。
(文・構成:林雄司)
お中元交換とはなにか
お中元がただ欲しい人同士で交換するオンラインイベントである。参加者はお中元交換会事務局(という名前のデイリーポータルZ編集部)が指定する住所にお中元を送る。
すると知らない人からのお中元がひとつ返送されてくるのだ。もちろんお中元は選べない。
今年は7月中旬~末まで参加受付・お中元発送、8月10日に編集部からの発送となった。
ありがとう知らない人!の声が続々と
今回も知らない人からの素敵なお中元の報告がツイッターで相次いだ。「ありがとう知らない人!」
やり場のないホスピタリティが生んだ遠吠えのような感謝である。
お中元交換会でお中元を受け取った人のツイートは「#DPZお中元交換会」のハッシュタグにまとまっている。
この記事では私(林です)の好み(ゼリー)中心にいくつかピックアップした。
松山のみかんジュースっていろんな味があるんですよね!
高級綿あめ、自分じゃ買わないけど食べてみたい。まさにお中元。
右の白いやつがうまそうだ!
この瓶と雰囲気でまずいわけがない!
ちょっとした風邪なら治るやつだ!
知らない人から千疋屋のゼリーが送られてくる、そんな詐欺めいた幸福がお中元交換会です。
好みのものが送られてよかった!
お中元の組み合わせはAI(rand関数) なので偶然です。引き合わせです。
今日はあれがあるなと思うだけで電車でにやけるやつですね。
葛は僕も冷蔵庫に常駐させてます。
鵜 が食われてる!最高
そうめんは3日食べないと禁断症状が出ますよね(私見)
こういうのたまんないですよね。生活の質があがるのが実感できます。
これは…歓声があがりますね。絶対に捨てられないパッケージ。きっとあと5年は家にあるでしょう。
この瓶も絶対に捨てない。
白桃だけでもスキップしそうなのに、洋梨とは!寿命伸びましたね。
おおおお、Twitterに「センシティブな画像です」 って言われそうなぐらいのツヤ。漢字で書きたい、艶。
五平餅だ!!麦茶に合わせて昼ごはんにしたい。
感染症が流行っていても人々は助け合ってました、と後世語られそうな気遣い。
写真撮って人に送りたくなるきれいさ!
クラムチャウダー、オマール海老、ビシソワーズ。旨味三銃士を連れてきたよ、みたいな組み合わせです。
よかった!今回意外にアルコールNGの参加者が多くて、 酒好きの人に届け!と念じながら発送しました。
はちみつ・果実・ジュレ。美味しそうな3語の組み合わせです。色もいいな。
人はみな「桃」と「ごろっと」に弱い生き物です(もちろん個人の感想だし自分のことです)。
人のお中元を見ているだけでなんでこんなに楽しい気分になるのでしょうか。もっと喜びを見たい方はこちらにどうぞ「#お中元交換会」
お礼は必須ではないので自分が送ったものが喜ばれているかどうかわからないこともあります。まだの方は気が向いたらツイートしてください。
ここからはバックヤードの話
7月下旬から8月上旬、お中元交換会事務局と化した弊社には毎日山のようにお中元が届き、編集部に「お中元受け取り」という業務が増えた。午前中に会社にいて受け取るだけの仕事だ。編集関係ない。
ただ今回は、参加者にユニークなIDを発行してお中元をIDで管理したことで作業が効率化された(2回ラベルを貼り間違えてお中元を探したが)。
また送り主からの手紙もつけた。
お中元の組み合わせは問題ないか、間違って発送元の人に返送してないかひやひやしていた。もし全部間違っていたらしばらく身を隠してサロマ湖畔で過ごそうと思っていた。
このランダムにお中元を交換する仕組みはいつか「お中元交換奉行」という名前でSaasにしたい。
人に親切にしたい
自分にお中元が来るのも嬉しいし、自分が送ったものが喜ばれているのはもっと嬉しい。人は人に親切にしたい生き物なのかもしれない。
ポジティブな感情だけではない。お中元の額に送料を加えると今回の交換会で100万円近くのお金が動いているのだ。
そのうち1%も我々のところに入ってきてないのが清々しい。清々しくて会社に報告できないほどだ。
それでは次回、お歳暮交換会があったらお会いしましょう!
参加しなかったけどお中元が欲しい人は自分で買おう!