愛媛県の人は、何にでもミカン果汁を入れる、と聞いたことがある。ごはんを炊く時にも果汁を入れるし、家の壁にだって果汁を練り混ぜて風味を良くする…らしい。
一方、長崎の人は何にでもカステラを入れる。
おいおい、そんな話聞いたことないぞ!
というツッコミの声が聞こえてきそうだが、ミカン果汁の話はたしか吉田戦車氏の本にそう書いてあった(「ぷりぷり県」だったろうか)。カステラの方は、長崎に住む私がじわじわと実感しつつある印象である。
※2006年8月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
長崎人からも疑問の声
が、
「長崎人は何にでもカステラを入れたがる。」
声に出してそう言ってみたら
「えええええぇ?」
と、何人かの長崎人からも疑問の声があがった。
しかし、この記事を最後まで読んで頂ければ、おそらく私と同じ感想を抱くようになるんではないかと思う。
最初のアイテム
ではさっそく、ひとつめのアイテムから。
メロンパンである。
が、割って中を見てみると…
なんと中身はカステラ。
その名も「カステラ・メロンパン」。
「メロンパンの仮面をかぶったカステラ」とでも言おうか。味は、容積比からしても、ほとんどカステラである。
おそらくこれは、メロンパンを作っているうちに、ついつい大好きなカステラのことを考えてしまい、気が付いたらカステラの上にメロンパンを乗せていた(想像)。そんな印象を受ける一品である。
私がよく行っている長崎のbakeというパン屋でみつけた。
太巻き
次に見るのは、一見何の変哲もない、太巻きである。
が、中をよく見ると…
本来そこにだし焼き卵が入っているべき部分を、カステラが占拠している!
最初予備知識なしで食べて、いきなりカステラが出て来た時にはかなり驚いた。
寿司のねたを並べるところに、大好きなカステラの姿が見えなかったことが寂しくていられず、ついに魚たちと一緒に並べてみた(想像)。そんな印象を受ける一品である。
太巻きに入っているカステラはしっとり感が強く、食べると意外にも違和感がなく、美味しい。
長崎の一平寿司というところで出している。
と、このように2つの例を見ただけでも、
長崎人がいかにいろいろな物にカステラを入れたがっているか、理解できたかと思う。
が、せっかくなので、もう少しいろいろ見てみることにしよう。
身につけていたい
次に見るのはネクタイである。
色がカラフルでポップなこと以外、一見普通のネクタイに見えるが…
ネクタイのような、一見カステラの入り込む余地がなさそうなものにまで、 “柄”というカタチで入れてくるカステラ魂。
いつでもカステラを身につけていたい。
そんなカステラ愛にあふれるネクタイは、長崎大学の学生さんたちによって考案されてできたものだそうだ。これを身につけて就職活動を行えば、もう、決まるか決まらないかのどっちか間違いなしだ。(そりゃそうだ)
カステラ柄のハンカチもあった。
カステラっぽいものたち
カステラ・ネクタイを見せてもらいに行った長崎県物産振興協会では、他にも数々の擬似カステラたちが並んでおり、圧倒される。
迫り来るカステラっぽいモノたちの数々。
おなかいっぱい
「観光客向けのアイテム」という要素が加わると、カステラ関連グッズはさらに飛躍的な加速度を得て、収拾が付かなくなる。
もうそろそろ、おなかいっぱいだと思う頃だが、せっかくなのでダメ押しでさらにもう少し見てみることにしよう。
キャンディー2種
今度はキャンディーだ。
わりと容易に、幅広い手段でカステラを表現できそうなキャンディー。が、ここでは意表を突くアプローチが試みられている。
カステラ味かどうかという問題より、
“カステラ”という概念が入っていることが重要。
そう私は感じ取った。
カステラ神社
こういうのもある。
観光客が多く訪れる場所にあるこの神社は、いかにも観光客向けではあるのだが、その根底にはやはり「カステラを祀ってみたい」というカステラ愛が流れているのがわかる。
よく見ると先ほどのキャンディーは、こちらをモチーフにしたものだ。
近くには、こういうのもあった。
概念的なカステラアイテムが続いた中、こちらは味や色など本質的な部分でカステラに近づいた一品。
味はバニラアイスにほんのりカステラ風味が加わった、という感じで、あくまでもソフトクリームとしてのバランスを維持することに重点を置かれている。
この日はとんでもなく暑く、屋外で写真撮ったりしながら食べていたら、後半どんどん溶けてきて大変だった。
以上です
ここまで読めば、
「長崎人は何にでもカステラを入れる」
という私の意見も、なんとなく受け入れて頂けるのではないかと思う。
むしろ、いろいろ見ているうちに、だんだん本来のカステラが何か見失ってしまいそうなので、最後にカステラそのものの画像を載せて終わりにしたいと思います。