実家の犬見守りシステムをiPhoneで自作した(母が)

デイリーポータルZ

これが最高なんですよ

すこし前に、アフリカの砂漠を24時間中継するライブカメラが流行った。わたしも作業中に眺めたりしていたが、いろんな動物が思い思いに過ごしている姿を見ていると、なかなか癒やされるところがある。

この感じで、実家の犬を眺められたらいいのになあ。そう思っていたところ、母が中継システムを作ってくれました。いらなくなったiPhoneで。

(編集部より)自作ツールを紹介するリレー連載「工夫の鬼」第1回です。ライターや編集部員が、ふだんから実際に活用している自作のツールをご紹介します。不定期連載。

実家の犬はいつでも見たい

わたしの実家には犬がいて、名を球太(きゅうた)という。今から17年前の冬、我が家にやってきた。

2.JPG
少年野球をやっていたわたしが命名しました

今ではわたしが家を出てしまったので、たまの帰省時に顔を合わせるのみである。そういう生活になってから10年経つが、今でもふとした瞬間に「犬がいない」という寂しさが襲ってくる。母から送られてくる写真を見ていても、どんどん老いているのが見て取れるし、聞けば粗相や夜鳴きも増えて、要介護レベルがどんどん上がっているらしい。心配だ。

3.jpg
今では17歳、すっかりシニア犬である。オムツが欠かせなくなったし、足元もおぼつかない

そんなふうに気をもんでいるところに、中継システム導入の連絡がきた。実家の犬を四六時中見ることができるシステムだ。それは、お金を払ってでも設置したい!

いらなくなったiPhoneが活躍

と思ったが、超ローコストで導入できるという。「使わなくなったiPhone持ってきて」と言われるがまま、画面がバキバキに割れたiPhone6を持ち帰った。そうしたら、次の日には完成の連絡が来た。母すごい。

4.jpg
単純なシステムだ

犬の真上にiPhoneを設置しただけであるが、これにビデオ通話をかければ、いつでも犬を見守ることができる。ちなみに、通話にはFacetimeの自動応答機能を使っているので、むこうで誰かが出なくても、こちらからかけるだけで勝手につながります。

元々は、祖父母宅を見守ろうと思って作った仕組みらしい。が、祖父母があまりに着信に気づかず、毎回盗み見ているような感じになってしまって、へんな罪悪感が生まれてしまうのでやめたそうです。

だいたい寝てる

通話をつなげて見てみると、犬はだいたい寝ている。年を取って、もう飛んだり跳ねたりするのは難しいらしい。いつもリビングに設置されたベビー柵のなかで横になっていて、家族に世話をされている。

5.jpg
だいたい、寝ているか
6.jpg
家族に世話をされている

母や父がご飯を食べさせてやったりしているところに遭遇すると「あんたが赤ちゃんのころを思い出すわ」などと言われる。子どもが生まれた友人は、夜泣きが続いて睡眠不足とか、なかなかご飯を食べてくれないとか、育児の大変さを話してくれるが、老犬の介護も似たようなものらしい。

自分が赤ちゃんだったころの話に関しては、ありがとうございます、としか言えない!

7.JPG
独自の可愛さがあるのも、赤ちゃんと共通してます
1.gif
ヨタヨタ歩いているのもかわいい(どっちかの足が痛いらしく、いつも時計回り)

仕事中、これで犬を見る。老いてはいるけど、とりあえず元気にやっている姿が見られるだけで安心できる。

実家に犬や猫を残してきたすべての人におすすめしたいシステムです。

8.jpg
実家につながる窓ができたよう
9.jpg
「お空からお兄ちゃんが見てくれてるで」と母(ブラックジョーク)

「工夫の鬼」バックナンバー

Source

タイトルとURLをコピーしました