動画配信サービス「U-NEXT」に加入してからというもの、ドラマを見るのがやめられない! この盆中はしっかりドラマ三昧してやろうと画策している。
私(佐藤)と同じく休みの間にドラマにハマる気でいる人に、1本紹介しておこう。それは以前紹介した『ピースメイカー』と同じ、DCコミック作品の『ドゥーム・パトロール』だ。
人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』を彷彿させる、先の読めない展開と演出満載! ただしかなり人を選ぶ作品なのでご注意を……。
・ヒーローものと呼べるのか?
この作品は、2021年7月よりU-NEXTで配信が始まり、現在シーズン3まで公開されている。アマゾンプライムビデオでもシーズン1のみ(字幕・吹替)、有料で視聴することが可能だ。
物語は「ヒーローもの」といって良いのか迷うところ。というのも、一応主役にあたる5人は特殊能力を持つ「メタヒューマン」ではあるけど、頼りなぅてだらしないし、仲悪いし……。
とにかく良いところがない。少し内容に触れると、第1話でいきなり街を壊滅する騒動を起こしてしまう始末。これを本当にヒーローと呼んで良いのか?
・シーズン1のあらすじ
世の中に馴染めない、いわゆるはみ出し者の5人は天才科学者ナイルス・コールダーの邸宅で、人の目を忍んで生活していた。
各々不本意な理由で特殊能力を手に入れ、普通の人間ではなくなった5人だ。そのため、やる気はあまりなく、ヒーローという自覚も乏しい。普通に暮らすことができない現実を嘆き、そのきっかけを恨む日々。
そんな彼らをナイルスは励まし諭して、何とか前向きにやって行くことに努めるのだが……。そんなナイルスは宿敵ミスター・ノーバディによって、誘拐されてしまう。5人はどうなるのか?
・キャスト、スタッフが超豪華!
この作品の魅力を語る上で、まずお伝えしておきたいのはキャストとスタッフだ。変なヒーローものなのにやたら面子が豪華!
ロボットマンのクリフ役には映画『ハムナプトラ』のブレンダン・フレイザー。ナイルス役は4代目ジェームズ・ボンドのティモシー・ダルトン。ラリー役はアメリカの人気ドラマ『ホワイトカラー』のマット・ボマー。主役級の俳優を揃えている。
また制作総指揮には、DCのドラマで成功を収めている『ARROW』『THE FLASH』を手掛けるヒットメーカーのグレッグ・バーランティ。
プロデューサーには『ワンダーウーマン』『アクアマン』など、DC映画の制作に携わるジェフ・ジョンズ。ドラマ『スーパーナチュラル』のジェレミー・カーヴァーなど。キャストもスタッフも強者そろっており、作品の質はかなり高い。
・なぜか心奪われる
展開は完全に予測不能だ。どうやったらこんなめちゃくちゃな話を考えられるのか、不思議でたまらなくなってくる。控え目にいっても「頭おかしいんじゃないか?」と思うような演出が毎回毎回登場し、時に混乱してしまうのだが……。
ポンコツチームはポンコツなりに悩みもがき苦しみ、立ち止まったり後退しつつも、何とか前に進もうとするのだ。各々が抱えた過去やトラウマと向き合い、越えて行こうとする様子には、勇気づけられるものがある。
「おかしなヤツらだな」なんて思いながら見ていたのに、気づけば応援したくなっている。いじらしく健気な姿にいつの間にか心を奪われているのだ。
・ひとつ注意
魅力的な作品ではあるんだけど、先にも述べたように、ヤバい演出が随所に見られる。とくにシーズン1の最終話は気を付けて欲しい。スプラッター(血しぶきなどの生々しい描写)ではないグロ表現がある。
私はたいていの不気味な描写に耐えられるのだが、ちょっとキツかった。「よくそんなこと思いつくな」と感心する反面、「いい加減にしろ!」とやや腹が立ったくらいだ。
『ピースメイカー』と比べると、話のテンポは悪くトントン進まないし、「何を見せられているのか?」と思う演出は少なくない。
それでも、なぜか心が温まる不思議な作品なのはたしかだ。個人的には先の読めない展開や映像演出は、ジョジョに通じるものがあると感じた。ジョジョの実写ドラマを制作元の「HBO Max」がやったらこんな感じになるかな? なんて思いながら見るのは面白かったぞ。
盆休みにお暇ならお試しを。ただし最終話のアレには気を付けて。
参考リンク:U-NEXT、アマゾンプライムビデオ
執筆:佐藤英典
Screenshot:U-NEXT
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